2016年01月13日
【リストラ回避!?】『人事評価の裏ルール』溝上憲文
人事評価の裏ルール
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した「働き方本」。当ブログでは、この手の本としては「出世ネタ」がほとんどでしたが、本書はむしろ「リストラされないための作品」となっております。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
リストラの対象となるのはどういう人なのか、その基準となる表の人事評価ではわからない「人事評価の裏ルール」の存在とは?
なお、それほどお値段変わりませんが、一応Kindle版も出ておりますので、そちらもご検討を。
Most people don't quit their jobs, they quit their managers / Nguyen Vu Hung (vuhung)
【ポイント】
■1.協調性は必要不可欠与えられた仕事に対する文句だけは一人前だが、締め切りの期日がきても自分の仕事を放り出して手をつけようとしない。結局、それではチームとして困るので、同僚たちがその人の仕事を引き受けて期日に間に合わせることになる。それが当たり前のようになっている。チームにとっては百害あって一利なしのタイプは真っ先に追い出されるだろう。
協調性というのは一見、仕事の成果とは関係ないじゃないかと思う人もいるかもしれない。しかし、どんな組織・職場であってもチームで仕事をする。その仲間に気を遣わなければ、いずれ周囲から疎まれて孤立し、やがて本人の居場所も失ってしまう。サラリーマンにとっては必要不可欠な資質なのである。
■2.人事担当者が30代社員について「この人はリストラ要員だな」と思ったセリフ
・「誰がやっても一緒」という言葉は印象的だった
・「これは自分の仕事じゃないんで」とすぐ言う
・「なぜ私がこの仕事をしなければいけないんですか?」「忙しいからできません」
・自分のことは棚に上げて「○○は給料が高いくせに」「役職が上のくせに」とやっかみめいたことを言う
・「課長の言っていることがわかりません!」と言う
・「給料に見合った仕事をしないとばからしい」
(詳細は本書を)
■3.40代社員で危ない人
上司の評価が低いだけではなく、どこの部署からもお呼びがかからないのは典型的なリストラ要員だろう。40代以降の非管理職社員はほとんどがリストラ候補との発言があったが、ではどんな人なのだろうか。
少なくとも以下の2つの要件に当てはまる人は要注意だ。・同期入社の中で、あなたよりも2段階上の役職者がいる
・同じ仕事を今の地位のまま10年続けている
■4.管理職は育成ができないとダメ
課長一人ががんばっても稼ぎ出すお金はしれている。広告業の人事部長はこう指摘する。
「組織として大きな成果を出すには一人では無理です。一人でも多くの人材の可能性を引き出すことが大事。当社ではマネージャーに目標力、役割力、評価力の3つの能力を発揮するように求めています。目標力は部下が自走できる目標を与えること、役割力は成果が出せる配置をする、評価力は部下を納得させる力です。目標を決め、役割を与えて評価することができれば成果を出せるようになります。マネージャーにプレーイングの要素はいらないのです」
■5.オーナー系の会社では余計な口を出さない
小売業はオーナー系の会社が多いが、こうした企業の社風で最も嫌われるタイプは「自分の考えをひけらかす才気走ったタイプ」という。大手小売チェーンの元人事課長はこう指摘する。
「創業オーナーというのは、自分の頭でビジネスモデルを生み出した成功体験の塊のような人です。そのモデルに対して『こうしたらよいのではないか、あるいはこう改善すればよい』とか、少しでも口を出すような人は絶対に上にはいけないし、逆に追放されます。そういう人を何人も見てきました。逆に自分の考えを持たないで、従順なスーパーイエスマンだとある程度は出世します」
【感想】
◆本書の帯部分に、手書き文字で「人事部長100人が激白!!」とあるのが目立ちますが、実はそれはそのまますぐ下の「真っ先にクビにした社員の共通点」につながる仕様。というわけで、本書の第1章は「人事部長100人が、真っ先にリストラしたい社員」と題して、電機、食品、金融、小売、化学など10の業種の人事担当者による、座談会風の「ホンネ討論」が展開されています。
各テーマごと、最後に著者の溝上さんがまとめており、上記ポイントの1番目はその中の1つ。
なるほど、協調性は大事だよな、と思っていると、別の部分では「真面目さしか取り柄がない人は使えない」とバッサリです。
さらにもう1つ、「真っ先にリストラされる社員」のタイプがあるのですが、一応ネタバレ自重ということで。
◆続く第2章は「世代別リストラの基準」。
ここでは、20代、30代、40〜50代の各層における「リストラ候補者の像」が描写されています。
実際には具体的に言及されているのですが、上記ポイントの2番目は、「なるほど」と思ったので選んでみた次第。
こういったセリフは人事部の耳に入りやすいそうなので、ご注意ください。
また、上記ポイントの3番目の40代やその上の50代というのは、バブル期に大量採用した人材を含むので、ただでさえ人が余っているのだとか。
結果「40代以降の非管理職社員はほとんどがリストラ候補」とのことです。
◆もっとも、「管理職に就いていれば安心」というワケでもないことを明かすのが、1つ飛んだ第4章。
たとえ管理職であっても、「人事評価の裏ルール」によってバッサリ切られてしまうのだそう。
その中の1つが「育成できない管理職者」であり、上記ポイントの4番目に挙げた通りです。
意外(?)だったのが、「部下を殺す『囲い込み』上司」で、これは有能な部下を抱えて手放さないタイプのこと。
何が問題なのかと思ったら、他の部署なら課長になれる人材を何人も1つの部で囲い込むと、その中の1人以外は課長になれないため、本人が腐ったり転職してしまう恐れがあるのだとか。
本書では、これら「今の時代に通用しない管理職のタイプ」を6つ紹介しているので、気になる方は本書にてご確認を。
◆さて、次の第5章は「職種別/業界別」のリストラ基準なので、自分に該当しないパートはあまり必要がなさそうな。
何せ基準が真逆だったりするので、違う業界だと参考にならないかもしれません。
たとえば「銀行では目立つ人、先鋭的な人は偉くなれません」というメガバンクOBの発言のすぐ後で、「証券では一発当てて目立つ人が出世するし、先鋭的な考えを持ち、突き進んでいくタイプが生き残ります」と証券会社の人事部長が語っていたりします。
この辺は、ご自身の業界のことはある程度はお分かりでしょうから、むしろ転職等をお考えの方が、他業種について学ぶには良いかも。
そして最後の2つの章は「今日からでもできる会社から見捨てられない働き方の心得7カ条」と「リストラを回避する究極の手法」ということで、どちらもネタバレ自重しました。
前者は、これを記事タイトルにして、1本エントリーを書いた方がPV的に良いかもしれないくらい煽り気味ですが、中身は真っ当です。
対する後者は、ホントに色々な意味で「究極」なので、実際にやるのはいかがなものかと(謎)。
「自分だけは大丈夫」と思っている人も、一読をオススメ!?
人事評価の裏ルール
第1章 人事部長100人が、真っ先にリストラしたい社員
第2章 世代別リストラの基準
第3章 性格で切られる社員の基準
第4章 管理職のリストラの基準
第5章 営業、企画、開発職…切られる社員の基準
第6章 今日からでもできる会社から見捨てられない働き方の心得7カ条
第7章 リストラを回避する究極の手法
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【仕事術】『最強「出世」マニュアル』浅野泰生(2013年09月26日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ
内容紹介いわく「"ハーバード流"の人生戦略の立て方」が本日に限り、「63%OFF」でお求めいただけるという。
ご声援ありがとうございました!
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