2015年10月19日
【プログラミング】『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』神谷加代,できるシリーズ編集部
子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く (できるビジネス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた1冊。以前ここでも書いたように、我が家ではムスコにビジュアルプログラミング言語をいくつか体験させていたので、最近の状況を知るべく購入いたしました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
今、世界中で注目されているプログラミング教育。
2013年12月にはオバマ大統領も「プログラミング教育が重要だ」とのメッセージ動画を公開しました。
日本でも文科省が近い将来、小学校におけるプログラミング教育の必修化を検討しています。
プログラミングは、将来の仕事において必要な、論理的思考や問題解決能力を身に着けるのに最適です。
本書ではその理由を解説し、実際にどのように学べばいいかも紹介します。
タイトルの「6つの理由」はさておき(?)、多面的にアプローチされていましたよ!
2017-07-17 CoderDojo Linz-2 / rainerstropek@yahoo.com
【ポイント】
■1.「問題解決能力」を養える例えば、子どもたちが「シューティングゲームを作りたい」と思い、点数が出れば面白くなると考えたとします。プログラミングでは、この「点数が出るようにしたい」という行為そのものが1つの課題として設定され、自分で課題を解決する方法を考えます。同じようなゲームのコードを見たり、ネットでヒントを見つけたり、友だちや周りの大人にアドバイスをもらったりと、さまざまな解決方法を自分で探って試しながら、「点数が出るためにはどうすればいいか」という課題を解いていきます。そこには、"こうしなければならない"という決まった正解や、どんな計算をしなければならないというルールもありません。子どもたちは自分で課題を解決するために情報収集や試行錯誤、意思決定することが求められ、間違っていたときやうまくいかないときは、もう一度、一歩前に戻ってプロセスを見直します。
■2.「自分に自信」を持てる
自分自身や考えを表現するツールは粘土や絵画など、他にもたくさんあります。しかし、プログラミングはその中でも飛び抜けて「作りたい」から「できた!」までのプロセスが短いといえます。それは、物理的な制約のない場面でのモノ作りだからです。何かを間違えたらエラーで知らせてくれるし、同じようなものを作りたかったら「コピぺ」が使えることも多いです。このように、完成までのプロセスがとても早いので自己肯定惑を得やすいツールだといえるでしょう。
■3.学歴よりもプログラミングで何でも作れる人を採用したい
「例えば、いい大学をいい成績で出た学生と、小学生からプログラミングをやっていて、何でも作れる人がいれば、私なら絶対に後者をとります。学校の勉強を頑張って、"間違わない達人"になった視野の狭い人よりも、何かを作れて、モノを作る楽しみを知っている、なおかつ、それで人を喜ばせることができる、そんな人がいたら迷わず採用します。それはなにも、わが社に限ったことではありません。今は、そんな人がいれば何社からも引っ張りだこになるのです。逆に、今の会社には、間違えない達人はもういらないともいえます。」
ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者 南場智子さん
■4.消費するだけのデジタルネイティブを変える
「コンピューターを操る経験は、物事の考え方や捉え方に変化を与えます。コンピューターを操った経験がなければ、周りのモノに対して『便利だけど、なんだかよく分からないもの』で終わってしまいますが、プログラミングの経験があれば、どんなモノにも仕組みがあることや、それを変えることも可能だと知ることができます。そして、『自分が理解できるもの』としてとらえることができ、物事を違う視点で考えたり、一段上から見たりできるようになります。私は、プログラミング教育でデジタルネイティブをそのような意識に変えていくことができると思っています。」
青山大学・津田塾大学 非常勤講師 阿部和弘先生
■5.子どもと一緒に学べるプログラミングサイト11選(抜粋)
●プログラミン
●スクラッチ2.0(ページ下段の言語選択で日本語を選んでください)
●アルゴロジック
●ムーンブロック
●スモウルビー(Smalruby)
●オレサマプログラマー
【感想】
◆冒頭でも触れたように「子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由」というタイトルにある「6つの理由」というのは、本書においては「刺身のツマ」のようなものでした。第1章の「なぜ子どもにプログラミングの教育が必要なのか?」の最初の方において、13ページほど費やして、その理由を解説してくれているのですが、ほぼそれっきり。
