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2015年10月20日

【自己啓発】『後悔せずにからっぽで死ね』トッド・ヘンリー


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後悔せずにからっぽで死ね


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で目にして、「タイトル買い」してしまった自己啓発書

著者のトッド・ヘンリーは、組織のアイデア創出を助けるコンサルティング会社「アクシデンタル・クリエイティブ」の創業者であり、配信しているポッドキャストは、ビジネスカテゴリーでも高い人気を誇るのだとか。

アマゾンの内容紹介から。
「ああすればよかった」「本当はこうしたかった」がなくなる本。アメリカの人気コンサルタントが教える、自分の能力を最大限に発揮しつくして、仕事と人生を充実させる方法とは?

なお、Kindle版も用意されていますので、こちらもご検討下さい!





Steve Maraboli At the end of the day, let there be no excuses, no explanations, no regrets / symphony of love


【ポイント】

■1.自分の価値は行動しないと見えてこない
 ほとんどの人は、人生のミッションは最初から与えられているもの、と思いたがる。だが人は具体的な使命を決められて生まれてくるわけではない。世界に貢献する方法など、数えきれないほど存在しているのだ――スイートスポットで打ちさえすれば、どんな場面でも、きっと大きな偉業をなせる。ただし、そうした機会は行動を重ねなければ見えてこない。実験や失敗や成功がヒントとなって、暗室で写真が現像されるように、ゆっくりと自分のスイートスポットが浮かび上がってくる。さまざまなことに挑戦し、スキルと感性を伸ばす努力を続けているうちに、だんだんと自分だけの価値や長所がわかってくるものなのだ。粘り強さが必要だ。長くかかる試合だが、まずは始めなければならない。


■2.情熱とは「苦労するかいがある」と思うこと
「情熱(passion)」という言葉の語源は、ラテン語の「受難(pati)」から来ている。つまり情熱とは耐えること、苦しむこと。私たちが日常会話で軽く使っている意味とは正反対だ。情熱に従うことについて考えるとき、「それはどんな喜びを私にもたらしてくれるか?」と問う人が圧倒的に多いが、本来問うべきは「私は今日、どんな苦労を喜んでするつもりがあるか?」なのである。(中略)
考えてほしいのはこうだ――自分が「苦労するかいがある」と感じる貢献は何だろうか。


■3.憧れの人のどこに共鳴するか?
 誰かが話すのを聞いたり、芸術作品を鑑賞したりしているときに、急に心臓がどきどきしてきた経験はないだろうか。呼吸が速くなり、胸躍る思いを抑えきれなくなる。「そのとおり!」と叫び、相手の口から発せられる一言一句に同感だと知らせたくなる。私はこうした現象を「共鳴」と呼ぶ。この共鳴現象が、自分のぺストワーク――誰にもまねできないユニークな仕事を発揮する貴重なきっかけになることがあるのだ。(中略)
 共鳴は、細部というより根幹的なテーマに対して感じることが多い。具体的な対象や、口に出された言葉そのものよりも、もっと深いところで響いているのだ。


■4.「代用品」を追いかけない
 起業したいと望みながら、あえて新興企業に勤める道を選ぶ人は、起業のリスクをとらずに似たような体験ができる場として、そこを選んだだけではないだろうか。作家になることを夢見ながら、実際には一文字も書こうとしなかった人が、その代用として他人の執筆を助ける編集者となった場合もあるのではないだろうか。ときには本物にきわめて近い代用品を追いつづけ、何年も何年もたってから、こう気づくのだ――そもそも自分が本心でめざしてはいなかったもののために、人生のほとんどを投じてしまった、と。(中略)
 心の奥底ではそのズレに気づいている。ズレを埋めなければという思いがある。ここで真実を教えよう。どれほど長きにわたって漂流してしまったとしても、針路を定め直すのに遅すぎるということはないのだ。


■5.グレーゾーンに立ち入らない
私のパーソナルトレーナーは、身体を鍛えたい人間にとって最も危険な状態を「グレーゾーン」と呼んでいた。それなりの運動をする力はついたのに、楽にやれる範囲よりも上をめざそうとしない状態のことだ。運動はできるようになった。だが、戦略的な負荷を伴って初めて得られる成果には気づいていない。
 ビジネスを育てる際も同様だ。混乱し緊迫した局面を体験し、その問題が解決すればほっとし、また新たな試練にぶつかって混乱・緊迫した状態に陥る。限界の先へ手を伸ばす努力をやめ、新たな試練を探すことをやめたなら――つまりグレーゾーンにはまり込んだなら、そのビジネスは成長もしなくなっていく。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、まず挑発的なタイトルに目を奪われて本書を手に取ったワタクシ。

どんな原題かと思いきや、そのまんまで『Die Empty』というものです。

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Die Empty: Unleash Your Best Work Every Day

もっとも原書の方がサブタイトルで、ある程度内容をイメージさせてくれているかと。

本書ではそのサブタイトル通り、自分の「最高の仕事(ベストワーク)」を引き出すための考え方と方法を探っています。


◆ところで本書曰く、「仕事とは3つに分類し解析することができる」とのこと。
・マッピング(地図を描く)
・メイキング(つくり出す)
・メッシング(精製する)
そしてさらに、この3種類にどう取り組むかによって、人間は4つのタイプに分類されるのだそうです。

そのうち、上記3つの仕事すべてに「ベストワーク」で取り組んでいるのが「ディベロッパー(構築する人)」で、これこそが私たちが目指すもの。

それ以外の3つのタイプは、上記の仕事のどれかが欠けているもので、それぞれ「ドライバー(突っ走る人)」「ドリフター(漂流する人)」「ドリーマー(夢見る人)」と呼ばれています(詳細は本書を)。

ちなみに著者のトッド・ヘンリーは「ドリフター」になりやすいのだとか。


◆ところが、人は弱いものですから、どうしても自分の「ベストワーク」を解き放つことなく、現状に甘んじたくなるもの。

上記の仕事の3種類のいずれかを軽視させ、能力も発揮できなくさせる「要因」が存在するわけで、著者はそれを「凡庸を招き入れる7つの大罪」と命名しました。

具体的には下記目次の第4章から第10章にある通り。
「その場しのぎ」
「マンネリ化」
「ぬるま湯志向」
「根拠のない自己認識」
「自意識過剰」
「怖がり」
「壁を作る」
本書ではこれらを1つひとつ分析することにより、マッピング、メイキング、メッシングを活用する方法を探っていくわけです。


◆それにしても本書は、よくある「楽して成功する」的な本とはえらく違い、正直面食らいました。

収録されているエピソードも、「ハードコア」なものが多々。

たとえば、全米フットボールリーグ(NFL)の殿堂入りしたランニングバックのカーティス・マーティンは、その殿堂入りの際のスピーチで、自分が「アメフトファンじゃなかった」「走るのが好きじゃなかった」ことをカミングアウトしました。



しかし彼が走り続けた(ラッシュ獲得距離歴代第4位)のには、ある大きな「人生の目的」があったから。

それは、家庭が破綻し虐待を受けたシングルマザーや子どもたちを救済することであり、彼は入団した年から、毎年報酬の最低12%をその目的のための財団に寄付しているのだそうです。


◆そして、著者がどうしてこのような考えに至ることになったかのきっかけが、最終章で触れられていました。

なんでも高校時代のある晩、急な激痛で歩けなくなったことがあるのだそう。

救急車で病院に運ばれ、検査を受け、腹部に塊ができていたことまでは分かったものの、詳しい原因は不明。

手術後、体重も20キロ強減って、2ヵ月近くを病院で過ごしたのだとか。

そこで彼は「死」を初めて意識し、考えたのが「退院したら、もっと目的意識をもって生きていこう」ということ。

なるほど、本書が想像以上に熱く迫ってくるのには、こうした背景があったからなんですね……。


今日の仕事に危機感を持って励むために!

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後悔せずにからっぽで死ね
第1章 後悔せずにからっぽで死ね
第2章 これからあなたがやるべきこと
第3章 凡庸へ堕ちろ、と誘う声にあらがえ
第4章 臨むべき戦いを見定める――「その場しのぎ」に陥らない
第5章 いつでも好奇心をもつ――「マンネリ化」に陥らない
第6章 安全圏から外へ踏み出せ――「ぬるま湯志向」に陥らない
第7章 おのれを知る――「根拠のない自己認識」に陥らない
第8章 自信をもちつつ、しなやかに――「自意識過剰」に陥らない
第9章 自分の声を聞け――「怖がり」に陥らない
第10章 結びつきを切らない――「壁を作る」に陥らない
第11章 後悔せずにからっぽで生きろ
第12章 その先へ


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【編集後記】

◆昨日たつをさんの記事を見て、思わず買ってしまった1冊(まだ読んでませんがw)。

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