2015年08月07日
ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『自分を変える1つの習慣』の真実
自分を変える1つの習慣
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の中でも人気だった1冊。ここ1年程、当ブログでは実験等をエビデンスにした「科学的自己啓発書」を取り上げることが多かったのですが、本書は「王道」というか、久々の「ガチな自己啓発書」でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
うまくいく方法は1つしかない。
人生・仕事・お金・目標・人間関係、「わずかな違い」が自分を変える!
年商数百万ドルのサウスウェスタン・コンサルティング社の共同設立者が教える、すべての成功者が行っているたった「1つの習慣」。
タイトルも久しぶりに「ホッテントリメーカー」を使ってみましたw
Escalator / Stew Dean
【ポイント】
■1.人生を楽にするために「犠牲」を払う私たちは、「楽な道」を選べば人生が「楽」になると考えます。しかし、人生を楽にするためには、「いまこの場所で、困難から逃げずにすべきことをする」という「犠牲」が必要なのです。
これは、私たちの考え方を根本からひっくり返す、極めて大切な考えです。そして成功者はこの「犠牲」について、他の人が気づいていない法則を知っています。それは、
「目の前にある、しなければならないことを終わらせるのは、思っているよりも短い時間ですむ」
ということです。
これが、私たちが日々直面するさまざまな判断に当てはまる、「苦しみのパラドックス(矛盾)」です。すなわち、「目先の楽な選択は、長い目で見た困難を招き、目の前の困難に取り組むことが、長期的には楽な人生につながる」というものです。
■2.固い決意でターニングポイントを乗り越える
私たちは、人生のなかで、このような運命の分かれ道に何度も遭遇します。
誰もが、精神的にきついこのポイントを速く通り過ぎ、楽になりたいと考えています。
しかし実際には、決意をして「分水嶺」を乗り越えようとする人がいる一方で、諦めて引き返そうとする人がいます。そしてその「違い」が、私たちの人生に大きな違いをもたらしているのです。重要なのは、
行動することを決定するために必要な「精神的エネルギー」の方が、実行に必要な「身体的エネルギー」よりも大きい場合がほとんどだということです。
つまり、「ジムでエクササイズすること」よりも、「ジムに行くと決意して、自宅の快適なソファーから立ち上がること」の方が難しく、重要なのです。
■3.誰も見ていないところでも「正しい行い」をする
成功に至る道は、正しい行為で舗装されています。
あなたの人生は、コンピュータのオペレーティング・システムのようなものです。正しく操作すれば、効率的、効果的にソフトウェアを実行してくれます。でも、無理な操作をすれば、正常には動作してくれません。
人生で成功できるかどうかは、誰も見ていないところで「正しい行ない」ができるかどうか
で試されています。誰からも称賛されず、誰からも見られていない状況で、あなたは正しい行ないができるでしょうか? 成功者には、それができます。成功者は誰も見ていないところでも正しい行ないをします。なぜなら、それが「正しいことだから」です。
それが、誠実さです。
■4.適切なタイミングで努力する
釣り人はたいてい、「早朝」か「夕暮れ時」を狙って、海に出かけます。
なぜなら、その時間帯だと「魚がよく釣れるから」です。
午前11時に海に行き、頑張って何本も釣り糸を垂れ、何時間も粘ったとしても、早朝や夕方と同じような成果は得られません。
「十分な時間頑張ったか?」ではなく、「適切なタイミングで頑張ったか?」
を考えるべきなのです。
釣りをする人なら、釣りのときにはすでに「この法則」を実践しているはずです。しかし、この法則は、仕事や家庭生活にも当てはまるのです。
「今日、どのくらいのことができるだろうか?」ではなく、「今日、自分に与えられた時間のなかで、何をするのがもっとも効果的だろうか?」を考えましょう。
この「小さな発想の切り替え」が、とてつもなく大きな結果を生みだすのです。
■5.信念は言葉ではなく行動に表れる
私たちの信念は、言葉に表れるのではなく行動に表れる。それが、「行動の法則」です。
私たちは、「振り子の法則」が何かを理解はしていても、それを「心から信じてはいない」のです。
この本の内容についても同じことがいえます。
読んだ内容を頭では理解したつもりでいても、「行動」に移さないのであれば、それを信じていることにはなりません。
あなたが実際に考え方と「行動を変えた」とき、初めて本の内容を信じていることがわかるのです。
私がお世話になった牧師のリック・ラソーはいつも、「人が何を信じているかを知りたければ、その人のスケジュール帳と小切手帳を見ればいい。なぜなら、人の信念は、その人が何に時間とお金を使ったかに表れるからだ」と言っていました。
【感想】
◆本書のタイトルにある「1つの習慣」について触れてしまうと、ネタバレになるかな、と思ったものの、アマゾンの内容紹介の詳細部分にしっかり書いてありました。そう、「1つの習慣」とは=「セルフ・コントロール(習慣の力)」です。それを受けて、本書の「はじめに」では、「【1つの習慣】の7つの法則」なるものが列挙されています。
これについては、逆に、上記ポイントでご紹介しようと思ったら、下記の通り、目次で列挙されていたという。
要は本書は、この「7つの法則」それぞれについて、各章を割り当てて、解説されているわけです。
◆そして、同じく「はじめに」の冒頭で紹介されているのが、本書を通じて何度も登場する「2つの生き方」でした。
たとえば「エスカレーター」と「階段」が併設されている場所に来た時、あなたはどちらを使うでしょうか?
ここで言う「エスカレーター」とは、「努力せずに目的地に上がれるラクな生き方」の比喩であり、「階段」とは「わずかながらでも健康につながる生き方」の比喩のこと。
成功者は、もちろん「階段を使う生き方」をしており、つまり、成功とは「小さな習慣の積み重ね」によってもたらされる、というのが著者の主張です。
もちろんこれは、「階段を使う」という話だけでなく、何か選択肢があった場合に、「目先で楽して、将来的に損となる方を選ばない」ということなのですが。
◆それを踏まえて上記ポイントを眺めてみると、いずれもこの主張に沿ったものであることが分かります。
特に上記ポイントの2番目にある「行動することを決定するために必要な『精神的エネルギー』の方が、実行に必要な『身体的エネルギー』よりも大きい場合がほとんど」という指摘は、なるほど確かに。
何かのイベント等でも、行く前は「どうにも気が乗らない」ものが、いざ行ってみたら「来て良かった」ということが、私の人生でも多々ありました。
加えて本書曰く、成功者は「すべきかどうか?」というマインドセットを、「いかに成し遂げるか?」に切り替えている、とのこと。
つまり、そもそもが「ジムに行くべきか否か」という次元では悩んでいないワケですね。
◆もう1つ、上記ポイントの4番目の「時間」の話に関連して、本書では「『忙しい』『時間がない』と言うのは、自分を甘やかすことです」とバッサリ。
要は「『忙しくて他のことをする余裕がない』と口にした瞬間、他の重要なイベントを創造的にスケジュールに組み込もうとする意欲を捨て去っている」のだそうです。
……なんと耳イタイお言葉。
何でも、この本によると、「成功し、富を築いた人々は、『どちらか1つ』ではなく、『どちらも』という発想をしている」のだとか。
ミリオネア・マインド 大金持ちになれる人―お金を引き寄せる「富裕の法則」
私も、このブログのために、睡眠時間や子供と一緒にいる時間を削らざるをえない、と思いこんでいるのですが、まだ工夫すべき余地があるのかもしれません。
◆冒頭でも触れたように、本書は当ブログでブーム(?)の「科学的自己啓発書」ではなく、ガチな「王道的自己啓発書」です。
ビジョンボードを推奨しているのは、個人的には「ちょっと……」と思うのですが、そう思ってるからこそ、私は成功していないのかもしれませんし(?)。
ちなみに、本書の原書は、本国ではかなりの高評価の模様。
Take the Stairs: 7 Steps to Achieving True Success
日頃、スキルアップ系の書籍ばかり読まれている方も、夏休みくらいは、こういう「ザ・自己啓発書」的な作品を読んでみても、良いのではないでしょうか?
……何故か大文字と太文字を多用していて(原書でも?)、「煽り系のビジネス書」のようでしたが。
人生において成功するために!
自分を変える1つの習慣
はじめに
第1章 「小さな選択」の積み重ねこそが成功を呼ぶ
【犠牲】――「パラドックスの法則」
第2章 いまいる場所で全力を出し続ける
【決意】――「先行投資の法則」
第3章 「思考の集中」をコントロールする
【集中】――「拡大の法則」
第4章 思考を現実化する言葉の使い方
【言葉】――「創造の法則」
第5章 適切なタイミングに2倍の努力をする
【計画】――「収穫の法則」
第6章 長い目で見れば失敗はプラスに変わる
【信念】――「長期的視点の法則」
第7章 「何をなすべきか」は知っている。行動に移さないだけ
【行動】――「振り子の法則」
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【自己啓発】『失敗しないとわかっていたら、どんなことをしてみたい?』ジョン・C・マクスウェル(2014年03月06日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。自分からどんどん勉強する子になる方法
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ご声援ありがとうございました!
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