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2015年07月13日

【時間術】『世界トップリーダー1000人が実践する時間術』谷本有香


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世界トップリーダー1000人が実践する時間術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった、時間術の作品。

著者の谷本有香さんは、日経CNBCキャスターとして、英ブレア元首相、マイケル・サンデル教授、ハワード・シュルツ(スターバックス創業者)、マイケル・ポーター等、世界の1,000人を超える著名人にインタビューされてきた、という方です。

アマゾンの内容紹介から。
世界の舞台で活躍するエグゼクティブたちが一番大切にしている共通点は、「時間の使い方」。たがが1分、たった5分でさえ、意識して時間を使いこなす。ここに彼らが成功する理由が凝縮されている。

なるほど、世界のトップリーダーたちは、こんな風に時間と向き合ってきたのだな、と。





Day [009] Schedule. / Sadie Hernandez


【ポイント】

■1.「今は何のための時間なのか」を常に意識する
 無駄な時間をなくすために必要なのは、「時間を意識的に使う」というマインドセットです。より具体的にいうなら、「今はなんのための時間なのか」を常に意識し続けるということ。行動は今までとほとんど同じでも、考え方を少し変えるだけでいいのです。
 たとえばトップリーダーは、家族とのバカンス休暇を「仕事に備えてリフレッシュしている」「楽しい時間を共有することで、家族の「自分をサポートする力を養っている」と考えます。(中略)
 つまり、普通の人が「休暇だ」「飲み会だ」「睡眠時間だ」としか感じない、一見すると意味のない時間にも、意識的に意味を与えているのです。後づけだともいえますが、自分の意図したとおりに行動することで、結果的にすべての時間が無駄ではなくなります。


■2.時間にズームイン、ズームアウトする
「時間にズームインする」とは、時間に対して意識的になり「今はなんのための時間なのか」を常に自分に問うということです。どんな目的で、何をしているのか、目的とその意味を把握することだともいえるでしょう。その瞬間一点に絞った「ミクロ」な視点だとも言い換えられます。
「時間をズームアウトする」とは、自分で定めた「人生のゴール」に向けて自分の命の時間を一本の線で結び、高い位置から俯瞰するということです。(中略)
これは、広くあらゆる角度から自分の時間を眺めるという意味において、「マクロ」な視点だと言い換えられます。
 時間に対して「ズームイン」「ズームアウト」するとは、人生を一本の線として長いスパンで俯瞰しながら、常に「今」という点に立ち返る感覚なのです。


■3.時間をリアルに感じるために小さな単位で考える
 また、彼らは1時間ではなく「60分」、1分ではなく「60秒」という表現を用います。1時間も60分も長さとしてはまったく同じですが、時間の単位を「分」「秒」と小さくしていくことで、時間そのものの長さがよりリアルに感じられるようになったのではないでしょうか。(中略)
 逆もまたしかり。基本的に時間を「1時間」という大きな単位で捉えている人にとっては、5分や10分は「端数」です。端数の時間では何もできないと感じて、無為に過ごしてしまうことでしょう。
 たとえば、ミーティングの時間を「1時間」と設定すると、頭の中では「だいたい1時間」と、すでに時間の感覚が大雑把に変換されているものです。そのため、会議の時間が5分くらいオーバーしたところで許容範囲。本当に全員が集中しても5分オーバーしてしまうほど白熱した会議だったなら別ですが、多くの場合は時間に対して無自覚であることが原因です。


■4.「自分の作業時間」を把握する
 時間を味方につけるため、最初にやるべきなのは「自分の作業時間」を把握することです。
 第2章でも少しお話ししましたが、たとえば通勤時間がドアtoドアで35分、1通のメールの返信に3分、企画書を作るのに120分……などなど。ビジネスに限らず、立ち食いそばのランチなら15分、同僚と定食屋でランチをとるときは40分、入浴時間は20分、一番体調がいい睡眠時間は360分(6時間)など、仕事外のことや、プライべートで毎日必ず行うようなことについても、自分がどのくらいの時間をかけているのか一度きちんと計ってみましょう。
 まだみなさんにとっては敵である可能性が高い「時間」を味方につけるため、時間と向き合い、研究するのです。


■5.決断するときに悩まない
 トップリーダーは、「悩む」ことと「考える」ことはまったくの別物だと考えています。決断を迫られたとき、「やるべきか、やるべきでないか」と迷うのは、考えることではなく悩むことです。
 状況をきちんと把握していれば、迷う必要はありません。数字に則って、すぐに「GO」を出せばいいのです。そこで迷うということは、状況を把握できていない=勉強不足なのか、結果に自信がないのかどちらかです。
 結果に自信がなくても今やるべきなのか、撒退したほうがいいのか。状況によって判断は変わってくるかもしれませんが、自分が設定した人生のゴールと照らし合わせれば、すぐに決断できるはず。もし勉強不足なら、勉強すればいいだけです。どちらにしても、悩む必要はありません。


【感想】

◆本書の「はじめに」では、著者の谷本さんが会われたトップリーダー(起業家、投資家、政治家、学者、専門家等)たちの、「ある共通点」が明らかにされていました。

それは「Time is on my side = 時間は常に私の味方だ」という、「時間」についての考え方です。

そもそもこうしたトップリーダーたちは、一見、時間に追われているように思われがちですが、実はそうではないのだそう。

逆に彼らは、上記ポイントの1番目にあるように、目の前にある「時間=人生」を楽しみながら、意識的に時間を使っているのだとか。

確かに、こうした「マインドセット」を実践できたら、「無駄な時間」というのは存在しなくなります。

私の場合、税理士試験の受験勉強中に、やたらと睡眠時間を削る方向で頑張りましたが、今にして思えば、睡眠も「勉強内容を脳に定着する時間」だと意識することができれば、コンディションの事も含めて、もっと良い結果が早く出せたのでしょうが……。


◆また、上記ポイントの2番目の「ズームイン」「ズームアウト」という考え方も非常に重要だと思います。

特に「ズームアウト」は、ソフトバングの孫正義さんでしたら、30年、300年先までビジョンを持っているわけで。

新30年ビジョン発表サマリー | 経営理念・ビジョン・バリュー | ソフトバンクについて | 企業・IR | ソフトバンクグループ

こうした「長期」の視点があってこその、「今」を考えた場合に、果たして何をするべきなのかを考えるという。

本書では「60歳までに自分の会社でAという商品を開発し、世界をもっと豊かにしたい」という志を持つ30歳のビジネスパーソンを想定し、実際にシミュレーションしています。

要はゴールから逆算して、いくつまでにどうなっているべきか、そのためには何をすべきかを検討するということ。

……本業の傍ら、行き当たりばったりでブログを続けているsmooth涙目の巻。


◆こうした「考え方」のお話だけでなく、本書ではもっと細かい「ツール」のお話も登場します。

たとえば、トップリーダーは、あまりノートパソコンを持ち歩かないのだとか。

代わりに愛用するのが、起動までの時間が短いタブレット。

マシンを選ぶ際、画面の大きさや、処理速度、バッテリー駆動時間から検討することはあっても、起動までの時間までは考えたことがなかったので、個人的には目からウロコでした。

他には、アイデアが浮かんだ時にメモを取る代わりに、ボイスレコーダーを活用しているトップリーダーも多いのだそう(スマホで代用できそうですが)。


◆もちろん、上記ポイントの3番目の「時間単位を小さくする」ことや、4番目の「自分の作業時間を把握する」ことも、忘れてはなりません。

前者は、たとえば「ToDoリスト」を「何分単位で作成するか」という話にもつながってきます。

また後者は、類書でも言われているように、一定期間「作業ログ」をしっかり取ると良いかと。

私もかつて、Excelでしっかり記録したものですが。



ぶっちゃけ、自分がいかに時間を無駄にしているかを知って、愕然としましたよ(遠い目)。


時間を有意義に使いたい方なら、要チェックです!

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世界トップリーダー1000人が実践する時間術
第1章 世界トップリーダーは、1分を60秒、1時間を60分、人生を30000日と考える
第2章 世界トップリーダーが支配する、時間に関する3つの法則
第3章 世界トップリーダーが実践する、「時間を味方」につける7つの方法
第4章 世界トップリーダーが教える、「スピードアップ」する6つの時間術


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【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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たった一晩で疲れをリセットする睡眠術

上記で触れたように、睡眠も大事な時間の使い方ですから!


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