2015年12月23日
【居住空間】『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』八納啓創
なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた作品。著者の八納啓創さんは、一級建築士として4000人もの住まいを見てこられた方なのだそう。
アマゾンの内容紹介から。
1日平均在宅時間13時間。この使い方次第で人生が変わる!人生や仕事が上手くいく人といかない人の差・違いはその人の能力差ではなく、住環境の活かし方の差である。仕事で成功を掴んだ4,000人の住まいを見てきた著者が語る、空間とパフォーマンスの関係とは?
なお、既にKindle版のご用意もあります!
living room at morning / jinkazamah
【ポイント】
■1.成功するには実家を出るビジネスで成功していたり、どんどん成果を上げている人たちには住まいに関する、1つの法則があります。
それは、1度は実家を出て自立し、1人、もしくは結婚して自分の家族と暮らしていることです。2世帯住宅の場合ではそれぞれの世帯が自立している状態です。
なぜ、独立・自立していることが、仕事や人生をうまくいかせることにつながるのでしょう。
まず、実家から離れている人は、お金のやりくりなどを含め、生きていくために必要なすべてのことを自分でやっています。
なにかあっても「自分のやるべきことは自分でする」という思考がべースとして習慣づいていくので、人に頼らず決断できるようになるのです。
■2.似た物件の賃貸料をチェックする
仮に、毎月支払う住宅ローンの金額が10万円だとします。
頭金の金額や住宅ローンの年数は人によって違うと思いますが、単純に月々いくら支払う予定なのかを考えてください。
そして、あなたが買おうとしている物件と、築年数や広さ、駅からの距離などが似た条件のものが、いくらで賃貸に出されているかをチェックするのです。
もし、同じような物件の家賃が8万円であったとしたら、あなたが購入しようとしている家は、もしものときに貸し出しても、住宅ローンをカバーできないので、10万円のローンを払う価値がないものだと言えます。
■3.風水や家相は安易に鑑定依頼しない
また、風水や家相を利用する側にも、注意が1つ必要です。
もし、「今の家の間取りが悪い」と言われたとき、リフォームや引っ越しをする覚悟がないのであれば、安易に「今の間取りの影響を、鑑定して教えてほしい」とお願いしないほうがいいのです。
なぜなら、もし悪い結果がでたとき、間取りを変えるつもりがなかったら、運が悪い家に住んでいる」という意識だけが残ります。
すると、なにか起こるたびに「家が悪いからだ」と考え、その記憶が蓄積していきます。そして、ネガティブな気持ちで暮らすだけで、改善する努力をしなくなれば、ますます運が落ち込んでしまいます。
■4.成功者が使っているホテルラウンジを調べる
私は、自分が「この人のようになりたい」「この人はすごい」と思う人には、必ず「ホテルのラウンジとかで、よく使う場所はありますか」と、たずねるようにしています。そして、1度は必ずそのラウンジを訪れ、自分にとってどうなのかを体感しています。
そうすることで、自分では見つけることのできない、よい空間を知ることができます。そして、繰り返し訪れることで、その場所が自分の味方となり、あらゆるシーンで応援してくれる環境になってくれるのです。基本的に緑に囲まれたホテルのラウンジは大体エネルギーが高いです。
■5.いつも眺められる場所にライブラリーを設置する
願いをどんどん叶えている人の家には、目につくところに書棚があるのが、大きな特徴だと言えます。
書斎を持っている場合は、基本的に書斎に本を置いていますが、その書棚とは別に、リビングルームなど、家族が集まり、過ごす時間が長い部屋に、ライブラリーをつくり、上手に活用しています。(中略)
こうしたライブラリーは、子どもの成長にも大きく貢献してくれます。
どうやってライブラリーを活用するかというと、「将来子どもに読ませたい」と思う本を、書棚に入れておくのです。(中略)
ライブラリーは、家族共通の情報源と位置づけ、中身をどれだけ面白いものにしていくか、親子で意識するようになれば、家族全員か高まっていくでしょう。
【感想】
◆よく世間的には、「整理整頓すれば生産性が上がる」と言いますし、実際、ちらかった机や、どこに何があるかわからない引き出しを考えると、それももっともな話。本書はそれを「住環境」に置き換えた、と考えれば、そう遠くもないかな、と。
