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2015年12月08日

【自己啓発】『元気は、ためられる』トム・ラス


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元気は、ためられる

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事のトップで取り上げた自己啓発書

8月に『座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣』を出したばかりのトム・ラスが、本書では「元気を充電する方法」について述べています。

アマゾンの内容紹介より良く分かる、版元さんのページから一部引用。
 あなたがこの先、人の役に立てる日数は限られています。まずは「意義」を見出だせる仕事をしましょう。人間関係を強化するための「交流」に投資しましょう。そして、心身ともに最高の状態になるための「エネルギー」を確保しましょう。この3つを組み合わせて実行することが、あなた自身が元気いっぱいになり、周囲の人たちをも元気にする秘訣なのです。

思わず自分の生き方について考えたくなる1冊です!






Helping Hand / wwarby


【ポイント】

■1.仕事のプロセスの中に意義を見いだす
 あなたの労力を人に注いだら、お金や権力、名声といった外部からの報酬に左右されずに、いい仕事ができるようになります。どれだけお金があっても、さらに多くを持つ人と常に比較することになりますし、名声はいつしか消え去ります。あなたが多額の報奨金や大きな賞を手に入れる日があったとしても、ほとんどの日は、外発的なインセンティブなしで、仕事を進める必要があります。ですから、1日の仕事のプロセスの中に意義や目的を見いだしたほうがいいのです。


■2.「強み」を活かした仕事をする
 あなたが「強み」を活かした仕事をしたら、質の高い労働時間を2倍に増やせる可能性があります。ギャラップ社の調査では、「強み」を活かした仕事をしている人たちは、週に40時間、質の高い時間を過ごしていました、「強み」を活かせない仕事をしている人が元気に働けるのは、週に20時間まででした。また、「強み」を活かした仕事をしている人たちは、強みを活かしていない人たちに比べて、仕事にエンゲージしている確率は6倍、人生満足度が高い確率は3倍以上にのぼりました。


■3.「使命」を常に念頭に置く
 ぺンシルべニア大学ウォートン・ビジネススクールの教授アダム・グラントが、大学院時代に同大学のコールセンターで働く職員のモチべーションを調べたとき、なにが起きたと思います? コールセンターの職員たちは、一日中卒業生に電話して、奨学生のための寄付を依頼しています。グラントは、この仕事(夜、卒業生に電話して、お金を要求すること)が難しく、離職率が高いことを知って、職員たちに実際に奨学金を受け取っている学生を引き合わせたら、モチべーションが上がるのではないかと考えました。そこで、グラントと仲間の研究者たちは、奨学生を職員たちに引き合わせ、5分ほど話をしてもらいました。
 その1ヵ月後、職員たちの生産性に驚くほどの変化が見られました。1時間当たりの電話回数は2倍近くになり、職員1人当たりの獲得資金額も、週400ドルから週2000ドルに上がったのです。


■4.会話の80%をポジティブなコメントにする
 1回のネガティブなやりとりのマイナスを補うには、少なくとも3〜5回のボジティブなやりとりが必要です。いやな時間は、いい時間よりも重くのしかかるのです。あなたがやりとりをするときには、1対1のやりとりであれ、集団での話し合いであれ、次の原則を頭に入れておきましよう。
「コメントの少なくとも80%は、うまくいっていることについてのコメントにする」


■5.「体にいい食べ方」の基本
 うまく「食べる」には、カロリーを考えるより、体にいい食べ物を食べることから始めたほうがはるかに簡単です。流行りのダイエット法に次々に飛びつくより、「体にいい食べ方」をしたほうが、持続可能な食生活を築けます。
 その基本になることをいくつか紹介しておきましょう。揚げ物を避ける。精製された白い炭水化物はできるだけ控える。砂糖を加えるのをできる限りやめる。野菜中心の食事に切り替える。お菓子の代わりに、丸ごとのフルーツを食べる。炭酸飲料や砂糖入り飲料の代わりに、水やお茶、コーヒーを飲む。


【感想】

◆本書は、下記目次(長くてスイマセン)にあるように、3つの部(パート)に分かれています。

それが冒頭の内容紹介にもあった「意義」「交流」「エネルギー」の3つ。

これらは、トム・ラスの研究チームが数多くの記事や研究論文、インタビュー等から「1日の経験」の改善につながる行動やアイデアを特定して、2600項目をリストアップし、その根底にあるパターンを導き出したものです。

