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2015年08月01日

【仕事術】『「仕事ができるやつ」になる最短の道』安達裕哉


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「仕事ができるやつ」になる最短の道


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、前々回の「未読本・気になる本」の記事にて評判だった仕事術本。

著者の安達裕哉さんは、Deloitteのコンサルタントとして大企業・中小企業あわせて1000社、8000人以上見てこられたという方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
毎日2万人以上が訪れ、月間150万PVを誇る「仕事の本質」を突いた人気ブログ「Books&Apps」の著者が初めて明かす、“仕事ができるやつになる法則”

裏表紙の帯に書かれた「悩めるビジネスパーソンの福音書」というフレーズがぴったりの1冊でした!





Cydcor Conference attendees / Cydcor


【ポイント】

■1.「やってみたい」と「やってみた」の大きな差
私「本気度ではないとすれば、どんな差がある?」
彼「簡単だよ。「『やってみた』は科学。『やってみたい』は迷信」
私「……どういうこと?」
彼「やってみれば、データが取れる。それをもとに、もっとうまいやり方を考えられる。実験ができて、きちんと検証でき、再現できれば科学だ。でも……」
私「でも?」
彼「やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。要するに、迷信めいたものをあてにしているということだ。独立したいなら、実際にお客さんを回って、商品を見せてみないとデータがとれないだろう」


■2.「仕事ができるやつ」になる最短の道
「仕事で一番偉いのは誰だと思います?」
「権限を持っている方でしょうか?」
「権限を持っていてもダメなやつはダメです。どんな仕事でも、一番偉いのは『最初に案を出すやつ』なんですよ。批判なんて誰でもできる。でも、『最初に案を出す』のは勇気もいるし、なにより皆から馬鹿にされないように一所懸命勉強しなければいけない。だから、最初に案を出すやつを尊重するのは仕事では当たり前です」
 私はそれ以来、さまざまな会社で観察を行ない、仕事をするときは常に、「まず案を出す」ということがいかに重要かを、多くの企業で見ることができた。
 だからいまでは、若手から「仕事ができるようになるためにはどうすればいいですか?」という質問を受けたときには、おせっかいながら必ず「一番最初に案を出せるようになるように頑張る」と回答するようにしている。


■3.「仕事をまかされたら、なにをすべきか」8箇条
●納期を確認する
●成果を仕事の依頼者と合意する
●仕事を分割する
●難しい仕事から取りかかる
●行き詰まったら、即、相談する
●説明責任を果たす
●自分でゼロから考えず、前例を探す
●人への依頼は早めにし、1つ目〜7つ目のことを守らせる

(詳細は本書を)


■4.「良い上司」と「ダメな上司」を見分ける6つの基準
●「良い上司」は、部下の得意なことについての自慢話か多い。「ダメな上司」は部下の苦手なことについての愚痴が多い。
●「良い上司」は、機嫌が良さそうに働く。「ダメな上司」は、機嫌が悪そうに働く。
●「良い上司」は、「ウチの会社の魅力」をきちんと語ることができた。「ダメな上司」は、「ウチの会社の課題」しか語れなかった。
●「良い上司」は、謝れた。「ダメな上司」は、謝れなかった。
●「良い上司」は、「自分と違う考え方をする人」を重視した。「ダメな上司」は、「自分と同じ考え方の人」を重視した。
●「良い上司」は勉強した。「ダメな上司」は、過去の経験に頼っていた。

(詳細は本書を)


■5.部下の仕事をスピードアップする上司の発言
1「私は○月○日までに仕事を仕上げてほしいが、これを実現するために障害はあるか? それに対して私が手伝えることはなにか?」
2「○○という要求は必須。○○という要求は努力目標だ」
 1つ目は、「上司たる自分が手伝えること」を聞いている。
 2つ目は、「物事の優先度」と、「到達点」を伝えている。
 実際、急かすことは部下の邪魔をするだけでなんの仕事もしていないのと同じである。
 上司がやらなくてはいけない仕事は、本来であれば「助力」「要求基準の設定」であるにもかかわらずだ。
 仮に部下が怠けているとしても、この方法であれば、部下に成果を約束させることもできるし、適正な納期を設定することもできる。


【感想】

◆付箋を貼りまくりましたが、こんなところで。

下記目次にもあるように、本書は「どのくらいの期間をかけて取り組むか」によって、章分けがなされています。

すると、私自身が簡単に取り組めるものばかり好むこともあってか、付箋は前半に集中することに。

おかげで上記ポイントも、当初は第1章と第2章だけで終わりそうな勢いでしたが、一応バランスを考えましたw

ただ、私自身は、部下を持つ前に独立してしまったので、未だにマネジメント系の本(やTIPS)は、あまり得意ではないのですが。


◆上記ポイントを含め、本書のコンテンツは、著者の安達さんが「12年以上にわたる期間、大企業・中小企業をあわせて1000社以上を訪問し、そこで働く8000人以上の人々を見てきた」中から得られたものです。

上記でも会話文が多用されているように、主に経営者の方から聞かれたお話が元となっているよう。

別にジョブズや、孫正義さんのような著名人ではなくとも、こうした含蓄のある教えを聞くことができるのだな、と思った次第です。

本書のまえがきにも「実際に仕事で悩む方々には、このような一般の人々の話のほうがわかりやすく、有用な場合もあるのではないだろうか」とあり、確かにそうだな、と。

むしろ、社員皆がエリートである会社の経営者の話よりも、本書の話の方が「リアル」に思えるのは、私の本業のクライアントのほとんどが、中小企業だからかもしれません。


◆そうした中小企業の大きな悩みの1つが、人材採用です。

上記では割愛しておりますが、本書では採用活動でもっともキモとなる「面接官の人選」についても触れられていました。

要は、「器の大きい人」が面接官にならない限り、有能な応募者には見切られてしまう、ということ。

安達さんは、とある会社の社長さんが、社員の中から面接官を決定する面談の場に同席するのですが、そこで社長が取った意外な選抜方法とは?(ネタバレ自重)

実際に、そうやって選ばれた面接官さんが、八面六臂の大活躍で素晴らしい人物を数多く採用したそうですから、試してみる価値はありそうです。


◆他にも割愛した中で、小見出しを見ただけでも、読みたくなるお話がいくつもありました。

たとえば、このようなものが……。

・50歳以上しか採用しない会社の社長が言った「人生の変え方」

・「会社の辞めどき」を判断するには

・初対面の人の警戒を解くのが抜群にうまかった、ある面接官の6つのノウハウ

・コンサル会社で部下に課した8つの訓練

・部下を「何回も同じことを言わせるな」と叱責する上司は無能だ

・ある社長が、「会社をつぶして学んだこと」を話してくれた

・「仕事をやっていて、一番うれしかったことはなんですか?」と質問した学生への、ある管理職の回答


それにしても、安達さんがブロガーという事もあるのだと思いますが、「クリックして読みたくなる題名の付け方」なんですよね。

こんなタイトルがはてブ人気記事にあったら、間違いなく読んじゃいますもんw


◆いずれにせよ、この手の「働き方」「仕事術」系の好きな方には、本書はオススメ。

本当は、本エントリーでほとんど触れられていない、マネジメント系のお話が深いので、そちらに興味のある方も、ぜひ本書にてご確認頂きたく。

どの世代、どのポジションの方が読んでも、響くところがある、というのもポイント高いと思います。

個人的には、物語形式同様、会話文が多用されるのはあまり得意じゃないのですが、本書の場合はそれによってリアリティが出ているので「良し」とします(偉そうw)。


より良く働くために読んでおきたい1冊!

4534053002
「仕事ができるやつ」になる最短の道
第1章 今日からできること 決意する
第2章 1週間程度でできること 小さな変化を起こす
第3章 1か月以上しっかりと取り組むべきこと 信頼を積み上げる
第4章 1年程度かけてじっくりと取り組むこと 努力を成果につなげる習慣
第5章 3年は取り組むべき大きなテーマ リーダーシップとマネジメント
第6章 一生かけてやる価値のあること 仕事で良い人生をつくる


【関連記事】

【働き方】『実力派たちの成長戦略』山本真司(2015年07月15日)

【仕事術】『後悔しない社会人1年目の働き方』森本千賀子(2014年02月17日)

【働き方】『君の働き方はサラリーマンか、ビジネスマンか。』野宗邦臣(2013年08月14日)

【成功本?】『10年間、1000人の成功者に聞いてわかった 仕事がうまくいく人の小さなコツ』野澤卓央(2013年08月03日)

【成功法則】『上位20%に入れる人だけが一生成功する 〜会社が必要とする人の成功法則〜』横山信治(2013年07月01日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らない できる人のデータ・統計術

先日の未読本記事で、うっかり載せ損ねた1冊(ダメじゃん)。

なおKindle版も既に出ています。


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