スポンサーリンク

       

2016年02月17日

【うまい言い方211?】『大人のものは言いよう事典』櫻井 弘


大人のものは言いよう事典 (だいわ文庫)
大人のものは言いよう事典 (だいわ文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で目についたコミュニケーション本

一見よくある「大全本」のようにも見えたのですが、既存本のリミックス等ではなく、書き下ろしの新刊でした。

アマゾンの内容紹介から。
なぜかトクする人、味方が多い人、信頼される人…その言い方はズルイっ!イザという時に使えるうまい言い方211。著書累計180万部超えの話し方インストラクターが教える、言い方を変えるだけで仕事がうまくいく本。

言っている内容は同じでも、言い方でこんなにも印象が違うとは!?





20150129-OSEC-DCK-6209 / USDAgov


【ポイント】

■1.会議で本音を言っても嫌われない人の言い方
×こんなことは言いにくいのですが…

○きっとみなさんは、私の意見くらいでは動じませんよね。
相手を牽制するひと言を前置きするのも効果的。「みなさんなら、この意見を受け止めるだけの度量がありますよね」と相手の実力を認め、プライドを満たす効果もある。


■2.怒っている相手を落ち着かせる人の言い方
×今日中なんて急すぎます。

○よろしければ、今日中に修理が必要な理由をお聞かせくださいますか?
ムチャに思える要求も、相手には理由があってのこと。そこを質問することで、「私はあなたを理解したいと思っている」というメッセージが伝わり、相手も落ち着いてくる。


■3.キツい上司にも冷静に返す人の言い方
×いつもそんな言い方をしてはパワハラになりますよ!

○いつも冷静沈着な課長がそこまで言うなんて、よほどお怒りなんですね。
上司の普段の様子をほめつつ、「今のあなたはいつもと違っていますよ」と冷静に伝えることで、自分の言動を反省させることができる。


■4.無理なお願いをうまく断れる人の言い方
×今月中に納入するなんて無理です。

○納期が来月であれば、喜んでお引き受け致します。
「〜できない」という否定表現ではなく、「この条件なら引き受けられる」という肯定表現を使うことで、「こちらもできる限り引き受けたい」という気持ちが伝わる。


■5.要領が悪い部下を働かせる人の言い方
×じゃあ、今言った通りにやってくれ。

○今の説明でわからないところは?/10のうちどこまでわかった?
自分は正確に伝えたつもりでも、部下が内容を正しく理解できたとは限らない。指示を出したら、相手がきちんと理解できたかどうかを必ず確認すること。


■6.言いにくい指摘もうまく伝えられる人の言い方
×私がイメージしていたものとは違いますね。

○こちらの説明が不足していたかもしれませんが、約束とは少し違うようですね。
「自分にも責任があったかもしれない」と前置きしてから指摘すれば、「あなただけを責めているわけではない」というメッセージが伝わる。


■7.反対意見を建設的に伝えられる人の言い方
×あなたと違って、私の意見は…

○その点は私も賛成です。その上で、あえて違いを申し上げるなら…
自分と相手の共通点について賛成の意を示してから、自分の主張を伝えれば、相手に「自分の意見を全否定された」という印象を与えずにすむ。


【感想】

◆本書は下記目次にもあるように、まず第1部が「基本編」と題した導入部分になります。

ただ、ここは20ページほどのホントに「導入」であり、本当のスタートは、第2部の「実践編」から。

ここではやはり下記目次にもある1〜8の「目的」(本書内では「レベル」と呼んでいるのですが、難易度とは違うので少々違和感が)ごとに、上記の各ポイントにもあるような「〜な人の言い方」を列挙する仕様になっています。

たとえば、「会議で評価される」であれば、
・会議をうまく仕切れる人の言い方
・誤解されない人の言い方
・会議で本音を言っても嫌われない人の言い方
といった具合。

こうして各目的ごとに3〜5ほどの「言い方」があり、さらにその「言い方」ごとに、具体例が5〜10くらいずつ挙げられているので、「うまい言い方211」という数も納得です。


