2015年10月21日
【マインドリーディング】『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』ロミオ・ロドリゲス Jr.
97%の人を上手に操る ヤバい心理術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、間違えて読まずに部屋の隅に放置してしまっていた心理ネタ本。著者のロミオ・ロドリゲス Jr.は、数多くのテレビ番組に出演している人らしいのですが、私は本書で初めて名前を知りました。
なお、上記単行本より、Kindle版の内容紹介の方がキャッチーなので、そちらから一部引用。
美輪明宏も絶賛! アジア最強のメンタリストが伝授! 人間の心を読み、思考と行動を操作する香港大学の人気講義「メンタリズムコース」、ついに日本上陸!
Daigoをも凌ぐ、アジア1のメンタリストロミオ・ロドリゲス・ジュニア氏が伝える、読めば誰でもマインドリーダーになれる本。
人の心を読むために最も重要なものは、「適切な状態で、正しい戦略を使い、サイコテクノロジー(精神技術)を活用し、それを第二の天性になるまで練習する」こと。
本書では、このサイコテクノロジー(精神技術)について、読むだけで誰でもマインドリーディングができるようにわかりやすく解説する。
心理ネタはどうしても類書とネタかぶりがあるので、今回は私があまり見かけないモノ中心に選んでみました。
You were the chosen one! / Kyknoord
【ポイント】
■1.「再否定の話術」で上司を転がすたとえばあなたが上司に、
「部長って本当にすごいですよね。あっという間に今期の業績を2倍にしましたよね」
と言ったとします。
もちろんここで上司は「いや、私ではないよ。みんなで一丸となって頑張ったからできたことだ」となるはずです。しかし上司は内心、自分の指導があってこその成果と考えているはずです。そこであなたはすかさず、
「いや、そういう謙遜も部下が信用してついていける理由ですよね!」
と言うと、上司の心の中で喜びが倍増します。
■2.ミラーリングは3秒遅れて
私たちがよく犯す間違いは、相手と同じタイミングで同調しないといけないと思い込むことです。しかし3秒後に同調行動をしたほうが、相手の無意識に入れるのです。
1〜2秒後の同調は相手の顕在意識に入り、不自然さを与えてしまいます。
しかし、3秒後のタイミングであれば顕在意識から外れるため、相手は決して真似されているという意識を持ちません。
実は私たちは3秒で刷り込まれる訓練を幼少の頃からされています。昔、幼稚園の先生から言われた「よーい、どん!」。実はこの掛け声が3秒なのです。「1、2の3!」もそうですよね。相手がぺンを持ち上げたら3秒後にぺンを持ち上げます。すると相手は「この人、なんとなく信用できるな」と無意識に考え始めます。
■3.「了承と同意」でクレーマーを鎮静化する
クレーマーの機嫌を損なわないように、「大変申し訳ございません!」や「おっしゃる通りです!」と連呼してしまいがちですが、それでは自分の非を認めたことになり逆に相手を調子に乗らせてしまう事態になりかねません。
もちろん話を聞くことは重要ですが、タイミングを見計らって「了承」や「同意」を求める言葉を投げかける必要があります。
「お客様のおっしゃるこの部分は、このようにご理解いただけると思いますが、いかかでしょうか?」
「この部分は、私はこのように理解しましたがよろしいでしょうか」
など、相手に「そうだよ」「うん、間違いないよ」という了承や同意の言葉を引っ張り出すわけです。
こういった小さな了承や同意を取り付けるほど、相手は怒りの状態から徐々に沈静化していきます。これはアメリカの人質交渉人も必ず使うテクニックで、交渉人の基本中の基本と呼ばれているものです。
■4.「メールがマメだとモテる」はウソ?