ただし家の中がちらかっている、というレベルに留まらず、もっと根本的な部分で「人の成功」に影響を与える、というのが本書の主張です。
たとえば本書の第1章では、意図せずしてハマってしまった「環境のワナ」に言及。
具体的には
・「半地下の家に越した結果、うつ病になった男性」
・「高層マンションに引っ越して体調を崩し、2年で売却した夫婦」
・「『自然豊かな場所』に引っ越した途端、仕事が激減した男性」
といった事例が紹介されています。
◆このうち、最初の2つのような「生理的な理由」はまだ納得できるのですが、本書の特徴というか反応が分かれそうなのが、理屈で納得しにくい理由のケースです。
たとえば、「そこを使うといつも喧嘩になってしまう会議室」の存在。
これを本書では、イギリスの生化学者、ルパート・シェルドレイクが提案する「形態形成理論」という仮説で説明できるとしています。
シェルドレイクの仮説 - Wikipedia
あらゆるシステムの形態は、過去に存在した同じような形態の影響を受けて、過去と同じような形態を継承する(時間的相関関係)。
つまり、過去喧嘩していたという「形態」が、現在に影響を及ぼしている、ということらしいのですが、どちらかと言うと、「換気が悪い」のような物理的な理由が、他にあるんじゃないかと。
◆これよりは理解できたのが、第3章に登場する「地磁気」の影響です。
地磁気 - Wikipedia
八納さんのこれまでの経験によると、「人間も地磁気が乱れている場所に長時間いると、疲れやすく、集中力が落ちてしまう」とのこと。
ちなみにオフィスの中では「鉄筋コンクリートの柱のまわり」は地磁気が乱れていることが多いのだそうです。
また、第5章では「家とオフィスでコンパスを持って歩こう」と題した節があり、具体的な調査方法を伝授。
ポイントは、部屋のあちこちではなく、四隅と中央、そして柱のそばなのだとか。
さらに各場所では、床から1.5メートルの高さまで、コンパスを上下すべし!
今回は時間の関係で間に合わなかったのですが、念のため我が家でも調べてみようと思います。
◆結局、買うにしろ借りるにしろ、家というのはそう簡単にコロコロ変えられるものではありません。
逆に変える場合には、ありとあらゆる情報を考慮して決定するべきでしょう。
その点は本書は、上記のようななかなか馴染みのない事象を忠告してくれている点でポイント高し。
転居を考えていない方でも、上記ポイントの4番目のようなTIPSは、ぜひ取り入れてみて下さい。
成功するには、まず自宅から!
なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?
1章 あなたが知らない間にはまっている「環境のワナ」
2章 人生を好転させた人の「住まい活用術」
3章 一流になればなるほど大切にしている「住まいの基本」
4章 一流の成功者ほど実践している! 住まいにまつわる「17の習慣」
5章 今すぐできる! あなたも「環境のワナ」から脱出する方法
6章 ビジネス・家族・人間関係を豊かにしてくれる「住まいの極意」
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学生のうちに知っておくべき『戦略的上京論』のこと(2014年03月30日)
【編集後記】
◆時間が無くて、昨夜記事にできなかったのですが、いつものきんどうさん情報によると、どうも楽天koboのセールに合わせて、Kindleでもカドカワの作品が一部「50%OFF」になっている模様。Amazon.co.jp: 16000-38000 - Kindle本 / カドカワのKindle本・Kindleコミック: Kindleストア
値段の幅を変えて、ビジネスだけ抽出するとこんな感じですが(注:セール本以外も含まれております!)。
Amazon.co.jp: 33000-98000 - ビジネス・経済 / Kindle本: Kindleストア
さっそくこの本が「50%OFF」ということで、これは記事にしないといけないな、と。
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術 (中経出版)
ご声援ありがとうございました!
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