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2015年11月18日

【真似?】『行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる』立川光昭


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行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した「ビジネスモデル本」兼「スキルアップ本」。

著者の立川さんは、起業して成功するも、「ビジネスの基本を学ぶためにユダヤ系商社に勤務した」という変わった経歴の持ち主です。

アマゾンの内容紹介から。
「成功者の成功法則を徹底的に分析し、長所は可能な限り模倣し、短所は自身のオリジナリティを組み込み改善する」。真似したものを組み合わせることで“新たな価値"を生み出す方法とは?

なお、Kindle版もございますので、お好きな方でお読みください!





『レッドクリフ』は飲酒運転根絶宣言を応援してるんだそうですw / ysishikawa


【ポイント】

■1.コラボレーションで「お金のかからない宣伝」をする
 私が高校生のころ、英会話のイーオンのポスターを様々な店舗にお願いして張らせてもらうというアルパイトをしたことがありました。張らせてもらったポスターの枚数に応じてアルバイト代が支払われる仕組みです。(中略)
 イーオンからすれば看板代を削減できますし、店側としても殺風景な店内よりもきれいな女性が写ったポスターが張られていたほうが絵になるというメリットがありました。
 双方にメリットがあれば、お金が絡まなくても人は動いてくれるということがわかったのです。これを「レッドクリフ」と白木屋のタイアップにも応用したのです。


■2.地方局にCMを出して効果を測定する
 たとえば雑誌に広告を出しても、その広告を見て買った人が、全体の購入者のどれくらいを占めているかはわかりませんでした。しかし、彼らは放送エリアを限定することで、それを可能にしたのです。
 たとえば、岩手県だけに宣伝番組を放送すれば、岩手県からの注文はその宣伝番組を見た人が買った可能性が高いわけです。すると、「岩手でこの時間帯のテレビを見ている人」へのピンポイントな訴求力があることがわかるわけです。
 宣伝番組ごとに電話番号を替えるなどして、購入者がどの宣伝番組を見たのかすべてわかるような仕掛けも生み出しました。
 そして、それを数値化することで、地域ごとの傾向を分析していきました。


■3.地域の成功店・失敗店を100店舗ずつ回るダイヤモンドダイニング
どんな業態でもいいので、とにかく飲食店を実際に食べて回るのです。100店舗回ると、成功している理由、失敗している理由の共通項が必ず出てくるので、そうした成功を真似し、失敗を避けるようにすれば、その地域で絶対に勝てるのだというのです。
 そうしてダイヤモンドダイニングが成功させたのが100業態100店舗という営業形態です。
 通常はヒットしたブランドがひとつあれば、100店舗で同じブランドを展開したほうが効率がいいに決まっていますが、すべて別ブランドで展開しています。
 路線価を調べて、そこにどんな人がどれくらい住んでいて、こんな傾向がある――などと分析するより、流行っている店とそうでない店を分析するほうが早いというわけです。


■4.ステージがひとつ上の人をターゲットにする
まずは上のステージに行ってみて、そこで背伸びをしながら、緊張しながら、必死に適応しようとがんばってみる。そういう中から、それまでの自分の中のルールや常識が壊されて、新しいものができあがっていくのです。
 たとえば、お葬式に行くときには喪服を着ていくように、その場所に行ったときには当たり前にしなければならない行動を、自分もやっていくということです。なりきるといってもいいかもしれません。これは別に自分を偽っているわけでも何でもありません。1つ上のステージに行くときには、そこにいる人たちに合わせる。それだけでいいのです。
 私はよく周囲の人から、「常に大変そうだね」「いつも忙しそうだし、辛そうだ」といわれますが、それは私が常に1つ上のステージに身を置いているからだと思います。


■5.成功する経営者の7つの型
(1)堅実型
(2)行動型
(3)知的型
(4)目的型
(5)融和型
(6)親分型
(7)愛情型  (中略)
私は堀江貴文さんが大好きなのですが、憧れの対象としては孫正義さんのほうが近いと思っています。
 堀江さんは、目的のために合理的に物事を進めていく目的型に見られがちではありますが、私の見立てでは知的型だと思います。
 堀江さんは一見、型破りなのですが、意外と全体を見て慎重に言葉を選んで発言しています。「ここでこれを言ったらこう思われるだろう」と計算して発言するタイブでもあります。彼は強烈なインパクトのある言葉でひっぱっていく行動型でもありません。ですから、私は彼にはなれないなと強く感じるのです。

