2015年10月10日
【お金の真実】『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』新井直之
執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。著者の新井直之さんは、「総資産50億円以上のVIPたちにお仕えしてきた一流執事」であり、 日本バトラー&コンシェルジュ株式会社の代表取締役社長でもあります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
著者は日本で唯一、執事サービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ代表・新井直之氏。そんな著者が大富豪を間近に見てきて発見したことは、「松竹梅で迷ったら、梅を買う」、「宝くじは買わない」、「投資の勝率は1割」、「持ち家はない」、「不景気になると喜ぶ」といった驚きの考え方でした。
しかし、大富豪といえど、もとは私たちと同じごく普通の方でした。むしろ、「遅刻ばかりしてクビになった」「遊び呆けすぎて、東大卒なのに就職先がなかった」といった問題児が多かったようです。そんな大富豪の、失敗から学んだチャンスの捉え方、富を呼ぶコツ、そして今持っているお金をどんどん増やす方法などを伝授します。
お買い得なKindle版もお忘れなく!
Congress: Just Like You, Only Much Richer / Mike Licht, NotionsCapital.com
【ポイント】
■1.火をつけて燃えないものに投資する大富豪から選ばれるのは、「普遍的な価値がある」と認められたものだけです。
その代表格が土地です。不動産投資がお好きな大富豪は、「この物件を燃やしてみたら価値は残るかな? 建物は燃えるけど、土地は残るな」と確認していました。社会の変動を受けても、それに耐え得るかを見極めているのです。
土地のほかには、金やプラチナも普遍的な価値があると認めます。たとえ今住んでいる国の財政が破たんしても、金やプラチナの価格が暴落することはないはずです。
■2.投資で迷ったら、3ヵ月間保留する
初めて買う分野の投資商品や金額が大きい投資、あるいは予測が立てにくい投資では、必ず一度、決断を保留します。ユニークなのは、その保留期間が、いつも3ヵ月だということです。
ある大富豪は、先物取引の話を持ちかけられたとき、とりあえず3ヵ月間、決断を先送りされました。
「保留している間、頭のなかに『先物取引』というキーワードが残る。それからは、新聞や本を読んでも、人と話をしても先物取引の情報を気に留めるようになるんだよ」
大富豪の学習能力はすごいもので、3ヵ月もすると投資商品の特徴やリスクは、専門的な領域まで理解できるようになります。その間に、投資対象としての価値を見抜く能力が身についているのです。
■3.人付き合いは、好き嫌いで決める
誰と付き合うかを好き嫌いで決めるなど、少し子どもっぽいと感じるかもしれませんが、そこには大富豪の深い考えがあるようです。
投資話を断った先ほどの方はこう教えてくれました。
「長くやっていればうまくいかないことがある。そのとき、仕事のパートナーを『許せる』かどうかは大事だ。損得で付き合っている相手なら、損をしたとき本当に嫌いになってしまうだろう」
大富豪は、損得よりも好き嫌いで付き合う相手を決めたほうが、結局は人間関係が長続きするとわかっているのです。
■4.大きな権威よりも、小さな信頼を重視する
ふつう、大手銀行を利用するのは、大金を預けるには大きな銀行のほうが信用できるという固定概念があるからではないでしょうか。
しかし、大富豪が銀行を選ぶときの基準は、会社の規模ではなく、自分をどれだけ大切に扱ってくれるかです。
5000億円の資産を持っていたとしても、大手銀行であれば一部上場企業以上には見てもらえませんが、信用金庫などに5000億円も持っていけば、企業も含めて一番の上顧客として大切にしてもらえます。
■5.「あるとき払いの催促なし」でお金を貸す
例えば、「新しい事業を立ち上げたいのですが、今手元に資金がありません。1000万円なんとか貸してくれませんか」という話がきたとします。
すると大富豪は、事業の内容など、詳しいことは何も聞かずに1000万円を用意して、「じゃあこれを元手にやりなさい。あるとき払いの催促なしだ」とお渡しになるのです。
厳密にいえば「無期限の貸し付け」ということになるのでしょうが、借用書などは取らないので、返してもらえない可能性もあります。
なぜ、そんな無茶なことをなさるのかと思い、一度、大富豪に理由をうかがってみたことがあります。その答えは意外なものでした。
「貸したお金だと、返せそうになくなったとき、その人は逃げたくなるだろう。でも、『あるとき払いの催促なし』なら、逃げない。だからいつかは取り戻せる」
言われてみれば、確かにその通りです。
【感想】
◆冒頭の内容紹介では割愛したのですが、アマゾンのページの方には、「見出し例」が10個ほど掲載されています。それがことごとく「執事口調」なので、「本文もこの調子だったら読みずらいな」と思っていたものの、幸いにも上記ポイントの通り、そうではなく。
その「見出し例」からは、上記ポイントの1番目と5番目をご紹介しました。
「見出し例」でもポイントでも初っ端の「燃えるか燃えないか」のお話は、タイトルだけ見て「ぶっそうだな」と思っていたら、本当に物理的な意味でも「可燃か否か」を見ていたというw
そういう意味では、最近流行の「湾岸マンション」とかには、手を出していないんですかね?
なお、逆に「形がないものも燃えない」ということで、特許のような権利にも投資するとのこと。
いずれにせよ、戦争や天災に見舞われても、その投資商品がなくならないか、は大事なポイントのようです
◆同じく買わないものとしては、「見出し例」にもあるように、宝くじも挙げられていました。
これはまぁ、還元率を考えたら、別に大富豪でなくとも普通に買わないでしょうから、上記ポイントでも割愛した次第です。
ただ逆に、「それでも大富豪は買うんです!」とかだったら面白いな、と思ったのですが、さすがにそんなオチもありませんでしたw
とはいえ、ただ買わないだけではなく、たいていの大富豪は「宝くじを買うくらいなら、一か八かの事業に投資するか、"ボロ株"を買う」と言うのだそう。
どちらも儲かる確率は低いものの、確かに「当たれば数倍から数十倍に高騰する」可能性はあります。
そう考えたら、株を買うことに二の足を踏んでいる人も「宝くじを買う」と思ってやれば、意外とハードルが低くなるのでは、とふと思いました。
◆ところで、その宝くじを否定したことでも、大富豪も「運を否定してるんだな」と見られかねませんが、実はそうではなく。
事業でも"ボロ株"でも自分で情報を集めて、少しでも可能性のあるものを選んでいるのだそう。
つまり、「100%運次第」は嫌いなのであって、「やるべきことをやった上で、後は運にまかせる」のが大富豪の特徴です。
そういえば、本書の序章の「世界の大富豪が富を築くまで」ででも言われていたのですが、多くの大富豪は、自分が成功した理由に「運」を挙げるのだとか。
ただし、その後異口同音にこう言うとのこと。
「運やチャンスは誰にでもめぐってくる。多くの人はそのめぐってきた運を見逃してしまうか、その運を摑み取る準備が日頃からできていない。どんな選択にもリスクはつきものだから、覚悟や決心も必要だ。もし大富豪になるための秘訣があるとすれば、運を見逃さない眼力、日頃の努力、そして覚悟かもしれない」やはり、宝くじ売り場に並んでいるようでは、大富豪にはなれないわけですね。
◆なお意外だったのが、「最大の投資は節約である」というお話。
私たち庶民と違って、せせこましく経費節減などしないのかと思ったら、「資産を1割増やすのは難しいが、支出を1割減らすのは簡単」という大富豪が少なくないのだそう。
特に目を光らせているのが「月々のランニングコスト」です。
大富豪のように「月額会費制のスポーツクラブを嫌って、別邸の1室をリフォームしてスポーツクラブのようなフロアを作る」ことはできなくとも、私たちもスマホの契約内容を良くチェックして、使わないサービスは解約するべきでしょう。
いずれにせよ本書は、このような大富豪たちの「意外な一面」や「納得の一面」を垣間見ることで、成功へのきっかけになるのではないか、と思いました。
お金持ちになりたい方なら、要チェックです!
執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学
序章 世界の大富豪が富を築くまで
第1章 世界の大富豪の富を築く資産の増やし方
第2章 世界の大富豪の富を築くお金の使い方
第3章 世界の大富豪の富を築く人との付き合い方
第4章 世界の大富豪の富を築くお金の哲学
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【編集後記】
◆本書の著者である新井さんの前作。執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣
何故かKindle版が「66%OFF」と激安なので、中古本よりこちらをオススメ!
ご声援ありがとうございました!
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