要は、この3つの状態が十分に「充電」しているか否かが、幸福度に繋がってくる次第。

そして各部ごとに、短めの章が6〜8つずつある、という仕様になっています。


◆まず第1部では「意義」と題して、人は仕事をする際にお金や地位のような「外発的動機づけ」ではなく、内面からの動機づけである「内発的動機づけ」で働くべきことを主張。

上記ポイントの1番目では、その点について触れられている通りですし、実際、外発的なインセンティブから動機を引き出した場合は、その動機がどんなものであれ、パフォーマンスが低下する恐れがあるのだそう。

同時に上記ポイントの2番目でも言われているように、「強み」を活かす仕事をすべきなのですが、ここで留意すべきなのが、自身の「興味」や、周囲からの「ニーズ」をも満たす必要があること。

なお「強み」については、当ブログではお馴染みのこの本で見いだして頂きたく。

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さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

参考記事:【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)


◆また、上記ポイントの3番目に登場するアダム・グラント教授とは、この本の著者さんですね。

B00IRV39FM
GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 三笠書房 電子書籍

本書は他にも「向社会的(人の役に立とうとする)」傾向の実例を収録。

たとえば、病院では医師や看護師向けの張り紙として「手の衛生はあなたが病気に感染するのを防ぎます」という文面では効き目がなかったのに、これを「患者さんたちが〜」に変えたら、かれらのせっけんや除菌用のジェルの使用量が1.5倍近く増えたのだそうです。

これは私たちにも応用できるワケで、「自分の使命を思い出させるものに毎日触れられる方法を見つけよ」とのこと。

たとえば、仕事の効果を伝えるストーリーを手元に置いておくとか、自分が「なぜ」仕事をしているかを思い出させる画像や引用句、ミッションステートメントを用意しておくと良いのだとか。


◆続く第2部のテーマは「交流」で、上記ポイントの4番目はここから引用しました。

他にも色々と「交流」に関するお話がこの部では展開されているのですが、興味深かったのが、「スマホがそこにあるだけで会話が台無しになることがある」という論文について。

2000人を集めた実験で、スマホがテーブルにあったり、参加者が手に持っているだけで、参加者たちの会話にダメージを与えることが判明したとのだそうです。

ここでのミソは、相手が通話や操作をしているのではなく、スマホが見えるだけで人間関係の質に悪影響を及ぼすこと。

相手との関係を重視したいのであれば、スマホは「目に見えないところ」にしまうべきなんですね。


◆なお、第3部の「エネルギー」については、前作であるこの本からの引用がたびたび登場します。

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座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣

参考記事:【健康】『座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣』トム・ラス(2015年08月03日)

確かに自分の健康をないがしろにして、高パフォーマンスが実現できるはずはありませぬ。

上記の本同様に、本書でも質の高い「食事」「運動」「睡眠」が薦められています。

ただし、ページ数的には50ページ弱なので、詳しくお知りになりたい方は上記の本をお読みください。


充実した人生をおくるために!

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元気は、ためられる
 <第1部:意義>
第1章:小さな成功に「意義」を見いだす
第2章:人生、仕事に「意義」を見いだす
第3章:仕事を「居場所」ではなく「目的」にする
第4章:「お金」以外のモチベーションを見つける
第5章:人々のニーズを考える
第6章:自分でキャリアを築く
第7章:将来のために行動を起こす
第8章:45分集中して、15分休憩する
 <第2部:交流>
第9章:ひとつひとつの「交流」を大事にする
第10章:会話の80%をポジティブなコメントにする
第11章:小さなことからスタートする
第12章:交流のための「休み時間」を設ける
第13章:「モノ」よりも「経験」にお金を使う
第14章:単独飛行はやめておく
第15章:「蓄積的な強み」を築く
 <第3部:エネルギー>
第16章:「自分の健康」を第一に考える
第17章:「食べる」ことで、1日をよりよいものに変える
第18章:走るより、たくさん歩く
第19章:もっと眠れば、もっと成果が上がる/
第20章:「食べる、動く、眠る」で、ストレスによるダメージを防ぐ
第21章:立ち直る力を発揮する


【関連記事】

【健康】『座らない!: 成果を出し続ける人の健康習慣』トム・ラス(2015年08月03日)

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そろそろ『利他学』について一言いっとくか(2013年06月06日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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参考記事:【オススメ】『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』唐木 元(2015年08月14日)


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