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2016年02月13日

【読書】『読書で自分を高める』本田 健


読書で自分を高める (だいわ文庫)
読書で自分を高める (だいわ文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み本田 健さんの手による、書き下ろし文庫本。

しかもテーマが「読書」ということで、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気を博していました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
一冊の本と出会うとき、最高の人生がひらけていく。
大ベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』の著者が、自らの体験に則し、知的好奇心を広げ、読書を楽しむ方法を初公開!

読書好きなら見逃せない1冊です!





Reading / jepoirrier


【ポイント】

■1.本を読む人ほど、成功しやすい理由
 本を読む人が成功しやすいのには、理由があります。それは、読書で成功する事例をたくさん知ることができるからです。(中略)
 画期的なアイデアといっても、ゼロから生まれたアイデアより、もともとあるアイデアの組み合わせでできていることのほうが多いのです。
 読書家のビジネスマンは、他の業界の成功例を学んでいたり、過去のうまくいった事例や海外の事例を読んでいます。
 したがって、自分のビジネスを展開するときに、いろんなプランを持って、事に当たることができます。
 うまくいかなくても、あらゆる可能性を頭のなかに何十通りも持っているので、想定外のことが起きても強いのです。


■2.本田流速読術
 最初は、違和感があると思いますが、心のなかで読まずに、字面を目で追い掛けていくと、1秒で数文字は読めるようになります。
 それだと、意味がわからないのではと頭のブレーキがかかると思いますが、30分ほど練習すると、音読から解放された自分にびっくりするでしょう。
 音読から解放されたら、今度は、上から下へと文章を迫い掛けてください。すると、たった1秒で1行が読めるようになります。そのトレーニングを続けていくうちに、大きなジャンプがやってきます。
 次は、もう行の上から下に目を移動させずに、1行すべてを一瞬で見る練習をします。すると、視界を広げれば、1行が0.1秒で見えるようになるはずです。
 その次のステップは、パラグラフを一瞬で見ることです。もうここまで来ると、本を読んではいません。写真を撮るような感じに近いかもしれません。同時に、高度な画像認識ソフトも起動させ、写真を撮るのと同じスピードでOCR解析して頭のなかで文字起こししていくようなものです。
 この練習を繰り返していくうちに、1ページを1分もかからずに読むことができるようになります。


■3.ベストセラーには目を通す
 本がベストセラーになるためには、テーマ、タイトル、時流などが一致する必要があります。
 どれひとつ欠けても、べストセラーにはなりません。もちろん、ちょっと軽いタッチの本のほうが売れやすいという傾向はありますが、読者もバカではありません。読んでみておもしろいと思う要素がなければ、さすがに売れないのです。
 そういう点では、時代の流れを一番感じやすいのが、べストセラーです。
 どういう本が売れるのか、いまの世の中の空気を感じるためにも、べストセラーには、目を通すことをお勧めします。
 まったく意味のないべストセラーはありません。ひとつ、ふたつは、キラリと光るコンセプトがそこにはあると思います。


■4.駄目な本の見分け方
 まず、あまり役に立たない本は、著者が読者のために書いていない本です。持論を延々と展開するだけで、読者にとってどう役に立つかという視点がない本は、得るものがあまりないかもしれません。
 有名な著者の本のなかにも、役に立たない本は混じっています。ライターと数時間の打ち合わせで1冊つくってしまうような本は、あまり読み応えがないでしょう。
 編集者の手が入ってないものも、あまりお勧めできません。誤字脱字があったりする本は、編集者、校正者があまり関わっていない本です。また、手にとった感じで、スカスカしているなあという印象の本は、よくないかもしれません。


■5.良書は10冊分の値段だと初めから考える
 10冊のなかに、良書が1冊混じっているとしましょう。
 このとき、自分と合わない9冊の本にできるだけ会わないように考える人は、ムダに買ってしまった9冊ぶんを不要なコストに感じてしまいます。
 でも、賢い人は、良書が、そもそも10冊ぶんの値段だったと最初から考えます。
 なので、9冊ぶんに費やす時間とお金は、べストな1冊に出会うコストだと考えればいいのです。


【感想】

◆本書の冒頭には、著者の本田 健さんの読書遍歴が記されています。

いわく、お父さんが大学に行けなかったため、若い頃から本を先生としていたこと。

お母さんやお姉さんも本好きで、その影響から小学生のころから読書にはまっていたこと。

大学時代は生活費のほとんどを本に費やしており、その頃出会った速読によって、さらに大量の本を読むようになったこと。

通訳をはじめて、時間とお金ができてからは、本をダンボール買いしていたこと。

そして今では、ビジネス書、自己啓発書の分野では、個人で有数のライブラリーを持つにいたったこと。

……まさに、当ブログの読者さんが理想とするような読書家ぶりですよね。


◆そんな本田さんですから、本書における「読書」というのは、「仕事に役立て」たり、「お金を稼ぐ」ためだけのものではありません。

もっと根本的な、かつ「自分自身の生き方」に関係するような意味での読書、それこそまさに、本書のタイトルでもある「自分を高める」ことがメインです。

たとえば「逆境に陥ったときにこそ本を読め」ですとか、「自分の感情を表現するには、読書によるボキャブラリーが必要」といったフレーズがバシバシ出てくるという。

そんな中、あえて(?)当ブログ向けにセレクトしたTIPSが上記のポイントなのですがw


◆まず、上記ポイントの1番目の「読書で事例を学ぶ」というのは、多くの本で言われていることです。

とはいえ、「成功体験だけでなく、失敗談にも気を配りましょう」とも、他の部分では指摘していました。

また、上記ポイントの2番目で触れた速読法は、極めてオーソドックスなものかと。

ただ、「写真を撮るような感じ」の領域まで達していたら、「1ページを1分」どころか数秒で読み切れると思います。

そこまでマスターしていない私でも、1ページをだいたい5〜6秒(本書の場合)で読んでいますし。


◆一方、上記3番目のベストセラーにも目を通す、というのは、昔、土井英司さんにも読書セミナーで言われたことです。

かつ、その本が売れてるタイミングで、その時代の空気と一緒に読め、と。

確かに、結構後になってから読んだら、「何でこの本が売れたのか」が分からない可能性はありますよね。

もっとも、割愛したお話の中で、逆に面白かったのが、「30年前に流行った本を読んでみる」という教え。

実は本田さんの「○○代にしておきたい17のこと」というシリーズ(180万部突破!)は、30年前に、同じような年代別に書かれた本が売れていたのにヒントを得たそうです。




◆また、上記ポイントの4番目の「駄目な本の見分け方」も、私のような書評系ブロガーには「腑に落ちる」モノ。

このお話のすぐ次に「本ができるしくみを知っておく」と題して、1つの企画から実際に本がどのようにつくられるかを解説したパートがあり、そこと併せて読むと理解が深まる仕様です。

同ポイントの中に出てくる「ライターと数時間の打ち合わせで1冊つくってしまうような本」というのが何故多いのか、というのが良く分かりました。

さらには「スカスカしているなあという印象の本」というのも、個人的には納得しきり。

ただしこればっかりは、アマゾンでいくら内容紹介を見ても分からないので、ついついリアル書店に足を運んでしまうんですよね……。


◆本書は本当は、「日頃あまり本を読む習慣がない人」に向けて、読書の素晴らしさや奥深さを知らしめるために書かれたのではないか、と思いました。

ただ本を読まない人は、結局本書も読まないでしょうから、私や当ブログの読者さんのような読書好きばかりが読む可能性が大。

そして本書の巻末には「あなたの生き方を大きく変える名著案内」と題した、本田さんのオススメ本が列挙されているので、ますます私たちばかりが本を読むハメになるというw

この名著案内、個々の本についての寸評がないのが少々残念ですが、各テーマごとに「鉄板本」が数多く挙げられていますので、そちらもご参考まで。


自分の読書好きがさらに加速する1冊!

読書で自分を高める (だいわ文庫)
読書で自分を高める (だいわ文庫)
プロローグ――本と戯れる時間が、自分を高めてくれる
第1章 本を読むとはどういうことか
第2章 何に向かって本を読むのか
第3章 どうすれば読書はおもしろくなるか
エピローグ――人生は、本を読んでどう動くかで決まる
あなたの生き方を大きく変える名著案内


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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池上彰のこれが「世界のルール」だ! (文春e-book)

池上彰さんの、週刊文春での連載をまとめた作品とのこと。

ただし中古が値崩れしていて、送料込みでも若干お安いので、ご留意ください。


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