2016年01月20日
【メモ術】『仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。』小西利行
仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。著者の小西利行さんの前作である『伝わっているか?』は、当ブログでもなかなかの人気だったので、期待されていた方も多いと思います。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、いま広告業界でオファーが絶えない気鋭のコピーライターが、 自身のハイパフォーマンスを支えている「メモ書き」について解説したもの。 著者は、この「メモ書き」で常時、数十もの案件を同時並行で進め、 期待以上の結果を出し続けている。
「型」となるのは、以下の3ポイント ・情報をシンプルにまとめて整理する「まとメモ」 ・クリエイティブ発想を引き出す「つくメモ」 ・人に伝えて心を動かす「つたメモ」 この3ポイントを中心に、著者の実際の「メモ」を交えながら、 打ち合わせをしているとき、ひとりアイデアや考えをまとめているとき、 誰かに説明・説得するとき、メモに何を書けばいいのか?を解説する。
なお、お求めやすいKindle版も出ております!
Memo books / stebulus
【ポイント】
■1.「矢印」で秩序をつくるどういう順序で考えればばいいかわからない! → ここから考えればいいのか!このように、考える順番や目的が理解できると、人はとたんに安心して考えることができるようになります。
考えることが多くて考えられない → いらない情報と必要な情報を分けよう!
何が一番大切なのか判断できない → この課題を解決するアイデアを出せばいい!
これが「情報の秩序」。そしてその秩序を生むのが「←」の役割なのです。
ただランダムにあった情報を「←」でつなぐと、情報の関係が明確になり、情報がすっきりして、理解しやすくなります。さらに、考える順序や目的がわかるようになるのでアイデアも考えやすくなるのです。
■2.「記号」で情報を読みやすくする
記号といっても、世の中にはたくさんありますが、私が使うのは、次の5つ。VS……「これとこれは競合するものだぞ」大切なのは、難しく考えず、頭に思いついたことを記号で残しておくことです。
?……「この部分はわからないから答えを探そう」
○×…「この方向は正しい。この方向は間違い」
☆……「これは重要だから重点的に考えよう」
⇔……「これとこれは、対比して考えよう」(中略)
メモを書いているときや見返しているときに、思いついたことを記号で残すようにすれば文字で書くよりもスピードが速くなります。また、メモした情報がわかりやすく読めるので、仕事が効率化します。
■3.「吹き出し」で未来の自分に指示を出す
たとえて言うなら、お父さんやお母さんが外出しているとき、家族に「焼いて食べてね」とか「ドレッシングをかけてね」とメモを残して伝えるような感覚。未来の自分に「こう考えてね」「ここを解決してね」という「調理法」を残しておくわけです。(中略)
ではどのように「吹き出し」を書くのか? 書くポイントは、たった3つです。1:起点ポイント(ここから考えよう!)(詳細は本書を)
2:確認ポイント(ここを解明しよう!)
3:重点ポイント(ここを伸ばそう!)
