2015年08月22日
【働き方】『どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力』伊藤嘉明
どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した仕事術本。著者の伊藤嘉明さんは、現在はハイアール アジア株式会社の社長兼CEOですが、かつてはタイトルにもあるように「さまざまな業界」にヘッドハンティングされ、かつ、それぞれの企業で実績を上げられてきたという実績の持ち主です。
アマゾンの内容紹介から。
日本コカ・コーラで最年少部長に! デルで8期連続赤字の部門を再生! マイケル・ジャクソン『THI IS IT』の大ヒットを仕掛け、今、日本の家電業界に革命を起こしつつある新世代ビジネスリーダーの仕事の流儀。
なお、お買い得なKindle版も出ていますので、お見逃しなく!
Haier sign in Japan / Soctech
【ポイント】
■1.よそ者の役割は、今までなされなかったことをすること私が言いたいのは、「知識や経験は、その道何十年のプロがいるなら、彼らに任せておけばいい」ということだ。これは、役割分担の話である。
ターンアラウンドや組織を変えて成長させることを目指すならば、知識や経験で業界のべテランに張り合うことはない。
「よそ者」「新参者」の役目は、今までその業界の人が誰もしなかった、自分だからこその発想や戦い方を、彼らを巻きこんで実行に移すことだ。
■2.小さな話は置いといて、大きな流れを基点にして考える
かつては「モノを売って、その対価を貰う」ビジネスが強かったが、今は「サービスの契約をして、課金する」ビジネスの方が強い。これは、世界的に見て取れる大きな流れだ。
だったら冷蔵庫でも、本体は無料や格安で提供し、サービスで課金できるビジネスをすべきなのではないか。
たとえば冷蔵庫の扉をディスプレイにして、レシピや近所の食品セールの情報を配信することで課金できないだろうか。あるいは、冷蔵庫を企業に貸し出してオフィスに置いて貰い、富山の置き薬のように、"置きアイス"を買ってもらうことで集金してはどうだろう。
■3.1つの仕事は3年で区切り、新しい武器を増やす
私は、同じ仕事をするのはせいぜい5年、いいとこ3年だと思っている。理想を言えば、3年毎に違うことをやる、つまり3年ごとに未知の世界へ飛び込むべきだ。
なにも「転職をしろ」ということではない。同じ会社の中でも構わない。同じ会社のなかで、まったく違う別の仕事に異動願いを出すだけでもいい。海外に行ける会社なら海外に出る。経理なら、いままで国内経理をやっていたら、今度は海外経理をやるとか、労務管理の方まで見るとか、そうして自ら、新しい武器の数を増やしていくのだ。
同じ会社で同じ職種を5年、10年とやっている人は危機感を持った方がいい。いつまでも会社は面倒を見てくれないし、その会社や業界や仕事がいつまであるかもわからない。
■4.強い組織を作るには、2回連続で勝つ
強い組織を作るためには「まず1勝」することがもちろん大事だが、それよりも大事なのは、「次に負けない」こと。1勝1敗とか、1勝2敗したあとの2勝目は意味がない。一度でも負けた時点でまたリセットになるからだ。自分たちはできるという自信を持ち、勢いをつけるには、必ず2連勝しないといけない。(中略)
強い組織を作るには、2回連続で勝つ。そのための戦略を考え、実行することが、リーダーの役目だ。
「負け犬」だった公共営業本部は結局、その後6期連続で目標を達成した。これは日本どころか、アジア環太平洋地域でも大記録だった。
■5.不言実行より有言実行
ビジネスでは「黙って結果を出す」ことはNGである。できるなら事前に言わないと駄目だ。組織はそれに期待して計画を立てるのだから。(中略)
不言実行と有言実行とでは、不言の方がプレッシャーはない。有言の方は「これだけやります」と言った瞬間に責任が伴い、あとにひけなくなる。不言実行は責任が伴わない。だから卑怯なのだ。不言実行する本人も、達成する前に「これはできそうだ」とある程度わかっているはずなのに。
だから私は「これだけやります」と言う人間を評価する。言ったけれど、思うようにいかず、結果、転んでもいい。
2度も3度も「有言不実行」では困るが、1回目の失敗なら、何も言わないで成功した者よりも、その姿勢を買う。
【感想】
◆冒頭でも触れたように、伊藤さんは転職するたびに、未知の業界に飛び込み、そこで結果を出されてきました。分かりやすいところでは、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』。
マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
この作品の売れ行き、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)のベテラン幹部たちの予想では、「30万枚、頑張ってマックス35万枚」というものでした。
しかし、伊藤さんは「100万枚いくと思います」と断言。
アディダス・ジャパンから数ヵ月前に来た伊藤さんにこう言われ、当時の副社長は、大手のレンタルショップの数字や中小のレコード店の注文予想から、30万枚でもキツいことを説きますが、伊藤さんは納得しません。
諦めた副社長は「無理です」と言い残して、会議室を退室。
それどころか伊藤さんが「わかりました。じゃあ目標を200万枚にします」と言ったとたんに、会議室からさらに3人出て行ったのだそう。
◆ここからが伊藤さんのターンで、具体的に「200万枚を売る」方法を考えていきます。
……のですが、ここはひょっとしたら本書のキモかもしれないので、一応ネタバレ自重(スイマセン)。
ただ、ヒントを記しておくと、伊藤さんは「よそ者」らしく、「これまで使っていなかったチャネルを使い、新しい客層にアプローチする」方法を取りました。
これはある意味、マイケル・ジャクソンの作品だから使えた方法ではあるものの、幹部連中は誰も思いつかなかったワケで、なるほど妙手だな、と。
また、売上枚数とは直接関連づけていませんでしたが、伊藤さんは「大事にすべき顧客を全力で守る」というお話の中で、この『THIS IS IT』のレンタルを「DVDの発売後1年間はしない」ことを決定しています(非難轟々だったらしいですがw)。
そして最終的に、この『THIS IS IT』は、230万枚の売上げを記録したのだとか。
◆伊藤さんはこの調子で、デルでもコカコーラでも、「よそ者」らしいアプローチで、結果を出していきます。
上記ポイントの4番目の「6期連続目標達成」はデル時代のこと。
また、コカコーラでは、「環境経営ランキング」が100位以下だったところを、最終的には23位まで押し上げており、それがきっかけで最年少部長の抜擢にもつながりました。
一方、現在のハイアールでは、たとえばこの商品は、伊藤さんのアイデアらしく。
また、上記ポイントの2番目にあった「ディスプレー付き冷蔵庫」も、2015年秋に発売なのだそう。
R2-D2冷蔵庫から透明洗濯機、Android冷蔵庫までハイアールが変態家電をマジメに開発中 - 週刊アスキー
……というか、「R2-D2冷蔵庫」とか、「何やってるんすかww」状態なんですがw
◆なお、伊藤さんご自身は「異端の経営者」と呼ばれることもあるそうなのですが、それはご自身が望んだもののよう。
そして、私たちにも「出る杭」になることを薦めてらっしゃいます。
要は「自分が無い人、自分の考えや意見で人と差別化できない人は、これからは無価値と見なされる」ということ。
もちろん、結果を出せなければ、「単なる『変わり者』」で終わってしまいますから、そのためのスキルや知識を身につける必要はあります。
……引き続きスキルアップに精進しなくては。
グローバル時代の働き方がここに!
どんな業界でも記録的な成果を出す人の仕事力
CHAPTER1 どんな業界でも記録的な成果を出す人は何をしているのか?
CHAPTER2 どんな業界に行っても通用する人になるキャリア戦略
CHAPTER3 どんな業界、どんな時代でも戦って勝つための武器
CHAPTER4 どんな業界でも通用するリーダーシップ&組織論
CHAPTER5 グローバル時代を生き抜くために必要な姿勢
【関連記事】
【仕事術】『GEの口ぐせ』安渕聖司(2015年08月19日)【働き方】『2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -』小杉俊哉(2015年05月27日)
【仕事術】『世界で活躍する人は、どんな戦略思考をしているのか?』塩野 誠(2015年03月28日)
【仕事術】『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力』作佐部孝哉(2014年11月28日)
【仕事術】『外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』川井隆史(2014年09月13日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。思考は現実化する_アクション・マニュアルつき
今まで出た数多くの自己啓発書の元ネタとも言える1冊が、かなりのお値打ち価格になっております。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
10月10日まで
9月26日までのところ一部値引に移行して延長中
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです