2016年02月23日
【呼吸】『呼吸で心を整える』倉橋竜哉

呼吸で心を整える (フォレスト2545新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先月初旬の未読本記事にて取り上げた、呼吸に関する1冊。アマゾンでも長らく在庫切れの状態が続いており、なかなか入手できなかった人気作です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
4万人が大絶賛している心を整える呼吸メソッド「マイブレス式呼吸法」が、ついに書籍となりました。
「呼吸法は、カラダにいい」ことは、すでにご承知の方も多いでしょう。
でも実は、呼吸のやり方次第で、カラダだけではなく、脳や心にも、とてもいい効果を与えてくれるのです。
誰もが普段無意識にやっている「呼吸」をちょっと意識して変えるだけで、【緊張】【イライラ】【怒り】【悲しみ】【雑念】が消えて、【集中力】【自制心】【継続力】が高まるのが、「マイブレス式呼吸法」の大きな特長です。
私もさっそく日々の生活に取り入れております!

take my breath away:) / gagilas
【ポイント】
■1.呼吸によって自律神経の働きもコントロールできる特に意識をしなければ、呼吸は、自律神経によってコントロールされます。
たとえば、心が穏やかでリラックスしているときは、おのずと呼吸も穏やかで深くなりますし、ストレスを感じていて心が不安定なときは、呼吸も浅くなったり、荒くなったりします。
一方で、意識して呼吸をすることで、自律神経に作用することができます。穏やかで深い呼吸をすれば、自律神経も穏やかでリラックスのスイッチが入りますし、浅い呼吸や荒い呼吸をすれば、興奮のスイッチを入れることができます。
つまり、意識して呼吸をコントロールすれば、自律神経の働きもコントロールすることができるのです。
■2.ポイントは「いかに不自然にやるか」
先にもお伝えしたとおり、「呼吸」は無意識でできます。一方、「呼吸法」とは、無意識でできることをあえて意識して行なうことです。
自然にできる方法だと無意識でできてしまい、呼吸法にならないのです。
あえて不自然な動作を入れることで、意識的に呼吸ができるようになります。
たとえば、普段の生活の中で「息を止める」という場面は、ほとんどないですよね。
あえて「息を止める」という不自然なステップを入れることが、意識的に呼吸することにつながります。
■3.心と体を緊張感から解放させる「ゆるめる呼吸」
(1)呼吸をしやすいように、目線を水平ラインより少しだけ上にします。本書で紹介している他の呼吸法は「吐くところ」から始まるのですが、「ゆるめる呼吸」だけは、「息を吸うところ」から始まります。
(2)息を吸いながら肩を持ち上げます。
(3)これ以上、息が吸えなくなったら「ハァー」と一気に息を吐き出します。
(4)息を吐き出しながら、肩をストンと落とします。
(5)これを1〜3回繰り返します。
緊張感が高まって息が詰まっているときには息を吐くことすら難しくなるので、まずはしっかリ吸ってから勢い良く「ハァーッ」と吐き出すことで、息が詰まる状態を解消することができるからです。
■4.自制心や集中力を鍛える「数える呼吸」
座っているときは、手のひらを上向けにして、膝の上に置きます。立っているときは、手のひらを前に向けましょう。
目は開けて一点を見ます。
呼吸は、吐くところからスタートします。
ゆっくりと息を吐いて、十分に吐き切ったら2、3秒だけ息を止めます。
その状態から、力をふっと抜いてやると自然と息が入ってきます。
無理に吸わないようにしてください。自然に入ってくる分だけで結構です。
息を吐くときは、口からでも、鼻からでもかまいません。
ただし、息を吸うときはできるだけ「鼻から」にしましょう。
■5.気持ちを切り替える「歩く呼吸」
「歩く呼吸」は、「歩数」を数えながら行ないます。
たとえば、「吐くときに8歩、止めるときに4歩、吸うときに4歩」というように、同じ歩数のサイクルで「吐く・止める・吸う」を繰り返していきます。
この歩数には特に決まりはありませんが、受講生から「それぞれ何歩にすればいいですか?」という質問をいただきます。
初心者の方に私がおすすめしているのは、「三・三・七拍子」のテンポです。
応援のときなどに使う、あの「三・三・七拍子」です。
(詳細は本書を)
【感想】
◆以前、齋藤 孝先生の呼吸法の本の記事を書いた際にも、私が呼吸について以前から関心を寄せていることは明らかにしておりました。とにかく税理士試験の受験生の頃は、「受かるためなら何でもやる」状態だったので、体質改善から睡眠法まで手を伸ばしており、その過程において出会った「ワイル式呼吸法」は、長らく実践していたという。
一応、私のネタ元はこちらの本になります。