■4.「ホワイト三角メモ」でアイデアを大量に生む
(1)左の三角形に、テーマに関連する情報を書き出してください!そこにあるモノ、体験できるコト、そこにいる人、生み出した技術、呼び名、あると嬉しいもの。できれば、誰も思いつかないようなことを含めて、とにかくたくさん書いてください。(2)次に、右の三角形にターゲットの好きなことを、ただただリストアップ!この時、(1)で書いた情報はすべて忘れ、その商品や場所とは関係なく、ターゲットの好きなことだけを考えて書いてください。(3)さあ、(1)と(2)を結びつけて、面白い言葉をつくってください!組み合わせが変なもの、面白いと感じたものはすべて書き出します。実現可能性が低くても無視して、とにかくたくさん選ぶのがコツです。
■5.「スピーチメモ」で原稿を読まずにスピーチする
「スピーチメモ」の効果は、今から話すワードが何かわからなくても、相手に興味を持たせられること。相手が知らないことについて数分間、興味を持続させることができるのです。(中略)
重要なのは、1.スピーチメモは、書籍タイトルに似せてつくり、人の興味を惹くこと。この3点になります。最初は、書籍のタイトルのパターンを、そのまま使ってもいいでしょう。意外なほど、スピーチや会議が盛り上がると思います。
2.画面に1行だけメモを出して、それを見ながら話すこと。
3.聞き手と同じスタンスで疑問を解決していくということ。
【感想】
◆冒頭の内容紹介にもあったように、本書は・情報をシンプルにまとめて整理する「まとメモ」の3つのメモのそれぞれにメソッドがあり、計14のメソッドを収録しています。
・クリエイティブ発想を引き出す「つくメモ」
・人に伝えて心を動かす「つたメモ」
上記ポイントの1〜5は全てその中から。
ちなみに、アマゾンの方の内容紹介の後半部分には、この14のメソッドすべてが列挙されていますので、気になる方はそちらでご確認ください。
◆さて、一般的に「メモ術」といった場合は、このうちの「まとメモ」をイメージされる方が多いと思います。
確かに会議や取材等で、議事進行や相手の話を記すのであれば、メモは必須かと。
というわけで、上記ポイントの1〜3番目は第1章から抜き出しております。
実際、「矢印」や「記号」を使ってメモを取られている方は多いハズ。
ただし、小西さんのやり方にはひと工夫あって、たとえば「矢印」であれば、つながれなかった文字は「いらない情報」として消されています。
せっかくメモったのに、消すなんて、と思ったものの、「考える方向をよりわかりやすく伝えるため」と言われて、なるほどな、と。
◆また「目からウロコ」だったのが、上記ポイントの3番目の「吹き出し」です。
「そんなの、普通にフレーズ書いて、線引っぱっておけばいいじゃん」と思ったのですが、いざ吹き出しで書かれるとその差は歴然。
たとえば「原料の調達経路を見直す」というフレーズが本書では出てくるのですが、これが実際に吹き出しで書いてあると、ただの文章とはひと味違うことが、よく分かるという。
……ひょっとして、文章全体を丸で囲っているようなものだからなんでしょうかね?
◆一方第2章からは、アイデアを生み出すための「メモ」として、上記ポイントの4番目の「ホワイト三角メモ」を選びました。
本書では具体例として、「銭湯に若い女性を呼ぶためのアイデア」というテーマで、実際の作業過程や出来上がったアイデアが挙げられており、これがなかなかに秀逸。
また、「『ホワイト』があるなら『ブラック』もあるのでは?」と思われた方、いたらスルドイですw
「ユーザーの不満からニーズを探る」目的で、「ブラック三角メモ」なるものが本書には収録されていますので、気になる方は実際にご確認を。
小西さんはこの「ブラック三角メモ」で、こんなヒット商品を生み出されたのだそう。
イオン、「焼かないTシャツ」130万枚目標
◆続く第3章は、「伝える(伝わる)メモ術」。
図化するメモも興味深かったのですが、上記ポイントの5番目の「スピーチメ」は外せないでしょう。
これ、「メモを見ないでスピーチする」のは確かなのですが、見ないどころかモニターで映し出して(なければ手元のフリップで)話をするという荒業w
その際、1行1行が、まるで本のタイトルのように「注意を引くもの」なんですから、それは聞き手の興味も持続します罠。
本書の例では、仮に「山本貴文さん」という架空の人が結婚するので、そのスピーチをするとします。
その際、「えー、山本さんの人となりについては……」と話しだす代わりに
君は「山本貴文」を知っているか?とモニターに出して話す……ってそれは確かにウケそうなw
「まとめて」「作って」「伝わる」メモを書くために!
仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
序章 未来メモをはじめよう
第1章 まとメモ
第2章 つくメモ
第3章 つたメモ
第4章 たつメモ
【関連記事】
【20のメソッド?】『伝わっているか?』小西利行(2014年06月12日)【メモ術】『自衛隊に学ぶメモ術』松尾 喬, 平野隆之(監修)(2014年09月30日)
【実践的】『逆算メモ術 ~結果を出している人の実践テクニック~ 』(2010年11月06日)
【小ネタ満載】「夢をかなえる メモの習慣」佐藤 伝(2009年01月07日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。会社四季報2016年1集新春号
「70%OFF」なのはいいのですが、字が小さかったり、ハイライトや検索等ができないようなので、ご留意ください。
ご声援ありがとうございました!
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