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2015年09月16日

【キャッチコピー】『1行バカ売れ』川上徹也


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1行バカ売れ (角川新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと前の「未読本・気になる本」の記事にてご紹介したままだった1冊。

丁度今月になってから、土井英司さんのメルマガで紹介されたのを見て、忘れていたのに気が付いたというw

アマゾンの内容紹介から。
大ヒットや大行列は、たった1行の言葉から生まれることがある。様々なヒット事例を分析しながら、人とお金が集まるキャッチコピーの法則や型を紹介。「結果につながる」言葉の書き方をコピーライターの著者が伝授する。

なお、上記アマゾンの書影は真っ白(?)ですが、実際の新書にはKindle版の書影のように、ステーキがドーンと載っておりますw





Bradley's Spanish Bar, Fitzrovia, W1 / Ewan-M


【ポイント】

■1.言葉を強くする2つの方法
(1)常套句をさける
(2)言葉の組み合わせを考える
 (1)の常套句とはそのジャンルでよく使われる手垢のついた言葉です。
 飲食店の紹介でいうと以下のような言葉です。
「こだわり」「厳選した」「極上の」「まごころをこめた」「くつろぎの」(中略)
(2)「言葉の組み合わせ」が普通とは違うと、化学反応が起きて、言葉が強くなり印象的になることがあります。
前述の「落ちないリンゴ」「近大マグロ」などは、普通の言葉の組み合わせでないところから化学反応が起きてインパクトが生まれているのがわかるでしょう。


■2.ニュースになる鉄板3カ条
(1)年月日時曜日などの要素を入れる
 具体的な年月日時曜日などの要素が入っているとニュースになりやすくなります。
(2)「ついに」「とうとう」「いよいよ」「待ちに待った」などの言葉を入れる
 このような言葉が入ることで、多くの人が待ち望んでいたイメージになるのでニュースと感じやすくなります。
(3)「発表」「公開」「宣言」などの言葉から始める
 このような言葉から始まると、ニュースと感じやすくなります。


■3.売りにつながる10の欲望(抜粋)
●「健康・長生きしたい」
●「食べたい飲みたい」
●「安全安心安泰でいたい」
●「美しくありたい(カッコよくありたい)」
●「愛されたい愛したい」
●「お金持ちになり豊かな暮らしがしたい」

(詳細は本書を)


■4.「弱み」「実感」を見せてべストセラー
 商品のデメリットを訴求しなくても、売り手が自分の「弱み」「実感」を見せると、人はついつい共感してしまいます。
 たとえば、東京神田のとあるバル(西洋風居酒屋)は、ぱっと見は非常に高級そうな店構えで、常連以外はなかなか来てくれないという悩みがありました。そこで、店頭に「入りづらい? 大丈夫だよ、たいした店じゃないから」というキャッチコピーを書いた垂れ幕を置いてみました。するとそれを見てフリーのお客さんがどんどん来てくれるようになったといいます。


■5.1行バカ売れのための10H
(1)ターゲットを限定する
(2)問いかける
(3)圧縮して言い切る
(4)対比&本歌取り
(5)誇張をエンタメ化
(6)重要な情報を隠す
(7)数字やランキングを使う
(8)比喩でひきつける
(9)常識の逆を言う
(10)本気でお願いする

(詳細は本書を)


【感想】

◆上記ポイントだと事例がないので分かりにくいのですが、本書に登場する具体例のいくつかは、類書等でも目にしたことのあるものでした。

ただし著者の川上さん曰く、「本書は、今まで数多く書かれてきた『売るためのコピーライティング』の本を整理分析しなおして、古今の国内外におけるさまざまな事例とからめつつ、新しくわかりやすく手軽に読めるように、オリジナルの言葉や分類で法則化したもの」とのこと。

そして同じテーマの本がたくさんあるにもかかわらず、本書を出されたのは、「もっとわかりやすく楽しく気軽に読める本が必要だと思ったから」なのだとか。

そういう意味では、私のように「コピーの本を読むだけの人」ではなくて、実際に売り場や担当部署で、「売れる1行」を書こうとしている方の方が、本書は響くと思います。


◆もっとも「コピー」というテーマでは、川上さんには以前ご紹介したこの著作がありまして(すいません、Kindle版が「53%OFF」とお買い得なので、下記リンクはKindle版にしています)。

B00JGR3T6U
ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック キャッチコピー力の基本

参考記事:【77のテクニック】「キャッチコピー力の基本」川上徹也(2010年07月26日)

とはいえ、作りは結構違っていました。

まず、『キャッチコピー力の基本』の方は、TIPSの「解説」はあるものの、実際の「事例」は少なめ。

それに対して、本書の方の「事例」が多いのは、新書で幅広い層に訴求するためからかもしれません。


◆なお、その事例のいくつかは、アマゾンにも掲載されていますので、興味のある方はご確認を。

具体的にどの商品や人であるかは書かれていないものの、このうちのいくつかは、既にご存知のケースであることかと。

個人的に「なるほど」と思ったのが、ニューヨークで博多料理店を出されている方のお話でした。

博多名物の明太子をそのまま訳して「タラのたまご(cod roe)」とメニューに載せていたところ、注文もしていないお客さんから「タラの卵なんて気持ち悪いメニューを載せるな」と苦情が入った(それも3件)入ったのだそう。

そこで名前を「博多スパイシーキャビア(HAKATA Spicy caviar)」に変えたら、今度は逆に大人気になったという。

……なるほど、まさに「1行バカ売れ」ですねw


◆本書は上記『キャッチコピー力の基本』に比較して、体系的に書かれているかというと微妙なのですが、こうした事例の面白さでグイグイ引っ張っていく感じです。

逆に、こうした事例がメインである「非ビジネス書(?)」的な作りが苦手な方は、『キャッチコピー力の基本』の方がしっくりくるかもしれません。

一方、本書のようなタイプがお好みの方は、川上さんの前作にあたるこの本もオススメかも。

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物を売るバカ売れない時代の新しい商品の売り方 (ワンテーマ21)

こちらは、累計10万部突破したヒット作です。


読みやすくてためになる1冊!

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1行バカ売れ (角川新書)
序章 バカ売れ1行のための大前提―「自分に関係ある」と思ってもらう
第1章 なぜ人は新しい情報が好きなのか?―ニュースを知らせる
第2章 あの掃除機が売っているモノ―得することを提示する
第3章 いくつになってもモテたいのは、なぜ?―欲望を刺激する
第4章 悩みやコンプレックスの経済効果―恐怖と不安でやさしく脅す
第5章 なぜデメリットを言われると買いたくなるのか?―信用を売りにつなげる
第6章 思わず反応してしまうキャッチコピー10の型


【関連記事】

【77のテクニック】「キャッチコピー力の基本」川上徹也(2010年07月26日)

【データ主義?】『ステーキを売るなシズルを売れ --ホイラーの公式』エルマー・ホイラー(2012年08月05日)

「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)

【スゴ本】「影響力の武器 実践編」がやっぱりスゴかった件(2009年06月10日)

【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)(2008年10月20日)


【編集後記】

◆これまた面白そうな本を発見w

4093460884
大前語録

確かに、大前先生は名言多いですし、語録が出来ても当然かと。


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