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)
それが丁度昨年の今ごろ、なぜか急に「4-7-8呼吸法」として、話題になったワケですが。
1分で眠りにつけると話題の呼吸法「4-7-8方法」を紹介 - ライブドアニュース
上記エントリ含め、同じネタを記事にしているエントリーが乱立し、軒並みブクマ100超となってホッテントリ入りしていたのも記憶に新しいところかと。
◆今般、上記ポイントの2番目で指摘されていて「なるほど」と思ったのが、「あえて不自然にやる」ということ。
普通に呼吸する分には、単なる「呼吸」に過ぎません。
それを「不自然な動作」を入れることで、「意識的」になる、という。
特に「息を止める」という動作は、日常生活では起こりえないもの。
しかも、普通「息を止めて」と言われたら、まずすべての人が、「いったん息を吸ってから」止めるハズです。
そこを「息を吐いた状態で止める」というのは、不自然極まりないことであり、これは確かに「意識的」にならざるを得ません。
そのように能動的にアプローチすることで、自律神経の働きもコントロールできるのだな、と。
◆なお、本書の帯に大きく書かれた「前向きなため息」というのは、上記ポイントの3番目の「ゆるめる呼吸」になります。
自己啓発書等では、一般的にため息をつくのは良くないとされていると思いますが、呼吸法のプロである著者の倉橋先生曰く「ため息をガマンする方が幸せは逃げる」とのこと。
特にため息は、自然とお腹でする「腹式呼吸」になるので、生理学的にもメリットがあるのだそう。
さらに、もし周りの状況が許すのであれば、息を吐くときに「あ゙ー」と野太い声を出すとより効果的なのだとか。
おっさんのような野太い、低い響きのある声であるほど効果があるとのことなので、女性の方も恥ずかしがらずに試してみて頂きたく。
◆その上記ポイント3番目以降、最後の5番目までは、全て具体的な呼吸法の解説になります。
それぞれの効果や詳細については、本書にてご確認ください。
さらに今回割愛した、第5章、第6章にもそれぞれ「声を出す呼吸」と「鎮める呼吸」が収録されていますので、あわせてそちらも。
個人的には、勉強法と絡めた呼吸法にも踏み込んで欲しかった気もしますが、おそらくまだどこにもエビデンスがないのだと思います。
それでも本書によって「集中力」「自制心」「継続力」が高まるなら、本書のお値段くらいは余裕でペイできるハズ。
呼吸を制する者は、人生を制す!?

呼吸で心を整える (フォレスト2545新書)
第1章:呼吸があなたの心をコントロールしている
第2章:前向きな「ため息」が、緊張感を和らげる――【ゆるめる呼吸】
第3章:数えて呼吸するだけで、集中力が高まる――【数える呼吸】
第4章:イヤな気持ちをリセットする技術――【歩く呼吸】
第5章:頭の中に浮かんだ雑念を吐き出す――【声を出す呼吸】
第6章:イライラや怒りを鎮める方法――【鎮める呼吸】
【関連記事】
【ライフハック】『呼吸入門 心身を整える日本伝統の知恵』齋藤 孝(2015年03月15日)【自己啓発】『ペンタゴン式目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる』カイゾン・コーテ(2015年02月09日)
【オススメ!】『スタンフォードの自分を変える教室』ケリー・マクゴニガル(2012年11月02日)
【健康になる7つの習慣】『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』 小林弘幸(2011年06月09日)
【編集後記】
◆一昨日までのハズだったこちらのセールが、まだ半分以上ひっそりと続いているようで。【50%OFF!?】Kindle本、マンガ・書籍全ジャンル一部商品セール中?(2016年02月17日)
公式ページがないので、毎日いくつか作品をチェックする日々が続いております。
もっともこちらのように、Kindleのトップページでうたわれているのに、公式ページがなくて、期限が皆目見当つかないセールもあるのですが(涙目)。
【50%OFF】「日本実業出版社『2015年売上上位20タイトル』キャンペーン」開催中!(2016年02月18日)

この記事のカテゴリー:「健康」へ
この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
6月10日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです