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2016年01月17日

【即断即決、即実行】『ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング』赤羽雄二


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ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、『ゼロ秒思考』と、その続編である『『ゼロ秒思考』の仕事術』が、それぞれベストセラーとなった赤羽雄二さんのシリーズ第3弾。

過去の2冊で「素早く考え、行動できるベース」を築くことができなかった方のために、「もう一歩踏み込んだスキルアップ」を指南してくださっています。

単行本の内容紹介はやたら長いので、Kindle版の方から。
10万部突破のベストセラー『ゼロ秒思考』のメモ書きを実践し、思考力を磨いた読者でも簡単に解決できない課題が、行動力や実行力のアップ。本書で紹介するオプションとフレームワークのメモ書きを繰り返し、「全体観」を身につけるほど、思考と行動のスピードが上がり「即断即決、即実行」に近づける。

本書で提唱する「2つのツール」が使いこなせたら、即断即決、即実行も夢ではないかも!?





bcg-Matrix / jean-louis zimmermann


【ポイント】

■1.正しい「全体観」を持つ
 結論から言うと、即断即決、即実行ができない根本的な理由は、対象への正しい「全体観」を持てていないことだと考えている。逆に、「全体観」さえ持てれば、あとは必要なときに、自然と即断即決、即実行ができるようになる。(中略)
正しい全体観を持つとは、自分が取り組む仕事や課題の全ての道筋やプロセスが見えており、どこが重要なポイントかを理解していることだ。どのような問題が起きそうで、それがどのくらい深刻かもしっかりと認識している。道筋やプロセスがどのように選択肢として分かれるのか、それがどのように変化するのかということもつかめている。部分ではなく、一面ではなく、空間的に、時間的に全体が見渡せている。


■2.選択肢を挙げ、比較し評価する
「オプション」とは、取り得る施策を複数挙げ、比較し評価する思考法を指す。思考法というと身構えてしまうかもしれないが、紙一枚に書き出せる非常に簡単なものだ。(中略)
 主要な選択肢を挙げ、すばやく評価するスキルがあれば、見落としなく複数の施策を評価し、最善の手を選ぶことができる。後から「他にもっとよいやり方があったのではないか」とか、「このやり方でも悪くはないが、やや筋が悪かった。事前に気づくことはできなかったのだろうか」ということがなくなっていく。

(詳細は本書を)


■3.オプションの2つのポイント
 こうしたオプションにおいては、大事な選択肢を漏らさず挙げる必要がある。これが第1のポイントだ。
 当初は(というか相当な期間は)、頭の中だけで選択肢を挙げるだけでなく、紙やホワイトボードに書いてみる。これだけで「漏れ」が生じる可能性は格段に低くなる。(中略)
 また、大事な選択肢を漏らさず挙げることができたら、次はそれを適切に評価する必要がある。これが第2のポイントだ。
 選択肢を挙げただけで終わってしまっては、頭は整理されるかもしれないが、実行の点では意味がない。選択肢を挙げるだけで瞬時に優劣がわかる場合もあるかもしれないが、そうしたことは珍しいし、評価の正確さに欠けている可能性が高い。


■4.フレームワークでは独立した2軸を選ぶ
整理するときに必要で、うまく切り分けるのに使えると思う縦軸・横軸を書いてみる。「課題の整理」のときに「重要度」と「緊急度」を使ったように、独立した2軸のうち重要なものから2つ選ぶ。(中略)
 フレームワークがいまひとつしっくりこないときは、縦軸・横軸が独立しているかどうかを真っ先に疑うとよい。たとえば、「仕事の優先順位」の軸を「重要度」と「緊急度」にせず、「重要度」と「深刻度」にすると、どちらも似たような指標なのでうまく整理できず、おかしさに気づく。独立した2軸で整理する、といいうところがポイントだ。
「独立した2軸」とは、一方が変化したときにもう一方も変化するような関係性ではない2項目、という意味だと考えてもらいたい。


■5.PCの単語登録を活用する
 全ての仕事を速くするうえで決定的に重要なのは、PCでの単語登録だ。私は長年ATOKを愛用し、数百の単語・短文の単語登録をしてスピードアップをしてきた。
 最近はGoogleの日本語入力のレべルが上がり、自動で登録できる部分もあるので評価されているが、私は単語だけでなく、かなり多くの短文や住所、メールアドレス、URLも登録してスピードアップを実現しているので、まだ総合力ではATOKをお勧めしている。手段はどんどん改善されていくので好みで選んでいただければいいが、こだわりすぎてあれこれ試すと本末転倒だ。そこを間違える人が多い。


【感想】

◆さっそくですが、冒頭の内容紹介のおいて挙げた「2つのツール」とは、上記ポイントの2〜4番目に登場した「オプション」と「フレームワーク」になります。

……ホントはネタバレ自重した方がいいのかもしれませんけど、下記目次の第3章と第4章で明記されているので、今さらいいかな、と。

というより、この第3章と第4章が本書のキモになるので、ここに触れずにレビューはできませぬ。

まずは、第3章の「オプション」ですけど、上記ポイントの2番目だけ読んでも、今一つピンとこないかもしれません。

ただ、本書には図が収録されていて、それを見る限りは、横書きの「ロジックツリー」の2段目までといったところです。

ロジックツリー - Google 検索

そう言う意味では、「原因を深掘りする」のではなく、「施策を挙げる」のがメインな感じ。


◆じゃあ、その先は何があるかというと、「評価基準」や「評価」になります。

具体的に本書の事例として出てくるのが「年末年始の過ごし方」で、オプションがそれぞれ「自宅でのんびり過ごす」「実家に帰る」「ホテルで過ごす」等々

それらに対して、「楽しさ」「目新しさ」「親孝行度」「費用の小ささ」といった評価基準で評価するワケです。

ただ単に「施策」を挙げるだけに留まらず、このような「評価」まで行ってこそ、具体的なアクションにつなげられる、というもの。

上記ポイントの3番目で言及されているように「選択肢を漏らさず」「適切に評価」したいものです。


◆一方、第4章の「フレームワーク」は、俗にいう「マトリクス」のこと。

ただ、一般的に「フレームワーク」といったら、「マトリクス」はもちろんのこと、「ロジックツリー」や「バリューチェーン」みたいなのも含むと思うのですが、本書では特に「2×2マトリクス」を中心に解説がなされています。

もっとも、この「マトリクス」については、それだけで本が出ているくらいですから、1つの章を丸々費やすのも妥当かもしれません。

上記ポイントの4番目では「軸の選び方のヒント」が挙げられていますが、ホント、この軸を切るのが一番難しいワケで。

赤羽さんご自身は、マッキンゼーに入ったとき、まったく作れなかったそうで、練習に励んだのだそう。

具体的にはA4用紙1枚に「2×2」のマトリクスを1日6個書いたとのこと。

……結局、量稽古ですよね、やっぱ。


◆また、第5章と第6章は「即断即決、即実行」をするための「実践ポイント」と「リスク&注意点」。

特に第5章では、実践ポイントの1つとして「普段から全ての仕事を1分1秒でも速くする」というものが挙げられており、上記ポイントの5番目はそのうちの1つです。

ただ、そのほかのTIPSとして「メールは速攻で返信し、いっさい溜めない」なんてのもありますので、人によっては抵抗感があるような……。

もっとも、本書のテーマはあくまで「即断即決、即実行」ですから、その流れからいったら、「即返信」が妥当かと。


過去の2冊から、さらに加速するために!

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ゼロ秒思考[行動編]―――即断即決、即実行のトレーニング
第1章 即断即決、即実行はなぜ難しいのか?
第2章 即断即決、即実行を支えるもの
第3章 即断即決、即実行のツール1 オプション
第4章 即断即決、即実行のツール2 フレームワーク
第5章 即断即決、即実行の実践ポイント
第6章 即断即決、即実行のリスクと注意点


【関連記事】

【仕事術】『速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術』赤羽雄二(2015年01月24日)

【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二(2013年12月27日)

【マトリクス】『紙一枚とマトリクスでできる思考の片づけ』吉山勇樹(2015年06月16日)

【アマゾンキャンペーン有】「水野俊哉さんの『マトリックス図解思考』を読んで私も考えた」の巻(2010年07月05日)

【BCG流?】『外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク』森 秀明(2014年02月22日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B00HQ872N2
刑務所わず。 塀の中では言えないホントの話

前作前々作は購入しレビューしていたのですが、こちらは未読でした。

「69%OFF」と中古よりもかなりお買い得なので、とりあえず購入。


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