2015年10月15日
【成功本!】『自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方 』高田晋一
自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方 (Sanctuary books)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、いわゆる「成功本」のエッセンスを抽出してまとめた1冊。著者の高田晋一さんは、最初気が付かなかったのですが、以前当ブログでレビューした「異色の成功本」である『「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』を書かれた「晋一」さんとのことでした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
読めばきっとっためになると思っていても、「自己啓発の名著」は分厚かったり、文章が固かったりで、全部読むにはハードルが高いもの。
そこで本書は、世界中の自己啓発の名著を50冊に厳選し、そのエッセンスをまとめました。
名著1冊につき1つ、成功するためのポイントを、「誰でもできる習慣」に落とし込んでいるので、今日からでも実践できます。
タイトルといい、イラストといい、確かにとっつきやすそうですけど、内容的にはしっかりした「羊の皮をかぶった狼」ですよ!
Think and Grow Rich (Napoleon Hill) - Blogging Bookshelf / The Booklight
【ポイント】
■1.『オプティミストはなぜ成功するか』に学ぶ「ABCDEモデル」セリグマン教授は、悲観的な物の見方を変える方法として、「ABCDEモデル」という手法を紹介しています。それはこんな方法です。
悲観的なことが起きたとき、その「困った状況」(Adversity)を書き出します。次に、そのときの「思い」(Belief)、「その結果したこと」(Consequence)を書きます。
たとえば、あなたが友達に借りたイヤリングをなくして落ち込んでいるとしたら、こんなふうに書けばいいでしょう。「友達のイヤリングをなくした」(A)。「私は最低だ。友達は私を許さないだろう」(B)。「落ち込んでもう立ち直れない」(C)。次に、先ほどの「思い」に対して「反論」(Disputation)をしていきます。(中略)
先ほどの例なら、「本当に友達は許してくれないだろうか? たったそれだけのことで私のことを許さないなんてことはありえないだろう」(D)という反論をすることができるでしょう。こうして自分を「元気づける」(Energization) わけです。
■2.『道は開ける』に学ぶ「悩みを解決するための魔術的公式」
(1)まず状況を分析して、その失敗の結果、起こりうる「最悪の事態」を予測するこの公式の中でのポイントは「最悪の事態を予測する」ことですが、多くの場合、命までとられるという事態はまれなはずで、最悪でも「死ぬわけではない!」ということを自分に言い聞かせる習慣をつけておくと、色々な場面で応用が利くと思います。
(2)起こりうる最悪の事態を想定したら、やむをえない場合はその結果に従う「覚悟」をする
(3)これを転機として、最悪の事態を少しでも好転させるように、冷静に自分の時間とエネルギーを集中させる
■3.『富と成功をもたらす7つの法則』に学ぶ「選択の仕方」
この中でチョプラは、何かに悩んだとき、迷ったとき、どちらに進むべきかの判断を、「自分の体に問いかけてみよう」と提案しています。
そうして、もし体が「心地よさ」のメッセージを送ってきたら、それは正しい選択と考えられ、「不快」のメッセージを送ってきたら、それは正しくない選択として考えられるそうです(たいていは心臓あたりの位置で反応があると述べています)。
一見、非科学的な手法のように思いますが、「体の感覚が正しい判断を教えてくれる」ということは、意外にも多くの心理学者が認めているところなのです。
■4.『EQ こころの知能指数』に学ぶ「XYZ法」
「XYZ法」とは、相手に苦情を述べる際に、カドが立たないように自分の気持ちをうまく伝える手法です。使い方は簡単で、「あなたがXをしたので、私はYな気持ちになった。本当ならZしてほしかった」という順番に述べていく、というものです。(中略)
「どうして遅刻するの? あなたって本当に常識がない人ね」
と言われたらどうでしよう。自分が悪いことはわかっていても、カチンときてしまうのではないでしょうか。
でもここで、XYZ法にのっとって、
「あなたが時間に遅れるという連絡をくれなかった(X)ので、私は大切に思われていない気がして悲しくなった(Y)。遅くなるなら一言、連絡がほしかった(Z)」
という言い方をされたとしたらどうでしょう。反論するよりも、申し訳なかったな、と思う気持ちのほうが大きくなるのではないでしょうか。
■5.『自動的に大金持ちになる方法』に学ぶ「『ラテ・マネー』を貯蓄する」
彼の紹介する手法は、「貯蓄を自動化する」「投資を自動化する」「住宅ローンの支払いを自動化する」など、すべてのお金の流れを自動化させることに特徴があり、これなら意志の弱い人でも勝手にお金が貯まっていくだろう、と思われるものばかりです。
その中でも、最もインスタントに始められる貯蓄術としてバックが勧めるのは、「ラテ・マネー」を貯蓄し、投資にまわすことです。
「ラテ・マネー」とは、特に必要ではないけど、つい習慣で使ってしまっているお金のことです。毎日、カフェラテを買う、コーヒーを買う、ジュースを買う、タバコを買う、新聞を買う……。その使い道は人によって違うでしょうが、誰にでもそうやって「買っても買わなくてもどちらでもいいもの」にムダ遣いしているお金があるはずだ、とバックは説きます。
【感想】
◆書影込みで引用したので、ボリューミーになってしまいましたがお許しを。冒頭でも申しあげましたが、本書は書影等のイメージほど「初心者向け」ではないことにまず驚きました。
そもそも収録されている「自己啓発の名著50冊」の中に、知らない本が多過ぎw
かれこれ10年以上このブログをやっている私ですから、それなりに自己啓発書も知っているツモリでいたのに、書名も著者名も知らない作品が数多くあったという。
もっともその多くが10年以上前のものだったので、私が書店の新刊棚でで見過ごしたわけではないのでしょうが、それにしても盲点と言いますか。
◆一方、知っている本や著者であっても、類書ではあまり紹介されていない部分に言及されていることも多々。
たとえば上記ポイントの2番目の『道は開ける』は知っていても、「悩みを解決するための魔術的公式」までは、目にした記憶がありません。
ただこの辺は、類書との絡みと言いますか、50冊もセレクトすれば、内容的にかぶるのは必至なので、その本独自の部分が優先されたのかもしれませんが。
自己啓発書に収録されている内容がかぶることに関しては、著者の高田さんは専門家ですしw
「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則
参考記事:【超自己啓発?】『「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』晋一(2014年01月10日)
◆また、上記ポイントでは割愛していますが、本書では各書籍ごとに、まず著者についての説明があり、それによってその本がどのようなバックボーンの著者によって書かれたかが分かる仕様。
私も知らない著者に関しては、この説明が非常に役に立ちました。
そしてそれに続くのが、上記ポイントで触れたような「エッセンス」の数々です。
各1冊につき1つだけなので、ネタてんこ盛りの本だと豪快に割愛しまくることになっているのですが、これはフォーマットの関係上しょうがないでしょう。
さらにそのエッセンスから、「『誰でもできる習慣』に落とし込んでいる」のが、本書の特徴です。
たとえば上記ポイントの2番目だと、「最悪でも『死ぬわけではない』と自分に言い聞かせよう」という「習慣」が、小見出しに続いて主張されていました。
◆ただし、ある程度含みのある抽象的なエッセンスから、「習慣」レベルまで具体化する際、多少「?」となるものもないわけではなくて。
たとえば、皆さんご存知のロバート・B・チャルディーニの『影響力の武器』では、有名な「返報性の法則」が紹介されているのですが、最終的な「習慣」としては、「エレベーターに乗ったら率先してボタンを押そう」となっていました。
影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか
【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
まぁこの辺も、「なんでそうすると良いのか」という部分まで本書で理解していれば、「習慣」レベルで続けても良いと思いますが、一応ご留意を。
◆なお、各書籍の最後には「この本から他に学ぶべき3つのポイント」ないしは、同じ著者の他の作品を1冊紹介する「この本もおすすめ」を掲載。
どちらになるかは、まちまちのようなのですが、こうしたフォーマット的手法は、かつての水野俊哉さん作品を彷彿とさせますw
成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (光文社ペーパーバックスBusiness)
参考記事:【成功本!】『成功本50冊「勝ち抜け」案内』水野俊哉(2008年02月05日)
いずれにせよ本書は、自己啓発書の初心者には行動への落とし込みがとっつきやすい点、中級者以上には選書がマニアックな点で、訴求できるのではないか、と。
成功本好きなら要チェックです!
自己啓発の名著から学ぶ 世界一カンタンな人生の変え方 (Sanctuary books)
第1章 もっと楽しく生きられる6つの習慣
第2章 悩みや迷いがなくなる7つの習慣
第3章 夢や願望を叶える6つの習慣
第4章 限りある時間を有効に使う6つの習慣
第5章 人間関係がうまくいく8つの習慣
第6章 お金持ちになる8つの習慣
第7章 幸せになる9つの習慣
【関連記事】
【超自己啓発?】『「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』晋一(2014年01月10日)【成功法則】『ビジネス本1000冊分の成功法則』大岩俊之(2015年09月28日)
格差社会を生き延びるための『自己啓発書を読んでベンツを買った話』(2015年08月15日)
【ビジネス書を斬る?】『読書で賢く生きる。』中川淳一郎,漆原直行,山本一郎(2015年04月10日)
【成功本?】『「成功法則」を本気で科学する』野口哲典(2014年10月11日)
【キャンペーン有】『「成功」のトリセツ』水野 俊哉(2012年09月25日)
【編集後記】
◆上記ポイントでご紹介した本のうち、最初の3冊は、既にKindle化されていたのでご紹介。オプティミストはなぜ成功するか
道は開ける 新装版
富と成功をもたらす7つの法則 (角川文庫)
特に最初の『オプティミストはなぜ成功するか』は、送料込みの中古の約半値なので、かなりお買い得かと。
ご声援ありがとうございました!
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