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2015年10月14日

あなたが『魔法の4秒』を選ぶべきたった1つの理由


魔法の4秒
魔法の4秒


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

著者のピーター・ブレグマンは、ブレグマン・パートナーズ社CEOとして、リーダーを対象にしたコンサルティングやコーチングを実施する傍ら、ファスト・カンパニー、フォーブスなどのサイトでブロガーとして活動している人物です。

アマゾンの内容紹介から。
反応のしかたを変えれば、現実が変わる! 『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌のウェブサイト上で連載していた 大人気ブログから生まれた一冊。 目の前の状況に対する反射的反応を変えるだけで現実が変えられると説く著者。 その反射的反応を変えるために必要なことはただひとつ。 ひと呼吸する4秒の時間。 たった4秒立ち止まるだけで、自分の間違いに気づき、方向を少し修正できる。 人生の問題の大半が、実はひと呼吸の間をとることで解決できるのかもしれないと思える一冊です。

また、何故かアマゾンのページには記載がないのですが、裏表紙にはダニエル・ピンクセス・ゴーディンの推薦文もアリ!

……ちなみにタイトルは書名があまりに短いので、久し振りに「ホッテントリメーカー」のお世話になりましたw





The four finger salute. / silverfox09


【ポイント】

■1.4秒あれば、自分にプラスとなる行動を選べる
 何か思いつくたび、ぼくは呼吸に注意を戻した。なぜなら、気が散るには4秒あれば十分だが、再げ集中するにも4秒あれば十分だからだ。
 4秒、つまりひと呼吸する時間さえあれば、非生産的な反射的行動に走ろうとする自分を引き戻すことができる。4秒あれば、意識的で戦略的な、自分の目標達成にプラスになる選択を下すことができる。(中略) 
 たとえば部下がミスをしたとき。事情を聞き、穏やかに理性的に話し合った方が、当の部下にとっても、部署全体の士気にとってもべターだとわかっているのに、どなりつけたい衝動に駆られることがある。こんなときは自制心が役に立つ。


■2.失敗をイメージすれば恐怖は消える
 面倒な話し合いを控えているときは、目を閉じて、話し合いが無残に失敗するところを想像してみよう。自分が失言してしまう光景を思い浮かべよう。
 相手に取りつくしまもない応対をされる光景を思い浮かべよう。何もかもが台無しになるさまを見守ろう。考えるだけでなく、実感しようとしてみよう。アドレナリンが体内を流れるのを体験しよう。動悸が打つのを感じよう。失望感をかみしめよう。
 オーケー。では目を開けてみよう。
 あなたはたったいま、最悪の部分を体験したのだ。話し合いはおそらく、いま想像したほど悲惨な成り行きにはならないだろう。仮になったとしても、どんな心境になるかはすでに体験済みだ。


■3.相手の意見をそのまま受け止める
 相手と相手の意見をそのまま受け止めよう。
 反論しようと思わないこと。興味があれば質問すればいい。これは相手が間違っていることを証明するためではない。相手への理解を深めるためだ。
 「聞く」ことは、議論とは正反対の効果を生む。議論すれば相手は心を閉ざす。聞いてもらえれば相手は気持がやわらぎ、心を開く。話を聞いてもらえていると感じると、相手はガードを下げ、寛大な気持になる。
 そして、あなたの意見にも関心を示してくれるようになる。そこですかさず、不可能を可能にしようと試みるのだ。つまり相手の意見を、あるいは自分の意見を変えようとしてみるのだ。「聞く」ことこそ、ものの見方を変える最善の戦略だ。議論にはそういう力はない。


■4.ポジティブ思考に変えさせるミニステップ・プロセス
ステップ1 相手の気持ちを理解し受け止めよう
 これはなかなか難しい。相手のネガティブな感情をわざわざ強化してやっているような気がするからだ。だがそうではない。相手に同意するわけではないし、相手のネガティブ思考を正当化するわけでもない。単に、きみの気持はわかるよと言ってやるだけだ。
ステップ2 相手の言い分から同意できる部分を見つけて同意しよう
 相手の言い分全部に同意する必要はないが、可能なら相手の気持の一部に同意してやろう。
ステップ3 相手の言い分からポジティブ思考を見つけ、強化しよう
 相手を説得してポジティブ思考に転向させろということではない。相手がなんでもいいからボジティブ思考を発揮したら、そこに注目しろということだ。きっと何かしらポジティブ思考が見つかるはずだ。


■5.メールをチェックするときはそれだけに集中する
 メールにいちばんぴったりくるルールは「オンとオフ」だ。
 メールチェックするときはメールだけに集中しよう。
 ほかのことは一切しないこと。そしてメール時間以外のときは一切メールは開かないこと。メールチェックしたいという衝動に駆られたら――しょっちゅう駆られるが――深呼吸して、浮かんできた感情を味わおう。
 それから、何であれ、いましていることに集中しよう。たとえそれが「ただ待つ」ことでもだ。そして思考をリラックスさせよう。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、本書の書名はやたらと短いのですが、サブタイトル的なものが書影から読み取れます。

曰く「反応のしかたを変えれば、現実が変わる!」、と。

そしてそのために必要なのが、タイトルでもある「4秒」であり、具体的には上記ポイントの1番目にある通りです。

さらには、ポイントの3番目にあるように「反論」しようとせずに、相手とその意見を「そのまま受け止める」こと。

ちなみに本書では、「どうしても我慢できなくなったら散歩に出かけよ」とあるのですが、この本でも同じことを言われていましたっけ。

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なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」

参考記事:【メンタル】『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」』久世浩司(2014年11月03日)


◆また本書では、「相手に対する反応」ではなく「自分自身の反応」についても言及しています。

たとえば上記ポイントの2番目は、あらかじめ「失敗」をイメージすることで、実際に直面した場合の「自分の反応」を改善することが可能に。

ただむしろ、このTIPSは「失敗を恐れて踏み出せない場合」に、より効果があるのですが。

もう1つ割愛したお話として、「現実に合わせて期待を変える」というTIPSもありました。

これは人のストレスの原因の1つが「期待を裏切られた」ことにある以上、その期待自体を変えてしまう、というものです。

たとえば、ストレスの原因に1から10までのランクがあると考えた場合、10は考えうる限り最悪の事態、9で死に至る重病、8で人生が変わるほどの大怪我、といった現象になるでしょう。

となると、私たちの「期待裏切られ度」の数字は、まず1〜2の範囲のどこかにあるはず。

つまり、日常生活において何かキレそうになったとしても、それは実際には「大したことない」ワケです。


◆一方本書は、こうした「反応」の話だけでなく、「仕事の生産性」のお話も多いです。

そもそも原書のタイトルは『Four Seconds: All the Time You Need to Stop Counter-Productive Habits and Get the Results You Want』というもの。

たとえば上記ポイントの5番目では、メールの対処法について言及していますが、「メールの時間を定めて、その時間以外メールを開かない」というのは類書でも良く目にします。

ただし本書で特徴的なのは、逆に「メールの時間は、メール以外の事をやらない」という点であり、特にこの部分にフォーカスしている作品というのは、あまりなかったかと。

結局人は、本質的な意味での「マルチタスク」は不可能ですから、「メールをやるときはメールだけに集中する」方が、生産性も高くなるはずです。


◆また本書では、「あまり類書で見かけない」TIPSも収録。

たとえば「目標設定をやめる」という小見出しが第1章の最初の方にあって、これはかなり大胆な主張だと思います。

確かに「イェール大学の目標達成研究(目標を書き留めていた卒業生が業績をあげていた)」は都市伝説だった、という指摘はこの本でもありましたが、だからといって、目標を設定するな、とまで言い切る本はなかった気が。

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その科学が成功を決める

参考記事:「その科学が成功を決める」がもっと評価されるべき5つの理由(2010年03月23日)

一応、目標設定する代わりに、ある別のものを設定するのですが、詳細については本書にてご確認を。


自分も周りも満足できる生活をおくるために!

魔法の4秒
魔法の4秒
第1章 心の持ちかた

第2章 人間関係

第3章 仕事術


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【成功法則?】『世界の大富豪2000人がこっそり教える「人に好かれる」極意』トニー野中(2014年04月06日)


【編集後記】

◆昨夜、サッカーの日本代表戦があったから、というわけではないのでしょうが、本日の「Kindle日替わりセール」はこちら。

B00UH9MTGW
オシムの言葉 (集英社文庫)

私は単行本で買っておりますが、このお値段なら買わざるを得ませぬーw

参考記事:「オシムの言葉」とオシム語録の抜粋(2006年06月26日)


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