2016年03月24日
【読書】『新世代CEOの本棚』から選んだ7冊
新世代CEOの本棚
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した読書本。本書は、NewsPicksと文芸春秋との共同企画「CEOの本棚」(NewsPicksにて有料記事として連載)を、164冊分のブックリストを加筆した上で、書籍化したものです。
アマゾンの内容紹介から。
何を読み、いかに考え、どう仕事に役立てるか?ホリエモン、LINE元トップはじめ、時代の最先端をゆくCEO10人が自らの本棚から、とっておきの愛読書を公開。最新ビジネス書から理系本、歴史書にマンガまで164冊分のブックリストをもとに、語り尽くした。ビジネスパーソンのための実戦的「読書術」も特別伝授!
今般、収録された書籍の中から7冊を選んでみました。
なお、配信はもうちょっと先になりますが、お得なKindle版も用意されております!
DSC_0019 / papapep
【『新世代CEOの本棚』から選んだ本7冊】
■1.『暗号解読』サイモン・シン暗号解読〈上〉 (新潮文庫)
HONZにたまに寄稿している翻訳家の青木薫さん。彼女が訳した本は読んだほうがいい。サイモン・シンの『フェルマーの最終定理』と『暗号解読』は鉄板です。
とくに「暗号解読』は、現代人に最低必要な教養です。僕たちの社会は暗号で成り立っているからです。(中略)
『暗号解読』は、非常にプリミティブな暗号の解説から始まって、暗号がこの先どこを目指しているかまで全部体系的に書いてある。ダイジェストでもいいから、教えるべきですよ。現代社会の基本中の基本だから、小学生の必読書にしたいくらいです。
堀江貴文氏(ライブドア元CEO)
◆この『暗号解読』は、文庫化された当時に、理系ブロガークラスタでは評判になった記憶が。
特に「たつをのChange Log」のたつをさんは「読まなきゃダメっ! 専門知識は不要」とまで言われてますね。
■2.『やってのける』ハイディ・グラント・ハルバーソン
やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~
『やってのける』は「意志力を使わずに自分を動かす」というサブタイトルに惹かれて読みました。
人は目標を掲げて、努力してなんとか実現しようと思うものですが、意志力が弱く途中で断念してしまう。実験によると、意志力というのは、筋力と同じで、たくさん使うと減ってしまうものなのだとか。もちろん個人差はあるでしょうが、朝は決断も速くて仕事がはかどるのに、一日中会議やミーティングをしていると、夕方になる頃には疲れてしまって、どうでもよくなってしまう。同じレべルの意思決定ができないわけです。
森川亮(LINE元CEO、C Channel CEO)
◆この本は下記参考記事のように、当ブログでもご紹介済み。
その記事に画像を掲載したように、付箋を貼りまくった1冊です。
参考記事:【スゴ本!】『やってのける 〜意志力を使わずに自分を動かす〜』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2013年09月24日)
■3.『一倉定の経営心得』一倉 定
一倉定の経営心得
たとえば、5000社以上を指導したとされる経営コンサルタント、一倉定さんの『一倉定の経営心得』は名言の宝庫で、「企業内に良好な人間関係が維持されているということは、革新が行われていない実証である」など、非常にマッチョな、それでいてドキッとするような本質を突いた言葉がそこかしこに出てきます。
朝倉祐介(ミクシィ元CEO)
◆アマゾンレビューの初っ端にあったのですが、「一倉定の社長学シリーズのポイントのみを一冊にまとめた本。全7巻を通読しなくても、この一冊で社長学の全体像が分かる」とのこと。
中古で3000円以上するものの、元はとれそうです。
■4.『優しい会社』神田昌典 監修, 安達元一 原案
優しい会社
私自身、人に本を薦めることもあります。ユーグレナの仲間が管理職になるときはその人にふさわしいと思う本を必ずプレゼントしているのですが、半分くらいは『優しい会社』を選んでいます。
これは、本当に素晴らしい本です。戦後70年、世代ごとの生き方や思考パターン、それに影響を与えた時代背景を、各時代にタイムスリップした主人公を軸にストーリー仕立てで学べます。ビジネスパーソンはもちろん、芸術家でも、スポーツ選手でも、子どもでも、どんな立場にいる人が読んでも価値がある。そう確信できる1冊です。
出雲充(ユーグレナ社長)
◆神田昌典さんは皆さんご存知だと思いますが、原案の安達元一さんは、以前本田直之さんと組んだ本を、当ブログでもご紹介したことがありました。
苫米地先生とも組まれているようですし、ビジネス書のエッセンスを、物語形式に落とし込む手腕は確かなのだと思います。
■5.『ストーリーとしての競争戦略』楠木 建
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
大学院で経営論を学ぶ中で読み、実際の経営に生かしたのは、『ストーリーとしての競争戦略』。この本は、先の『パブリックリレーションズ』のようにすぐにアウトプットに結びついたわけではありませんが、長期的な経営戦略を考えるうえでとても参考になりました。
他社との差別化は、競争の中で避けては通れません。この本を読み、いかに競争優位を得るか、そのためにどういったストーリーのサプライチェーンをつくりあげるかを考えました。
石川康晴(クロスカンパニーCEO)
◆この本も当ブログではご紹介済みで、ついでに言うと、出た当時に新聞広告で、フレーズを使って頂いているという。
なお、558ページもありますので、たとえ中古の方が安くともKindle版がオススメです。
参考記事:【スゴ本】『ストーリーとしての競争戦略』楠木 建(2010年10月20日)
■6.『ワーク・ルールズ!』ラズロ・ボック
ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える
最近読んだ本の中でダントツに面白かったのが、『「ワーク・ルールズ!』。この本では、「最高の職場」ともいわれるグーグルの人事トップが、いったいどのように採用・育成・評価のシステムをつくり、新しい働き方を提唱しているのかといったことを、包み隠さずに語っています。
どんな施策を打ったらよかった、悪かったといったトライ&エラーや、社員にどんなアンケートをとり、それをどう反映させたかといった具体的なノウハウまでつまびらかにしている。人事は会社の肝ですから、正直、「こんなに言っちゃってもいいの!?」と驚きましたね。
仲暁子(ウォンテッドリーCEO)
◆この本は、読むチャンスがあったのですが、「人事ネタ」ということで二の足を踏んでしまい、後悔しきり。
今ならKindle版は、「20%ポイント還元」のおかげで、送料込みの中古よりお買い得となっております。
■7.『シャオミ 爆買いを生む戦略』黎万強
シャオミ 爆買いを生む戦略
ビジネスの世界で個人的に注目しているのは、メタップスの佐藤航陽さんと、DMMの亀山敬司さん。それに、アリババのジャック・マーと、シャオミの雷軍が何を読んでるかは知りたいです。その意味でも、『シャオミ 爆買いを生む戦略』は面白かった。うちの社員には僕の本よりも、こっちを先に読めとすすめています。
佐渡島庸平(コルクCEO)
◆レビューは微妙なのですが、「あの」コルクの佐渡島さんが、自分の本より先に読め、というなら、悪いわけがないかと。
そういえば、UEIの清水さんも激賞していましたし、読んでおくべき作品の気が……。
【感想】
◆本書は下記目次にもあるように、10人のCEO(「元」を含む)が、自分のオススメ本や影響を受けた本について語りまくる1冊。もちろん、冒頭の内容紹介でも触れらている「歴史書」や「マンガ」、もちろん「小説」も登場します。
ただ収録冊数が大量164冊であり、その中から何冊選ぶかを考えた場合、ただでさえ自分の守備範囲外の本は、なかなか選びにくくて。
堀江さんご推薦のこの本なんかは、面白そうだったんですけどね。
遠き落日(上) (講談社文庫)
渡辺淳一さんが、野口英世の生涯を描いた作品なのですが、「『男芸者』と呼ばれた野口英世のクズっぷりが最高」とのこと。
◆また、10人いらっしゃる関係で、ボリュームの関係でお三方ほどスルーしており、それも心苦しいワタクシ。
とは言え、たとえばミスターミニットCEO・迫さんの本棚の初っ端とか、これですよ。
マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)
なんでも、以前勤められていたマザーハウスの副社長・山崎大祐さんに「これを徹底的に読めば、ほかの本は読まなくていいくらいだ」と言われたのだそう。
実際、「経済学とはどういう考え方をするのか」の本質がつかめたのは、この本のおかげとのことです。
……でも私は読めないだろうなぁ(涙目)。← 一応経済専攻w
◆こういうハードな本はさておき、本書内には、当ブログでご紹介済みの作品がちらほら。
上記7選でも2冊ありましたが、それ以外にもこの辺りが掲載されていました。
シリコンバレー式 自分を変える最強の食事
参考記事:『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』が想像以上に凄い(2015年09月20日)
最後の授業 ぼくの命があるうちに (SB文庫)
参考記事:【感動!】「最後の授業」ランディ・パウシュ(2008年06月16日)
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
参考記事:【速報】『影響力の武器[第三版]』がいよいよ登場!(2014年06月09日)
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
参考記事:【スゴ本】「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー(2008年12月15日)
スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)
参考記事:【オススメ!】『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル(2012年11月02日)
ホントはもっとあったのですが、この辺でご勘弁を。
◆ザーッと眺めて感じたのは、やはり戦略や経営、働き方等が多くて、コミュニケーション系がやや少なめかな、ということ。
上記既読本あたりは、「私が読んでいる」というフィルターかかっているのでそうでもないですが、164冊をご覧頂くと、やはり「CEOだな」と思わせられる選書だと思います。
確かに、堀江さんがたとえば「傾聴」の本を読んでいたら、それはそれで違和感ありますけどねw
また、今までも「社長の本棚」的な企画はありましたが、本書の場合、比較的若手(元LINEの森川さんが1967年生まれで最年長)が揃っている分、選書もイマドキ感が強い気が。
いずれにせよ、読書好きなら、避けては通れない1冊だと思います。
CEOの思考法の秘密がここに!
新世代CEOの本棚
01 堀江貴文(ライブドア元CEO)―「ノーベル賞科学者のプロデュース術」を学ぶ
02 森川亮(LINE元CEO、C Channel CEO)―自分の脳を「だます」本で、判断力を研ぎ澄ます
03 朝倉祐介(ミクシィ元CEO)―組織の「グチャグチャ」は歴史本で疑似体験
04 佐藤航陽(メタップスCEO)―「感情」「経済」「テクノロジー」で未来を俯瞰
05 出雲充(ユーグレナ社長)―ドラゴンボール「仙豆」から、ユーグレナを着想
06 迫俊亮(ミスターミニットCEO)―「とりつかれたような読書」から見えてきたもの
07 石川康晴(クロスカンパニーCEO)―倒産危機を救ってくれた、松下幸之助の『商売心得帖』
08 仲暁子(ウォンテッドリーCEO)―「採用」「解雇」の二大難問に答えてくれた本
09 孫泰蔵(Mistletoe CEO)―『ワンピース』は、チーム経営の最高の教科書
10 佐渡島庸平(コルクCEO)―ストーリーづくりは「観察力」が9割、「想像力」が1割
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。パソコンとスマホで仕事を効率的に進める105の方法
ムックなのかと思いきやそうでもなさげ。
スマホ使ってない私ですが、そろそろ年貢を納めないと……。
ご声援ありがとうございました!
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