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2016年03月11日

【リーダーシップ】『ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?』森若 幸次郎


ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?
ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で見かけた「リーダーシップ本」。

本書の著者である森若幸次郎さんは、ハーバード・ビジネススクールのエグゼクティブMBAである「PLD(Program for Leadership Development)」を日本人最年少で修了された方です。

アマゾンの内容紹介から。
スタンフォードも、MITも教えない「世界を支配するマインドセット」を大公開!ハーバードビジネススクールで世界を動かす成功者たちから学んだ「超一流の行動原理」61の指針。

なお、すでにKindle版も出ておりますので、こちらもご検討を。





Management versus Leadership / philozopher


【ポイント】

■1.スタンフォードとハーバードの違い
 わかりやすく表現すれば、世界を代表する「オタク」たちが"0から1"、つまりまったく新しい価値を生み出そうとするイノべーションエ場がスタンフォードです。
 これに対して、スタンフォードのようなイノべーション工場を管理・発展させているのがハーバード。0から1を生み出すのがスタンフォードだとすれば、ハーバードは"1を100"にする役割を担っているといえるわけです。
 起業家を育てるのがスタンフォードであり、経営者を育てるのがハーバード。
 そうした背景もあり、ハーバードは歴史の中でリーダーシップを学ぶための十分なノウハウを蓄積しています。また、実際にグローバルリーダーをより多く輩出しているのも、ハーバードのほうなのです。


■2.授業中はノートもパソコンも使わない
 講義の初日に面白いと感じたのは、「絶対にノートを取ってはいけない、バソコンも使ってはいけない」と注意されたことです。
 ニューヨークに行く途中の機内で購入したボールペンを持参し、メモを取る気満々だった私は、予想外の展開に驚きました。
 けれども、よく考えれば、記録するという作業を禁止したほうが学びの効果があリます。教授の発言により集中するようになり、かえって内容が頭に入りやすくなったからです。(中略)
 教授が用意したテキストをただ読み、受講生が一方的に聞くだけでは、まったくの予定調和。DVDや衛星中継を視聴しているのと同じです。
 私たちは、折りに触れて先生から次のようにいわれていました。
「講義に貢献しなさい。参加すること=貢献することですよ」


■3.本物のリーダーの3つの要素
 PLDでは、モジュール5という最後の課程で「Authentic Leader」について学ぶ時間がありました。
 Authenticとは、日本語に訳すと「真正の」「本物の」などという意味。要するにこれをクリアすればリーダーとして免許皆伝が与えられる、といったところでしょうか。
 Authentic Leaderの要素として教えられたのは、次の3つでした。
(1)フォロワーに対して正直に自分らしく振る舞うことで、信頼関係を構築すること。
(2)100%ポジティブであること。
(3)自信があって、人をよい方向に導くことかできること。


■4.「自分以上の人」を育てる
 あなたはよいリーダーとは、どんなリーダーだと思いますか。
 私なりに考えた理想のリーダーとは「自分以上のリーダーを何人も誕生させられる人」です。
 部分的に見れば、受講生たちはタッシュマン先生よりも知識で勝っていたり、スキルで勝っていたりします。にもかかわらず、タッシュマン先生が誰よりも尊敬を集めているのは、彼がよいリーダーをたくさん誕生させたという事実をみんなが知り、尊敬しているからです。
 スキルや知識とリーダーとしての素質は別です。これは、偉大なプロ野球の選手が、必ずしも名監督になれないのと同じです。
 もしあなたがリーダーに興味を持っているのなら、人を育てることに持てる力を存分に注ぎ込んでほしいと思います。あなたにはあなたなりの人間力を生かしてリーダーになっていただきたいのです。


■5.人間的に成長できる場所に身を置く
 たとえば数字を計算する能力を自分で学ばなくても、専門家にお願いすればアウトソーシングできます。もしくはお金を投資して、高性能のパソコンを使えばなんとかなります。
 しかし、人間同士の結びつきやリーダーシップなどはお金では絶対に買えません。
 私自身も、仲間たちに囲まれて議論を繰り返しているうちに、意識が変わってきました。自分の生き方について深く考えるようになり、自分の人間力を少しずつでも高めていきたいと考えるようになったのです。
 実際に人間力がどこまで高まったのかはわかりません。けれども、ボストンから帰ってきてから、さまざまな会社から役員や顧問になってほしいというオファーを受けるようになりました。ただひたすらドリルのような勉強をしていたのでは、こうはならなかっただろうと思います。