もちろん本書は、この「6つの理由」があるからこそ「子どもにプログラミングを学ばせるべきである」というスタンスですから、ここがないと困るのは当然でしょう。
ただ、その割には軽く流されているというか、この6つの理由を掘り下げることで、本書が1冊構成されていると考える方がいたとしたら、拍子抜けすることウケアイ。
買われてから「エッ!?」となっても申し訳ないので、先にアナウンスしておきます。
◆ただし、その「理由」にこだわらず、初めから「子どもにプログラミングを学ばせるべきである」と考えてる方にとっては、それ以降の本書は「かなり充実している」と言っても過言ではないでしょう。
たとえば上記ポイントの3番目の南場さん率いるDeNAは、2014年10月から、あの(?)佐賀県武雄市において、小学1年生を対象にプログラミング授業の実証研究を実施したのだそう。
公立小学校1年生へのプログラミング教育実施 | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】
また、上記ポイントの4番目の阿部先生は、「青山大学・津田塾大学 非常勤講師」なんて肩書きが本書では付いていますが、日本国内におけるスクラッチの第一人者であり、私が最初に買ったプログラミングの本であるこの本を書かれた方でもあります。
小学生からはじめるわくわくプログラミング
こうした方々やMITメディアラボのミッチェル・レズニック教授、「Life is Tech!」代表の水野雄介さんといった面々のインタビューを収録しているのが、同じ第1章なのですから、どんだけ本書が濃いのかお分かり頂けるかと。
◆ただし、続く第2章は「世界で進む子ども向けプログラミング教育」ということで、直接的なTIPSやアクションとは無関係です。
ここでは諸外国のプログラミング教育の現状と比較して、「日本の公的教育に期待していてはダメ」ということを痛感させられるという仕様。
そこでその解決策として提示されるのが、第3章の「今すぐ学べるスクールとその取り組み」です。
宣伝(?)になるとアレなので、具体的な名前は挙げませんが、3つの会社&団体のインタビューを収録しているので、興味のある方はお読み頂ければ。
なお、下記目次にもあるように、巻末に「全国プログラミング教室一覧」が6ページに渡って付録として付いているので、上記の3つ以外についても抜かりはありませぬ。
◆とはいえ「スクールに行ってまで……」と思われる方も当然いらっしゃるでしょうから、そういう方は第4章の「子どもと一緒に学べるウェブサービス&アプリ」をご覧ください。
上記ポイントの5番目では、11紹介されているうちの6つを、サイトの名前とURLのみ列挙しました。
正直、サイトに飛んだだけでは良く分からないモノもありますので、その辺は本書をゆっくりお読み頂きたく。
実は今回ご紹介していない中に1つ、かなり面白そうなモノがあったのですが、タブレットに特化しているらしいんですよね(涙目)。
我が家では、「スクラッチ」「アルゴロジック」「ムーンブロック」の3つは経験ありますが、その他は知らなかったので、機会があれば挑戦してみたいと思っております。
お子さんにプログラミングを体験させてみたい方には、オススメ!
子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く (できるビジネス)
第1章 なぜ子どもにプログラミングの教育が必要なのか?
第2章 世界で進む子ども向けプログラミング教育
第3章 今すぐ学べるスクールとその取り組み
第4章 子どもと一緒に学べるウェブサービス&アプリ
第5章 迷路ゲームを解いて教育効果を実感しよう
第6章 ゲームを作って考え方や解き方がトレーニングできる
付録 プログラミングツール一覧
付録 全国プログラミング教室一覧
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【編集後記】
本日の「Kindle日替わりセール」はこちら!貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎単行本)
個人的には、恋愛ネタに特化した『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』の方が好きなんですが、この作品本年度の「講談社エッセイ賞」を受賞したそうなんですよね。
参考記事:【オススメ!】『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』ジェーン・スー(2014年07月25日)
ご声援ありがとうございました!
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