よく「メールがマメな男がモテる」とありますが、あれは嘘です。
「メールをマメに送る」というテク二ックは、女性心理として好きな男にされたら嬉しいことであり、まだ深くない関係の人間にされても好きになる行為ではありません。
相手との感覚を合わせることを心理学では「ミラーリング」といい、自分と同じ行動を取る人間は自分と同じ価値観を持っていると考えるようになります。
そこで、相手からメールが頻繁に来るようになったら、わざとメールするのをやめてください。
5日も経てば、必ず相手から「どうしたの?」とメールが入ります。
その間の5日間はずっとあなたのことが頭から離れないことでしょう。
■5.「トランス話法」で依存状態にする
「トランス話法」は、エリクソニアン・アプローチで有名なミルトン・H・エリクソンが生み出した技法です。現在のNLPでも多く活用されているので、知っている方も多いのではないでしょうか。
実はこのトランス技術を会話の中に簡単に入れる方法があります。すべて会話に、相手のことを入れ込んでいくのです。
「昨日道を車で走っていたら、かっこいいスポーツカーが横切ったんだ……」
⇒「昨日、あなたにすごく似合うスポーツカーか横切ったんだ」
「大きな家だね」
⇒「将来、こんな大きな家に、あなたは住むんだろうな」
このように会話のすべてに相手を入れ込むことで、相手は無意識にセルフイメージが上がり、そのうちあなたの話す内容に沿うように行動し始めます。
これは会話のみならず、手紙やメールなどの文章でも効果がありますので、ぜひ使ってみてください。
【感想】
◆アマゾンの短い方の内容紹介に「86のワザ」とあって、「これはネタてんこ盛りだわ」と思ったワタクシ。とはいえ、本書は目次から何から入れて、全部で224ページですから、1つのワザに3ページ費やせません。
そして実際、本書は見開き2ページで1つのワザを解説する仕様になっており、必然的に1つひとつの深掘りは不可能なことに。
もっとも、幸いなことに見出しだけで1ページ使ったり(そういう本も結構多いんですよね)、図解本さながらに、必要もないイラストがネタごとにもれなく付いているわけではないので、「手抜き本」とはまったく違います。
◆さてネタの中身はどうか、と言いますと、数が多い分、類書とのネタかぶりは避けられませんでした。
ただし逆に言うと、類書をあまり読んでいなければ、本書1冊を読むことで、かなりの数のテクニックを知る事が可能。
「フット・イン・ザ・ドア」「コールドリーディング」「ローボール効果」等々、お馴染みのものがひと通り登場します。
そこで、ベタなものを除いて列挙したのが上記ポイントの5つ。
このうち2番目の「ミラーリング」は、かなりベタなものの、「3秒遅れて」というテクニックは知りませんでした。
また、4番目のメールのマメさの件は、「マメだからモテる」のではなく、「モテるからマメでいい」というのは目からウロコw
即レスしてる読者の方は、いま一度ご自分の好かれ具合をご確認頂ければ、と。
◆なお、この4番目と続く5番目のポイントは、本書の第5章の「気になる異性を思いのままにあやつる」から引用しました。
ぶっちゃけこの章は、モテネタ好きには見逃せないところ。
この2つ以外にも
・相手の返事のしにくいメールとは?
・「理由づけ」で簡単に電話番号を聞きだす
・異性に「性的なイメージ」を植え付けるテクニックとは?
・既婚者の不倫が遊びかどうか一発で分かる質問テクニック
・遠距離恋愛で避けるべき会話スタイルとは?
辺りは、知っていて損はないと思います。
◆ただし本書は、基本的に昔からある実験や研究が根拠となっている一方で、最近の情報はアップデートされていない模様。
たとえば普通に「吊り橋理論」は効果があることになってるのですが、この本では書影の時点で、真っ向から否定されています。
恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学
参考記事:【モテ】『恋愛の科学 出会いと別れをめぐる心理学』越智啓太(2015年07月31日)
また、本書でワザとして触れられている「微表情」も、この本によると、科学的にはほとんど信頼性が高くないとのこと。
人の心は読めるか?
参考記事:東大教授がこっそり教えてくれる『人の心は読めるか?』の真実(2015年01月30日)
もっとも本書は、こういった細かい事(?)には気にせず、「使えるところだけ使う」スタンスでいる分には、結構コスパは高いと思いますがw
「心理ネタ好き」の方なら、要チェックです!
97%の人を上手に操る ヤバい心理術
1.苦手な人を上手にあやつる悪魔の心理術
2.プレゼン、営業、接客 ノーをイエスに変える
3.表情、しぐさ、動きで相手の心を透視する
4.上司、部下、同僚 職場の人間関係を支配する
5.気になる異性を思いのままにあやつる
6.暗示の力で潜在能力を引き出す
【関連記事】
【モテ?】『とっさのしぐさで本音を見抜く』に学ぶモテテク5選(2015年09月10日)【プロの心理術?】『限りなく黒に近いグレーな心理術』メンタリストDaiGo(2015年06月05日)
【コミュニケーション】『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』戸田久実(著),岩井俊憲(監修)(2015年03月06日)
絶対に公開してはいけない『心を上手に操作する方法』(2012年06月29日)
この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!(2012年05月15日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」はこちら!コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)
送料足したら中古が新刊と変わらないところが、今日に限って「66%OFF」なんですから、当然私も買いました!
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
12月16日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです