2016年03月06日
ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『他人を気にしない生き方』の真実
他人を気にしない生き方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった自己啓発本。著者のヨーゼフ・キルシュナー氏は、著作が全世界20カ国以上で、1000万部を超えるというベストセラー作家です。
アマゾンの内容紹介から。
他人を優先すべきではない。あなたは他人にとって重要なのではなく、自分にとって重要な人なのだ―世界的な人気を誇る自己啓発書作家による「正しい自分勝手」のすすめ。
お求めやすいKindle版もご用意できています!
そしてタイトルは、復活した「ホッテントリメーカー」で久々に作ってみましたw
05-17 - egoist / mararie
【ポイント】
■1.幸せになる2つの道あなたが幸せになる道は2つある。
その1は、共同体(コミュニティ、地域社会)に順応し、その共同体に守られながら生活する方法だ。ただしこの方法に従えば、他者に大きく依存することになる。
次に第2の方法だが、こちらは自分の希望どおりの生活を送り、あらゆる責任を自分が背負うという生き方だ。このように「自分の幸せは自分で決めたい」と思う人は、2種類の敵を相手にすることになる。まずは周囲の人たちだ。彼らは絶えず私たちの心・モノを奪おうと狙っている。そしてもう1つは、私たちの心の中に巣くう「迷い・ためらい」だ。
■2.他人のアドバイスに頼らない
人は困難に直面すると、快適な方法を求めて案内人を探す。案内人から「左は間違い。右に行くべきです。そちらの方向にあなたの幸福が待っています」と告げられれば喜んでそのアドバイスに従う。アドバイスを受けて満足するのはいいが、自分が本当はどこに行きたいのかがわかっていない。
幸せの方向をアドバイスする人たち、具体的には政冶家や宣伝マン、そして「唯一の真理を告知する役割の人たち」は誰も彼も、相手のこうした心理状態を利用する。彼らは相手にどんな能力が足りないかを熟知している。それは、自分のことについて考える能力、自分にとって何が正しいかを認識する能力だ。
他者から指導を受ける人は、自分が希望する人生を送ることなど絶対できない。自分が希望するあらゆる事柄に関して、「私がこう考えていると言えば、他者はどう思うだろう?」と考えてしまうからだ。
■3.自分のテリトリーを守る
あなたがもし自分の生きがい、自分のテリトリーに対していいかげんに取り組んでいるなら、あなたの「テリトリーを防御するパワー」は本来の半分しか発揮されないだろう。
家を建てたいくせに、「しかし、あまり苦労はしたくない」などと思っているなら、何か問題が生じた途端にあなたのパワーは即座に衰えてしまう。(中略)
さらに、あなたが何か仕事をするとしても、「この仕事はどうでもいいんだ、お金を稼ぐためだけだから」などと思っていれば、その仕事に喜びを見出すことは絶対にありえない。来たものを拒まないだけの話になってしまう。つまりは、あなたは自分のテリトリーを持っていないのである。守るべきテリトリー、一心不乱に打ちこむべきテリトリー、「予想外の力」の源泉となるテリトリーが、あなたにはないのだ。
■4.小さなことをしっかり解決する
小さなこと、まだ簡単に解決できることを、私たちは軽視しがちだ。だがそうした小さなことが克服不可能になって山積し、大問題にふくらんでしまうと、もう解決は難しくなってしまう。
私たちには、小さな問題が相手だと、それをすぐには解決しようとしない傾向もある。たとえば、ある問題を2週間以内に解決しようと考える。だが2週間経ったころには問題は少し大きくなっているし、少し難しくなっている。他の未解決の小さな諸問題が付随してくる場合もある。2週間前には10分で解決できたはずのことが、今では完全解決に2時間を要するまでになっている。(中略)
しかし私たちは知るべきだ。私たちの人生はたった1つの大きな出来事で決まるわけではなく、毎日をどう過ごすかによって決まるということを。
1日の時間をどのように配分するかとか、日々生じる多くの小さな問題をどういうふうに解決するか、そして1日をどういうふうに終えるかといったことが重要なのだ。
■5.「時間不足症候群」の治療方法
●自分がやりたいこと、あるいはやらなければならないことについて、「時間がない」とは絶対に言わない。
●いくつかの案件が重なったら、重要度にしたがってランク付けをし、その順序どおりに1つずつ片付けていく。
●今やっていることを最重要の案件と見なす。他の仕事がどんなに難しくても、それについて考えるのは後回しにする。今やっていることをまず処理するのだ。他のことを少しでも考えたら気が散ってしまうだけだ。
●あらゆる案件に関して締め切りを設ける。そのために、各々の案件にどのくらいの時間をかける「価値」があるかを考える。
(詳細は本書を)
