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2015年07月14日

【考え方】『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法』山口揚平


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10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも注目を集めていた1冊。

当ブログでは『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』2013年の年間売上第3位となった山口揚平さんが、これからの世界で生き延びる方法を指南して下さっています。

アマゾンの内容紹介から。
世界が変わっても大事なことは1つのこと
資本主義の終わり、広がり続ける格差、日本解散論とグローバル化……、混沌とする社会の中で、何をすれば成功するのかは変わりますが、成功者がやっているのは、実は本当にシンプルなこと。ストーリーで、非エリートも成功するコツを紹介します。

なお、若干強気(?)の価格ですが、Kindle版も出ていますので、ご検討ください!





Who wants to be a millionaire? / Roo Reynolds


【ポイント】

■1.「計画・実行・修正」のサイクルを回す
「失敗は凹みます」
「みんなそうだ。だが計画・実行・修正のプロセスにおいては、凹む必要がない。それは失敗ではなく、ただうまくいかなかった方法が見つかっただけということだ。このプロセスに取り組むと、そもそも"失敗"という考え自体がいらなくなる。検証が済んだらさっさとプランの修正をすればいいだけなのだから。これは精神的に非常に重要なことだ。その一方で、多くの人には、プランもフィードバックもなく、ただ実行しかない。しかも人生でたった1回、実行してうまくいかなかったら"失敗"としてやめてしまう。普通の人には、こんなふうな"失敗"という考え方が普及している。これは、学び方を学ばなかったためだ。成功する人には失敗という考えがない。だから成功するまで、修正し続ける。私が、成功するためのコツは続けるコツだと言ったのは、そういう理由だ」


■2.大手企業の学生ランク付け3つの視点
●柔軟性
「まず、柔軟性とは、"自意識の解消度合い"のことだ」(中略)
「別に空っぽの人間になれとは言っていない。仕事ををするということをどう捉えているかということさ。そもそも仕事とは、他人や社会に貢献することだろう?だったら、自分でなく相手に合わせられるかどうかってことが必要だ。(後略)」
●言語化能力
「ボキャブラリーですか?」
「違う。ものごとを客観化して表現する能力のことだ」(中略)
「表現する方法は、言葉でも数字でも論理でもいい。絵を描いても、プログラムを組んでも、レゴブロックで表現しても、音楽でもなんでもいい。とにかく、考えや感じたことを"客観化"する技術のことなんだ」
●品格と教養
「外見は、先天的なことだと思うかもしれないが、実はそうでもない。努力によって後天的に獲得するものだ。美しさは学べるし、獲得できる。君は男だから、まずは"清潔感"という言葉を大事にするといい。歯と靴を丁寧に磨き、身なりと言葉を整えなさい。女性なら、"透明感"がそれにあたる」


■3.問題はそれが起きたのと、同じレベルでは解決できない
「意識の焦点を、3次元、つまり時間や空間、お金(数字)に置くのなら、君はお金という次元を超えることができない。つまり、パラダイムを変えることはきっとできない。結果、問題は解決しない。アインシュタインの名文句にこんな言葉がある『問題はそれが起きたのと、同じレベルで解決することはない』。問題解決は、一次元上での調和によってしか解決できないんだ。だから君は、いずれ3次元(時空間・金)から、意識の焦点をずらさなければならなくなるだろう。それだけは覚えておく必要がある」


■4.目に見えない「距離感」を言語化する
「相手がどんな価値観であるか、相手は自分にどうしたいのか、を言葉にしてみてごらん。たとえば、今、『課長の価値観』『自分の価値観』『田中さんの価値観』を言葉にしたよね。付き合い方が明確になってきて、距離がとりやすくなった気がしないか? 逆にそれがわからないと、どの距離で付き合っていいかわからなくなるから、ぎくしゃくしてしまう」(中略)
コミュニケーションの本質は『距離』のマネジメントさ。格闘技に似ているかもしれない。相手との間合いを冷静に感じることが大事だという意味においてはね。(後略)」


■5.「21世紀に必要な3C」とは?
「20世紀に必要だった3Cは、キャッシュ(金)、コネクション(人脈)、コンぺティティブネス(競争力)の3Cだった。21世紀の3Cは、キュリオシティ(好奇心)、クリエイティビティ(創造力)、クレディビリティ(信用力)となる。好奇心を持って異文化にあたり、そこから触発されて何かを生み出す。そして、信用力は、人間関係を結ぶ原点となる。これを忘れないように」


【感想】

◆内容紹介に「ストーリー」というフレーズが出てきていますが、本書は全編「物語形式」でした。

「27歳、彼女なし、営業職」の「僕」に、成功を収めた「紳士」がレクチャーする、という構図。

これは『ユダヤ人大富豪の教え』から、『夢をかなえるゾウ』まで、いわゆる自己啓発書の王道パターンですね。

ただ、通常この手の本は、たとえ中身が難しくなくとも「TIPSをより実践レベルに落とし込むため」に物語形式をとっている事が多いのですが、本書の場合、すでに思考レベルからして、かなり高度です。

おかげで本書に登場する「僕」も、完全には理解しきれていないという。

そしてそれは、私を含め多くの読者も同様なのではないか、と思います。

とはいえ本書の「紳士」は、「今はそれでよい」「いずれ分かる」というスタンスなので、私としても、中途半端の理解のまま、先に進んでしまったのですが。


◆なお「理解が難しい」という要因の1つは、多分に「未来予測」を含んでいるからかと。

特に山口さんの場合、冒頭でもご紹介したように起業本を書いている関係上、「新しいビジネスモデル」には敏感です。

また、起業を検討するのであれば、未来のトレンドまで考えねばならないわけですから、この辺はお手のものなのかもしれません。

もっとも、「未来予測」とは違いますが、たとえば上記ポイントの3番目の話を読んで、すんなり理解できたり、さらには「じゃあ、一次元上で考えますわ」となれる人がどれだけいるのか、という……。

そういう意味では、「思考のパラダイムシフト」というか、「マインドセットを変える」、というのが本書の役割のような気がします。


◆そんな中、比較的実践できそうなのが、コミュニケーションスキルのお話。

上記ポイントの4番目で触れているように、まずは「距離感を言語化せよ」、というのは確かに有用だと思います。

ちなみに、ここで言う「距離感」の前提となるのが、「愛」と「条件」のポジショニング。

縦軸に「愛」(無条件、身体感覚、真実、主観等)、横軸に「条件」(金、脳、現実、客観等)をとった場合、人の心は、それぞれこの中のどこかに位置します。

自分の位置も見極めた上で、相手との距離感を探れば、適切なコミュニケーションが行えるはず、というのが本書の主張であり、これは私も腑に落ちました。

苦手な人や、逆に近づきたい人がいたら、この考えは留意して頂きたく。


◆なお、もう1つ理解しやすかったのが、第6章のビジネスモデルのお話でした。

ここで言っている「『Facebook市場』とは、『自己顕示欲求市場』である」という指摘は、なるほど確かにw

さらには、それを踏まえてのビジネスモデルは、ホントにやってしまう人もいそうです(詳細は本書を)。

山口さんの起業本がお好きな方は、どうかこの章はお見逃しなく!


10年後もそれ以降も生き残るために!

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10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法
プロローグ 出会い  友人の結婚式で、早口の紳士にからまれた僕の幸運
第1章 スノーボールを転がせ! 「学び方を学ぶ」ことが、成功への近道になる
第2章 格差社会と沈む日本を乗り越える  日本解散論
第3章 「作る世界」から「作らない世界」へ 結婚・お金・AI(ロボット)変わる社会の中で生きること
第4章 コミュニケーション 優秀さは謙虚さと能力の掛け算である
第5章 僕たちは何を学んできて、これから何を学べばいいのか
第6章 事業の本質 1人でも食べていくために仕事を創り出す
エピローグ 僕の夢と、最後の授業


【関連記事】

【起業の心得】『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』山口揚平(2013年01月31日)

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【起業のウラ本?】『まだ「会社」にいるの? ~「独立前夜」にしておきたいこと~』山口揚平(2013年12月28日)

【オススメ】『評価と贈与の経済学』内田 樹,岡田斗司夫 FREEex(2013年02月28日)

【オススメ!】『図解でひらめく! ビジネスのヒント55』中村和巳(2014年11月25日)


【編集後記】

◆まるで今日の本に合わせたかのような作品が、「Kindle日替わりセール」の対象商品となっていました!

B00VESYKB2
NEXT WORLD 未来を生きるためのハンドブック

今年の4月に出た本なのに、何故か絶版(?)状態で、かつ中古だと4倍以上するという謎……。

とりあえず、買っておくべきなのか!?


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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