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2016年02月28日

【英語】『ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法』成毛 眞


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ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法


【本の概要】

◆最近「学びネタ」が多いのですが、今日ご紹介するのも、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった、英語の勉強本

著者の成毛 眞さんは、以前『日本人の9割に英語はいらない』という本を出された方なのに、ちゃぶ台返し(?)的な本を書いてくださいました(理由は本書にて)。

アマゾンの内容紹介から。
「やらないこと」を、最初に決めよう――留学・海外在住経験なし、社会人になってから英語を学び、外資系トップまで務めた著者による「必要最低限」の練習法。本書は、あなたの英語勉強効率を飛躍的に高めてくれる。

なお、上記未読本記事の時点ではなかったKindle版も、ご用意できております。





Steve Jobs and Bill Gates / Joi


【ポイント】

■1.本書で英語はどのようにできるようになるか?
 この本は、英語の必要性に直面したときに私が立てた戦略に基づいた内容になっています。英語学習のテキストというよりは、「仕事で英語を使わなければならなくなってしまった人のうち、手を抜いて英語を身につけたい人は、実際に勉強および学習をする前にどんな下準備をしたらいいのか」を書いた本です。ですから、この本だけを買って読んでも、英語ができるようにはなりません。断言します。
 しかし、事前にこの本を読んでおくことは、その後の英語学習および練習の効率を高めます。それは約束できます。


■2.「こんな風に話せたら」という「心の師」を真似る
 私の場合は、最も英語で話す機会が多い相手がビル・ゲイツであったため、目標は「ビル・ゲイツの英語らしく」とすんなりと決めることができました。
 みなさんはTEDなどを観て、目標とする人を決めてください。以上。
 と終わることもできますが、もし、真似る相手をなかなか決められないなら、「アル・ゴアのような英語」がいいと思います。クリントン政権時の副大統領であるアル・ゴアの英語は、私からすると変な癖がなく、上品でもあります。これを真似て身につけても恥ずかしい思いをすることはないはずです。


■3.発音は母音より子音
 重要なのは子音です。ただ、問題になるのも子音でしょう。何が問題かというと「日本人には同じに聞こえる、複数の子音」が存在することです。
 それは、日本人は区別が苦手とされるLとRや、FとVだけではありません。(中略)
 要注意なのはむしろ、日本語の「しっぽ」で使われる「シー」と言ってしまいがちなCや、同じく「柿ピー」の「ピー」と言ってしまうことの多いPなど、これまで受けてきた教育では、あまり注意を喚起されなかった子音です。これらの子音はもっと強く発音されなければなりません。
 たとえば、GとZはその最たるもの。だって、カタカナで書くと、どちらも「ジー」ですよね。でも簡単に分類すると、Gはイの口をした「ジー」だし、Zは前歯と舌の間から息を通すイメージの「ジー」です。全然違うのです。


■4.テレビは副音声に常時設定する
 さて、映画よりも何よりも、副音声で見るべきは、NHKのニュースです。具体的にいうと、午後7時と午後9時のニュース。これは副音声が英語になっています。ではなぜニュースがいいのかというと、理由は2つあります。
 まず、ニュースなら、映像や日本語のテロップがあるので、英語で初めて触れるニュースでもなんとなく意味はわかります。(中略)
 もう1つ、ニュースのいいところを挙げると、それは、話題が次々に変わること。
 なので見聞きしていて飽きないし、天気予報や為替レートのように毎日同じテーマが扱われるコーナーもあるので、「これはもしかしてこう言っているのでは」とだんだんと聞き取れるようになっていく自分に気がつけます。


■5.英語で言葉が出ないときは、翻訳せずに統合する
 話したいことがあるとき、頭の中ですべきことは「和英変換」でも「翻訳」でもありません。「統合」です。(中略)
言いたいことが英語で出てこないときには、無理にそれを翻訳したり、知らない単語を思い出そうとしたり(無理です)しないで、自分は何を言いたいのかを改めて頭の中で確認し、それを直球で英語にしたほうがいいと思います。
 これをなぜ「統合」というかというと、それまで見聞きした単語や表現をまさに統合し、言いたいことを表現しているからです。
 なんとなく覚えているフレーズの一部を入れ替えるのも立派な統合ですし、「私」「煙草」「許可」などのイメージを並べ、そこから「私は煙草を吸っていいか」という文章を作り出すことも、もちろん統合です。


【感想】

◆成毛さんのファンの方ならご存知だとは思いますが、もともと成毛さんは、IT系を志して、日本マイクロソフトに入られたのではありません。

某自動車部品メーカーで3年働いたのち、雑誌を作りたいと思って、憧れであった出版社へ転職。

そこがアスキーであり、転職した初日に、子会社である「アスキー・マイクロソフト」への出向を告げられます。

当時のアスキー・マイクロソフトはまだ人が少なく、米国本社で会議があると、成毛さんが出席しなくてはならないこともあったとか(最初の海外出張は、出向から1週間後だったそうw)。

