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2015年12月22日

【知的生産】『仕事で大差をつける国語力の磨き方』小杉拓也


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仕事で大差をつける国語力の磨き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

「国語力」というので、「てにをは」や「主語述語」のお話なのかと思いきや、「読む」「書く」「話す」「聞く」のスキルを高める「ビジネスパーソン向き」の内容でした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「国語力」とは、読む力、書く力、話す力、聞く力の総合力。文系・理系を問わず、ビジネスにおいて最も大切な力だ。しかし、社会人が効率的に「国語スキルの伸ばし方」を学ぶ機会はほとんどないのが実情。そこで本書では、今すぐビジネスに役立つ国語力のツボを網羅的に紹介する。「読解力に自信がない」「文章を書くのが苦手」「『結局何が言いたいの?』と言われたことがある」……これらが一つでも当てはまる人は必読!

範囲が広いだけに、捨てネタは皆無でした!





2012-006 "When in Doubt, READ" / mrsdkrebs


【ポイント】

■1.読んでも忘れないための「一文メモ法」
「一文メモ法」のボイントは、「印象に残ったことを1つだけメモに残す」ということです。一冊の本を読んだ後、たいてい、1つだけでなく、いくつかの部分が印象に残っています。
 メモする段階で、印象に残ったいくつかの部分を心の中で思い出し、その中から一番良いものを選ぶ過程で、頭の中で本の内容をおさらいできます。おさらいする中で、本の内容が、自分の中に、さらにインプットされます。
 そして、一番印象に残ったものを、メモに「書き出す」という作業によって、それが記憶に定着し、仕事などでアウトプットしやすい状態になるのです。


■2.「確かに〜しかし…」で説得力を高める
 たとえば、営業マンと取引先の社長による次の会話をみてください。
社長:「君の会社の新製品を導人したい気持ちはやまやまなんだけど、部下の意見も聞いてみないとだね……」
営業マン:「確かに、みなさんで話し合っていただくことは大事ですよね。しかし、時には、社長自らがリーダーシップをとって、ご決断なさることも必要ではないでしょうか」
「確かに」の後で、いったん相手の意見を尊重したうえで、「しかし」の後に自分の意見を述べれば、スムーズに話を進めることができます。


■3.仕事ができる人の話し方の5つのポイント
(1)どんな種類の話なのか初めに伝える
(2)理由の前に結論を言う
(3)話に番号をつける
(4)「要点→具体的な話」の順に言う
(5)最後にもう一度結論を言う

(詳細は本書を)


■4.雑談に適した「相手をほめる話」「今の話」「自分の失敗談」
「年とってやっちやいけない話は、説教と昔話と自慢話」
 高田純次さんの言葉です。説教、昔話、自慢話、確かにどれも聞くのがつらいですね。これらは、人前で話さないようにしたいものです。
 ところで、説教、昔話、自慢話の反意語は、次のように考えられます。
説教 ⇔ 相手をほめる話
昔話 ⇔ 今の話(最近あったこと)
自慢話⇔自分の失敗談
 この「相手をほめる話」「今の話」「自分の失敗談」は、どれも雑談の話題として適しています。


■5.要約した上で質問する
 NHKの長寿番組『クローズアップ現代』のメインキャスター国谷裕子さんは、相手の話を聞いた後、相づち、要約、質問を続けて言うことが多いそうです。(中略)
 実は、彼女にはもう一つ得意としている相づちがあります。それは「相づち+要約+質問」です。今度、『クローズアップ現代』を観ることがあれば注意して見てください。国谷さんの要約力は非常にレべルが高く、専門家の難しい話も、彼女がスパッと数センテンスで要約すると、たちまち理解しやすくなります。しかも、その要約したあとには、間髪入れずに視聴者が知りたいと思っている質問をズバリとするのです。

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話し上手は「相づち」が9割 (宝島社新書)


【感想】

◆冒頭で申しあげたように、本書はビジネスシーンにおける「読む」「書く」「話す」「聞く」の4つのスキルを向上させるものでした。

そしてそれぞれが、下記目次の通り、各章ごとに割り振られている(「話す」と「聞く」で1つの章ですが)仕様。

まず第1章のテーマは「読む技術」であり、いわゆる「読書術」が指南されています。

ここで言われていたのが、著者の小杉さんは、文章を読む際、大事なところに「マルと線」を書く、ということ。

もちろん、齋藤孝先生のように、「3色ボールペン」というのもアリですし、佐藤優さんのように、「線と?」を書くというのもアリでしょう。

この第1章からは、上記ポイントの1番目の「一文メモ法」を抜き出しましたが、いずれにせよ「ただ読むだけで、読んだら読みっぱなし」にしないのが大事かと。


◆続く第2章は「書く技術」ということで、これまた大事なポイントが多々。

中でもイギリスの首相であったチャーチルが、「政府各部局に『簡潔な文章』」を要請した」という話は知りませんでした。

本書では「『チャーチルの通達』の4つのポイント」として解説されていますので、詳しくはそちらでご確認を。

さらにこの章では、「本のタイトルからコピーライティングを学ぶ」と題して、「売れる本のタイトルの7つの型」を挙げられています。

これは書名に限らず、ブログやメルマガ、広告等でも応用可能と思われ。

ちなみに本書のタイトルも、この中の6番目にある「『〜の方法』、『〜方』」を用いております。


◆第3章では「話す」と「聞く」の双方を扱っているのですが、実は上記ポイントの3〜5番目は、すべてここから抜き出しました。

このうちポイントの4番目の「雑談」については、「話す技術」であり、本書では「雑談力を伸ばす5つのルール」と題された中の1つです。

もう1つご紹介しておくと、話題に困ったときに「き、に、し、て、い、た」を頭文字にする6つのテーマが良い、とのこと。

これは「き:季節、気候」「に:ニュース」「し:仕事」「て:天気」「い:衣装(ファッション)」「た:旅」の6つで、俗に言う「きどにたてかけし衣食住」の簡略版みたいなものですか。

一方、「聞く技術」としては、上記ポイントの5番目は、今まで番組を観ていても気が付きませんでした。

要約だけでも結構スキルが必要ですが、国谷さんの場合さらに質問までしていたとは……。


◆なお本書の第4章は、タイトルに「言葉の技術」とありますが、その中心となるのは「敬語」でした。

当ブログでは、「敬語」だけで1冊丸々使っている本を何冊もご紹介していますので、上記ポイントでは割愛。

「ら抜き」「い抜き」「さ入れ」といったNGワードは、今さらですがご注意ください。

それよりも、同じ第4章で指摘されていた「漢字力の低下」については、心当たりのある人も多そうな。

パソコンやスマホばかりで書いていると、ホント、漢字を忘れてしまいますよね。

ムスコが漢字検定の勉強をしているので、親としても負けられないところ。


「国語力」の底上げを担う1冊!

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仕事で大差をつける国語力の磨き方
第1章 「読む技術」を磨く
第2章 「書く技術」を磨く
第3章 「話す技術」「聞く技術」を磨く
第4章 「言葉の技術」を磨く


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。 「計って」「数えて」「記録する」業務分析術 (幻冬舎単行本)

昨日の記事で、ご紹介したばかりの作品が、今日に限って超お買い得に。

昨日「『20%OFF』なので、積極的にはオススメしにくいところ」とか言ってたら、いきなり「64%OFF」になっててビックリですよ。


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Posted by smoothfoxxx at 09:00
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