2016年02月15日
【仕事術】『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』理央 周
仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にてご紹介した仕事術本。タイトルにもあるように「時間の使い方」がテーマなのですが、仕事の本質的な部分にまで踏み込んでいる印象を受けました。
アマゾンよりも、版元さんの内容紹介がすっきりしてたのでそちらから。
「仕事をしたつもり」をなくせば残業ゼロでも圧倒的な成果を生み出せる! 1日24時間という限られた時間のなかで考えるべきは、「なにをやめて、なにをやるべきか」。時間術の達人がNGとOKを対比しながらわかりやすく解説。
仕事をスピーディーに片づけたい方なら要チェックです!
161011追記:Kindle化されました!
Time to go home / Alan Cleaver
【ポイント】
■1.スケジュール帳は1か月分を俯瞰して「余白」を作る新しい価値を生みだす仕事は、5分、10分でできる仕事ではありません。
私の場合、クライアントの来期のマーケティング戦略や、自分の書籍のテーマを練るときなどは、まとまった時間が必要です。そのような「価業」に専念するときは、外に出る用事は一切つくらず、集中して取り組む必要があります。それなのに、クライアントとのアポイントや、出版社との打ち合わせだけでスケジュールが真っ黒になっているようでは、価値のある仕事を生みだすための時間がとれません。
できれば週に2日、最低でも週に1日は、アポをまったく入れずに、集中して「価業」に取り組む時間を確保し、「作業」だけに追われないようにしましょう。
そのためにも、その日の予定だけではなく、1週間、1か月を俯瞰してスケジュール帳を確認する習慣をつけることが大事です。
■2.ToDoリストは「期限」だけでなく「所要時間」も入れる
仕事をするときには、きちんとToDoリストを書くようにしてください。ただし、「やるべきこと」しか書いていないToDoリストでは不十分です。
まず大事なのは、「いつまでにやるか」の期限をはっきり書いておくことです。締め切りのない仕事は、どうしても後回しにしてしまうのが人間の性です。(中略)
くわえて、仕事の速い人は、ToDoリストに、所要時間の見積もりを一緒に書いています。たとえば、「10日締切、資料最終チェック(30分)」などと書き込んでいるのです。こうしておけば、時間をどのように使っているかを把握できるようになり、その差異の原因を分析して、次に活かすことができれば、時間と仕事をうまくコントロールできるようになります。
■3.「好きなこと」よりも「やるべきこと」から手をつける
会社員時代に、成果があがっていない人たちの問題点を分析してみたところ、「得意(好き)なこと」から手をつけているケースが多いことがわかりました。
それ以来私は成果をあげられていないことに悩む人には、まず「得意なこと」ではなく「やるべきこと」からスタートするべきだといつもアドバイスしています。
「得意(好き)をこと/苦手(嫌い)なこと×やるべきこと/後でいいこと」の2つの軸で整理をすると、ほとんどの人はまず「得意・やるべきこと(A)」から手をつけます。その後、「苦手・やるべきこと(B)」をやるのであればまだいいのですが、「得意・後でいいこと(C)」に手をつけてしまう人が多いのです。(中略)
仕事の速い人はBから手をつけます。AとBはどちらも「やるべきこと」ですが、自分が得意なAの仕事は気分よくやれるので、見積もりの時間どおりに短時間で効率よくできるケースが多いからです。最初に苦手なBを片づけておけば、その分、心に余裕もできます。
■4.メールは「すき間時間」で処理することを基本にする
メールをしただけで仕事をした気分になってしまっている人は、メールだけではなんの成果も生んでいないことを、まず自覚しましょう。
メールの処理の仕方は人それぞれの工夫があると思いますが、仕事が速い人の共通点は、メールを手段と割り切り、できるだけ効率よく処理していることです。
仕事が速い人は、わざわざメールチェックをする時間をとらず、5分、10分のすき間時間を使っている人がほとんどです。
メールが来るたびに自分の仕事を中断するのは効率的ではありません。せっかくの集中力がとぎれてしまい、中断するたびに、冷えてしまったエンジンを温め直さなくてはならないからです。メールボックスを開くのは1日に何回かだけにして、まとまった「価業」に使うための時間の途中で集中力がとぎれないように工夫しましょう。