そこで成毛さんは、必要に迫られて英語を練習することになり、サブタイトルにもあるような「割り切り&手抜き」で立ち向かうことになった次第。


◆ただし、手を抜くと同時に、成毛さんは「いかにも英語らしい英語を話せるようになろう」という目標を立てます。

ここで言う「英語らしい英語」とは「ネイティブにバカにされない英語」。

そこで成毛さんは上記ポイントの2番目にあるように、「ビル・ゲイツ」を目標にしました。

一方、成毛さんが私たちに薦めるアル・ゴアは、YouTube等で大量に閲覧が可能。

成毛さんのイチオシは、2006年にTEDで講演したときのこちらだそう。

アル・ゴア 「気候危機の回避」 | TED Talk | TED.com




◆また本書の第2章では、成毛流の「英語練習法」が多数披露されています。

上記ポイントでは、3番目と4番目がそう。

特に発音に関しては、「発音のためだけに難しい単語に挑戦する」と題して、かつて「とある単語」を「毎日30分練習して半月かかった」エピソードが語られています。

成毛さん曰く、この単語をマスターすることで、俗に言う「LR問題」は解決しているハズ、とのこと(ネタバレ自重)。

同様にポイントの4番目の「副音声」に関しても、「夜7時、夜9時のニュースは録画してでも見た方がいい」のだそう。

指摘されて「なるほど」と思ったのですが、中国人の名前の音読みの発音は日本でしか通用しないので、こういう機会に聞いておくべきでしょうね。


◆そしてポイントの最後の「統合」については、本書に具体例があったので、それにて補足を。

たとえば、喫煙者が飲食店に入り、禁煙席でもなさそうなのに、テーブルに灰皿が置いていない場合。

普通だったら「灰皿をください」というところです。

しかし、実際にしたいことは、「煙草を吸える状況を整える」こと。

ですから「灰皿をください」という代わりに、「煙草を吸ってもいいですか」と言い換えすることができれば、たとえ「灰皿(ashtray)」という単語を知らなくても、煙草を吸うことができる、というワケです。

……私だったら一生懸命「灰皿」の英訳を考えて、フリーズしちゃいそうですが(もっとも非喫煙者ですがw)。


◆なお、本書の巻末には「英語をモノにするための8冊、『15000円ポッキリ』!」と題して、「成毛式」の考え方に則った「英語関連本」が8冊紹介されています。

ホントなら、そこだけで記事1本書いた方がアクセスも集まりそう(アサマシ)なんですけど、さすがにそれは自重しました(当たり前)。

ただ、たまに見かけるHONZのレビュー同様、切れ味するどく本を薦め、「これは買わざるをえまい」と思わせる成毛さんの「匠の技」は、ここでも健在!
「2000円以上するが、それだけ支払う価値は十分にあるだろう」

「これで2100円+税というのは安すぎる。書店で見つけたらすぐ買うべきだ」

「外国人に日本のことを聞かれた場合、この本を読めば大抵のことに答えられる、というか、この本をプレゼントしたら喜ばれるだろう」

「ビジネスで英語が必要なすべての人に、この本に書かれている知識は不可欠だ」

……ま、また積読の嵐が!!



効率的に英語を学びたいなら要チェックです!

4046013761
ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法
はじめに 私たちには時間がない。まず、「やらないこと」を決めよう
第1章 王道を行く。しかし、燃費のいい車に乗って
第2章 自分を「できている気」にさせるのがコツ
第3章 上手に話せる人のうまい「切り抜け方」
第4章 次のステップに進みたい奇特な方に
おわりに 10年後、日本人の99%に英語はいらない
巻末付録 英語をモノにするための8冊、「15000円ポッキリ」!


【関連記事】

【脱英語?】『日本人の9割に英語はいらない』成毛 眞(2011年09月07日)

【英語】「レバレッジ英語勉強法」本田直之(2008年04月04日)

【英語】『アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術』金田博之(2014年03月18日)

【英語】『残念な人の英語勉強法』山崎将志(2011年02月14日)


【編集後記】

◆上記の「英語をモノにするための8冊、『15000円ポッキリ』!」の中で、1冊だけ、どうしてもご紹介しておきたいのがこちらです。

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異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

というのも、この本、今月の「Kindle月替わりセール」の対象作品だから。

何故か中古が新品以上のお値段がするのに、明日までなら「50%OFF」なんですから、お見逃しなく!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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