【感想】

◆冒頭で簡単に触れた、ハーバード・ビジネススクールの「PLD(Program for Leadership Development)」。

私も今まで知らなかったのですが、本書ではもうちょっと詳しく言及されているので、ここで補足しておきます。

まずそこに集まっているのは、「将来的に経営者になりたい」という夢を持っている若者ではなく、すでに経営者として実績を残している人や、大企業で次世代の経営者になることが確実視されている人物、とのこと。

具体的な基準もホームページに書いてあるそうで、基本的に入学対象となるのは、「企業の歳入が約90億円以上で、10年から15年の実務経験があり、将来リーダーになる見込みの高い者」なのだとか。

ですから、ペーパーカンパニーはもちろん、中小企業の二代目等が、箔を付けるために渡米するのは難しいワケです。

実際、受講者のビジネスも投資銀行や石油ビジネスが多く、平均年収も5000〜6000万円という「ビッグビジネスを動かすエリート」のよう。

……この時点で「いつかは自分も」とは思いにくいのが現実なんですがw


◆さて、授業の風景は上記ポイントの2番目に挙げたほか、とにかくパワフル。

授業で発言しなくてはならないのは、MBAのデフォルトだとは思いますが、PLDはさらに授業以外でもディスカッションが活発に行われるとのこと。

朝食はもちろん、ティーブレイクやランチ、ディナー、さらには夜中には飲み会が毎晩開かれ、それに参加しないと勉強の輪に加われない雰囲気があったそうです。

しかも、どんなに前の晩に遅くまで飲んでいても、翌朝は、皆ハイテンションで着席しているのだとか。

「眠い」とか「疲れた」とか言う人は一人もおらず、常にポジティブ。

森若さん曰く、皆、「誰にも弱みを見せずに、いつも快活に振る舞い、いかなるプレッシャーも克服しようと全力で努力する」のだそう。

なるほど、本物のリーダーになる人は、常日頃からこういう言動なのだな、と思った次第です。


◆なお、今回は章ごと割愛しましたが、第4章で述べられていたのが「人脈」。

とにかくPLDでは毎日議論し、食事し、酒を飲むわけですから、他の受講生たちと仲良くならないわけがありません。

ただ、森若さんは「勉強しに行ったら、多くの友人ができた」という順番で考えていたのですが、多くの人は違いました。

彼らは最初から人間関係を重視して、ハーバードに来ていたらしく。

実際に同期生の1人は、PLDの同期生を自社の役員として招いて、社内での政治力を高めていたのだとか。

確かに「気心の知れた」パートナーを見つけるには、PLDはうってつけの「場所」なのかもしれません。


◆当ブログでは、あまり「MBA体験記」のような本はご紹介してこなかったので、本書は新鮮でした。

もっとも、MBAよりもさらにハード(入るのも、受講するのも)なPLDですから、繰り返しますが「いざ自分も!」とはなかなかなりません。

また、収録されているTIPSも、「相手の名前を確実に覚える」のようなものは、頑張ればできますが、PLDという場や他の受講生あってのものは、いかんともしがたいわけで。

それはまさに、上記ポイントの5番目で言われていることであり、PLDとは『ドラゴンボール』の「精神と時の部屋」みたいなものなのかな、と。


実際には難しくとも、本書で疑似体験を!

ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?
ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?
1 なぜハーバードは「世界一」と呼ばれるのか?
2 ハーバード・エグゼクティブの「授業」
3 ハーバード・エグゼクティブの「リーダーシップ」
4 ハーバード・エグゼクティブの「人脈」
5 ハーバード・エグゼクティブが最も大切にしていること


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【外資で働く?】『外資で結果を出せる人 出せない人』山元賢治(2011年06月05日)


【編集後記】

◆昨日、複数のKindleセールが終わったのですが、もともと期限が明記されておらず、未だセール中なのがこちら。

【50%OFF】「日本実業出版社『2015年売上上位20タイトル』キャンペーン」開催中!(2016年02月18日)

かれこれ1ヵ月くらい続いているのですが、いつ終わるかアナウンスがないと、毎日チェックしなくてはいけないという。

もちろん、セールが続いていてくれた方が、嬉しいのは確かなんですがw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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