■5.日程調整は一往復ですませる
客先との打ち合わせの日程を決める場合は「相手のスケジュールを先に聞かないと失礼にあたるかもしれない」と思うかもしれませんが、相手の手間を増やすほうがかえって失礼です。日程の選択肢は自分から提示したほうが、日程を決めるためのやりとりが少なくてすみます。たとえ相手が経営者であっても、自分から提示したほうがよいでしょう。忙しい人ほど、そのほうが喜ぶはずです。(中略)
自分から候補日を送ってたたき台にしてもらうほうが、先方の手間もかかりません。もし、その候補日では先方が空いていないのであれば、先方から「○月○日○時からはいかがでしょうか」と別の日程が送られてくることもありますし、こちらから再度候補を出せばいいだけです。大切なのは、相手の時間を奪わないことです。
【感想】
◆類書でも見かける「王道ネタ」も確かに目につきましたが、それを含めて本書のTIPSは「使える」と感じました。たとえば上記ポイントの2番目の「ToDoリスト」。
「『いつまでにやるか』の期限」だけでなく、所用時間の見積もりも書いておく、というのは「目からウロコ」でした。
見積もりと実際にかかった時間を比較する、というやり方は、業務改善に役立つこと必至でしょう。
……私の場合は、見積もりが全然立てられなくて、ひたすら作業ログだけつけていたのですが。
◆また、上記ポイントの3番目の「『好きなこと』より『やるべきこと』」というのは、あまり目にしたことのないTIPSです。
本書内では、分かりやすくマトリクスで表わされているのですが(下記画像は私がExcelで再現したもの)。
仕事の遅い人は「A→C→B→D」でやる、というのは上記でも触れたとおりです。
ここで普通の人なら「A→B→C→D」でやるワケなのですが、仕事の速い人だと、苦手なことから手をつけるので、「B→A→D→C」になるとのこと。
個人的には、少しでも進捗度を高めたいので、得意なことからやりたいのですが、それではいけないんですね。
◆なお、時間術とは直接関係ないものの、割愛した中で興味深かったのが、ドラッカーの説く『体系的な廃棄』」なるものです。
これはデスクの整理整頓のお話で触れられていたのですが、ドラッカーの言う体系的廃棄とは、次の3つのプロセスがあるのだそう。
(1)今、あるものをないと仮定しますつまり、このプロセスにのっとって、デスクの上のモノを「整理」ではなく「廃棄」せよ、というワケです。
(2)そして、今からでもそのものを手に入れるかどうかを考えます
(3)仮に「手にいれなくてもいい」と判断したら、そのモノは即刻廃棄します
何だか、インテルがDRAMから撤退した時のお話みたいですが、これまた「本質」なのだと思われ。
◆一方、上記ポイントの4番目のメール処理のやり方は、本や人によってもさまざまです。
もらったメールにすぐ返事を返すことで、評価を高めてらっしゃる著者さんもいますが、本書の著者の理央さんは、「朝(価業を始める前)」「午後のすき間時間」「夕方終業前」の1日3回というスタイル。
その代り、開いたメールには即、返信し、できないものには「受信した旨」の返事をするのだそうで、私も理想を言えば、そうしたいところです(←メール長めでできない)。
また、ポイントの5番目の日程調整も、顧問先とのアポは、いつもこちらから先に訊いていましたが、今後は自分の予定を伝えてみようかと。
……顧問先からはお金をもらっている立場なので、急には切り出せない気もしますが(ダメじゃんw)。
残業を少しでも減らしたい方に!
仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方
第1章 最速で成果を生みだす「時間の使い方」
第2章 速さは「段取り」で決まる
第3章 「メール」に時間をかけすぎない
第4章 「会議・打ち合わせ」の生産性を高める
第5章 「資料作成」は必要以上に時間をかけない
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。加算混合の発想 硬直思考からどう脱するか(2015年新装版) (大前研一books(NextPublishing))
大前研一先生が1980年に出された本の新装版。
レビューが好評なのに「80%OFF」とかなりの割引率なので、気になる方は今日中にぜひ!
ご声援ありがとうございました!
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