◆また各目的の終わりには、「コラム」も収録。

ここはここで、付箋を貼った有意義なTIPSもあったのですが、今回ボリュームの関係から様式を合わせたので、泣く泣く割愛しました。

「これは!」と思ったものだけでも挙げておくと、まずは「ほめ上手になる10の"目のつけどころ"」からいくつか抜粋して。
・ほめ言葉に「実感」を込める
・どこがどうよいか、「具体的」にほめる
・うまくいったその「瞬間」にほめる
・「当たり前なこと」を実行している人をほめる
・結果ではなく「プロセス」をほめる
なかなか納得できるのではないでしょうか。

もう1つ、これの「叱り上手」パターンもあるのでついでにご紹介しておきます。
・「自分も悪い」という気持ちで叱る
・「罪を憎んで、人を憎まず」という意識で叱る
・よく話を聞いて、「事実」を確かめた上で叱る
・「相手の何を叱るのか」、事前に明確にしてから叱る
・強く叱った後には「フォロー」を忘れない
こちらは私の場合、子育てにも実践しなくては、と思っている次第。


◆さて、目的の中では、「会議で評価される」のパートが、付箋が最も多かったです。

ここではいわゆる「ファシリテーター」として会議を仕切ったり、先に発言した人に対して反対意見を述べたり、「本音」で言ったりするワケですから、テクニックが必要とされるところ。

特にファシリテーターがうまく仕切れないと、会議はグダグダになりますから、会議を開催する機会がある方は、お目通し願います。

ちなみに、ここでのNGフレーズ(上記ポイントで言うと「×」が付いているケース)だけいくつか挙げておくとこんな感じでした。
×先ほどとは正反対の意見が出てしまいましたが…
×その話、今日の議題とは関係ないんじゃないですか?
×今、それについて話していません。
×みなさん、ちょっと落ち着いてください!
……何やら最後の方は、大紛糾のようなんですが、果たしてどう言えばこのピンチを切り抜けられるのか!?(ネタバレ自重)


◆ただし、本書にあえて苦言を述べさせてもらうなら、「横書き左開き」なことでしょうか。

「×○」を使うレイアウトから、横書きを選んだのかもしれませんが、数式や英文がない以上、極力縦書きで書いて欲しかったな、と。

そして、下記関連記事にも、このような「言い方」事典(辞典?)も何冊もあるように、類書との多少のネタかぶりは否定できません。

とはいえ、この手の作品は、出た都度読み直して、かぶるものは再度意識し、新規のネタでピンときたものを取り入れていくつもりでおります。

結局「人間関係」というものは、こうした「言い方」で大きく違ってくるんですよね……。


仕事を円滑に進めるために読むべし!

大人のものは言いよう事典 (だいわ文庫)
大人のものは言いよう事典 (だいわ文庫)
第1部 「ものは言いよう」基本編
・コミュニケーションは“相手ありき”
・「話し方」の基本は“あ・い・さ・つ”
・「聞き方」でやってはいけない“3つのタブー”)

第2部 「ものは言いよう」実践編
 1.安心感を与える
 2.雑談の達人になる
 3.会議で評価される
 4.営業で成果をあげる
 5.ピンチを切り抜ける
 6.部下・後輩を育てる
 7.言いにくいことを伝える
 8.人を動かす


【関連記事】

【貴方は大丈夫?】『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』村上英記(2014年07月23日)

すぐに使える『感じよく話せる「大人の言い方」辞典』テクニック7選(2013年05月04日)

【これは便利!】『ビジネスメール言い換え辞典』から選んだNG7選(2012年08月16日)

すぐに使える『感じよく話せる「大人の言い方」辞典』テクニック7選(2013年05月04日)

【お買い得?】『できる大人のモノの言い方大全』がお手頃価格なのに中身充実している件(2012年09月30日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」の作品は、当ブログにてレビュー済みのこの本でした。

B00Q4F0JQA
大金持ちの教科書

「69%OFF」と、これまた破格値(白目)。

送料込み中古と比べても、全然お買い得なので、未読の方はこの機会にぜひ!

参考記事:【儲けのオキテ】『大金持ちの教科書』に学ぶ6つのNG(2014年12月09日)



人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。