【感想】
◆当初、本書のタイトルの『他人を気にしない生き方』というのを見て、「あー、自由に生きるのね」と軽く考えていたのですが、大甘でしたw何せ、原書のタイトルは『Die Kunst, ein Egoist zu sein』というもの。
Die Kunst, ein Egoist zu sein
これ、英語に翻訳すると『The art of being an egoist』なわけです(Google翻訳使用w)。
この「egoist」という単語を、ストレートに「利己主義者」と訳していいのか分からないのですが、本書内ではそのまま「エゴイスト」というフレーズが出てくるので、世間一般で考えられている「エゴイスト」という理解で良いかと。
となると、どう考えても、他人に好かれなさそうな気がしません。
◆……と思ってたら、本書の冒頭では、「もし『人に好かれたいと思っている人』が本書を読めば、きっとがっかりするだろう」なんて言われてて、涙目の巻。
これと真逆の「人に好かれるための本」を、今まで散々ご紹介してきた当ブログの立場は(ry
ただ確かに、上記ポイントの1番目の「2つの道」のうち、後者の「自分の希望どおりの生活を送り、あらゆる責任を自分が背負うという生き方」を選んだ場合、周囲のひとたち、つまり「共同体」の意思に反することになるでしょうから、衝突は避けられないでしょう。
また、周囲のひとでなくとも、上記ポイントの2番目に登場する「政冶家や宣伝マン」といったところも、自分に従わせようとしてきます。
こうした「外圧」に流されないためにも、「人からの賞賛や同情」さらにはアドバイスに期待や満足をせず、「自分の希望どおりの自立した生活」を送るべき、というのが本書の主張。
◆考えてみたら、ひと昔前の日本の典型的な「会社員」というのは、まさにその「2つの道」のうちの前者だったのだと思います。
上司に言われるがままに働いて、結婚して、家買って、会社に尽くす……まさに「共同体に守られながら生活」していました。
実際にそうすることに迷いもなかったでしょうし、右肩上がりであれば、それもアリなのでしょう。
しかし今や、平気でその共同体に裏切られるご時世です。
もちろん、会社のみならず、自分が「利用されている」と感じたことがある方なら、本書はそこから抜け出すためのアドバイスを伝授してくれていますから、一読の価値アリ!
◆なお、本書では親子間や夫婦間の問題や、著者のキルシュナー氏とその奥さんが「シングルマザーに悩まされた」実話等も収録しています。
特に後者に関しては、確かにその女性が不幸であることは認めるものの、毎日何時間も家にあがりこんで愚痴る反面、どんなに諸問題を解決するアドバイスをしても実践する気がない時点で、完全に「依存」。
さすがにこの例は極端だとは思いますが、場合によっては本書にあるように、毅然とした態度を取るのも大事だと思いました。
もっとも本書は、私がブログを続けてきた12年強の中でも、少々異色なテイストであることは間違いありませぬ。
まぁ、いつもは「好かれたい!好かれたい!」という本ばかりご紹介していますので、たまには本書のようなビターテイストな作品もアリ、ということでw
他人に振り回されがちな方に!
他人を気にしない生き方
第1章
人間は誰でもエゴイストだ。だが自分の希望どおりの生活を送っている人はほとんどいない
第2章
自分の願望を実現するか、あきらめるか? それを決めるのはテンション・空想力・創造力だ
第3章
誰もが安心を求めているが、実際にそれを手にしているのはごく少数の人だけだ
第4章
「まず自分のことを考え、それから他者のことを考える」というコンセプト
第5章
おおぜいの人が一生を通じて、業績向上をノルマと感じている決定的な理由
第6章
人は誰でもテリトリーを持っている。自分でテリトリーを守らなければ、他者に徐々に侵入されてしまう
第7章
「私は喜びを得るために行動する。そして自分の行動すべてに喜びを感じる」
第8章
重要なことと重要でないことを区別し、それに基づいて人生の決断を下さなければならない理由
第9章
「大目標を達成するための小さなステップ」という戦略
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【自己啓発】『人に強くなる極意』佐藤 優(2013年10月16日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」は、昨日のご本の紹介のときに載せたかった作品が。ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇 2016
これ、東洋経済さんのセールの際には「50%ポイント還元」だったのに、今回はそれを上回る「%OFF」と大盤振る舞い状態になっております!
ご声援ありがとうございました!
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