(詳細は本書を)


【感想】

◆本書はまず前半の第1章と第2章で、主に「ビジネスモデル」について言及されています。

著者の立川さん曰く、同じ業界の違う会社や違う業界のビジネスモデルを「真似る」ことにより、業績を上げたとのこと。

きっかけは中古バイクの販売会社をやっていたときの、中古ゲームソフト店で見かけた「ソフトの買取価格」でした。

当時は買取価格を公表するなんて、バイク業界ではありえないこと。

いくら儲けているかが明らかになってしまうので、当然と言えば当然です。


◆しかし、適正な価格で売っている以上、ボランティアじゃないんですから、上乗せは当然。

その後古物商をいろいろ分析してみた結果、成功している企業に共通しているのは、「買取りを前面に打ち出している」ことがわかったとか。

確かに昔からブックオフも、買取りにチカラ入れてますよね。

アマゾンでもとうとう、「買取サービス」に乗り出しましたし。

Amazon.co.jp、「Amazon 本買取サービス」を開始

……これ、自分がアマゾンで買った商品の履歴から、個々の商品ごとに「最大買取価格」まで表示してくれるいう。


◆また、上記ポイントの2番目の地方のテレビ局に出稿する、というのも目からウロコ。

これは元々は、立川さんが知り合いであるトライステージの中村さんの手法を真似た(断りを入れた上で真似たとのこと)ものでした。

このような同業他社を真似ている例としては、第2章で外食産業での例がいくつか挙げられています。

上記ポイントの3番目のダイヤモンドダイニングのケースは知りませんでしたし、「ステーキけん」は「フォルクス」のサラダバーを真似て、さらにカレーを加えたことで人気を博したのだとか。

一方、多くのファミレスが導入している「ドリンクバー」は、「ある経済評論家が分析した」ところによると、300円で店員が常に席にドリンクをもっていく場合と、150円のドリンクバーを設置した場合とでは、ドリンクバーで平均10杯飲んだときにようやく同じくらいのコストになるのだそうです。

これなどは、どこがどこの真似をした、というものでもないくらい広まっていると思いますが。


◆一方、本書の第3章以降では、主に「人」を真似るお話が展開されています。

もっとも、一般的に「成功者のやり方を真似る」というのは、仕事術等における王道の1つですし、今回上記ポイントでもやや少なめにご紹介しました。

ただし立川さんメソッドの場合、上記ポイントの5番目に挙げた「7つの型」からいくつかを選んで、真似るのが特徴かと。

本書の第5章では、「真似るための5ステップ」と題して、具体的な方法が述べられていますので、ご参考まで。

ちなみに「ビジネスモデルオタク」の自分としては、前半のネタだけでも良かったと思うのですが、過去の著作との兼ね合いでこのようになったのかもしれませんね。

むしろ後半部分のおかげで、一般ビジネスパーソンにとっては実践の可能性が高まったとも言えますし、この構成もあながち悪くはないのかも。


成功するための効率の良い方法論がここに!

4046014040
行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる
第1章 なぜ私は真似で成長できたのか?
第2章 ビジネスに必要な真似び(学び)
第3章 人間関係にも真似を取り入れよう
第4章 真似ができる人、できない人
第5章 真似るための5ステップ
第6章 成長はすべて真似に始まり、真似に終わる


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B009T0OJL8
ステーキを売るなシズルを売れ フェニックスシリーズ

下記参考記事にもあるように、発売当初、土井英司さんのメルマガで紹介されたおかげで、あっという間に品切れになったいわくつきの1冊です。

今回のセール価格なら、送料込みの中古価格の半分くらいなので、未読の方はこの機会にぜひ!

参考記事:【データ主義?】『ステーキを売るなシズルを売れ --ホイラーの公式』エルマー・ホイラー(2012年08月05日)


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