2015年07月11日
【マーケティング】『不良在庫は宝の山』竹内唯通

不良在庫は宝の山 (マイナビ新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、株式会社マーケティング・スイッチ・オン代表取締役・竹内唯通さんによるマーケティング本。既に土井英司さんがメルマガで取り上げていたので、お読みになった方もいらっしゃるかもしれませんね。
アマゾンの内容紹介から。
ウォークマン、ミルクキャラメル、鼻セレブ…みんな最初は不良在庫だった!?世の中には、もともと不良在庫だったにもかかわらず、その後大ヒットした商品はたくさんある。そんなヒット商品の事例や、それを仕掛けたマーケッターたちの手法から判明した、不良在庫を一掃する方法を体系立てて解説。
「理論」というより、実践的なマーケティングが学べる1冊です!

Marketing as Consumer Engagement / stefanomaggi
【ポイント】
■1.なぜ商品の価値が伝わってないのか掘り下げる不良在庫の本質は、一言でいうと、
「お客さんに、その商品の価値が伝わっていない」
に集約できるのです。(中略)
なぜ、お客さんに商品の価値が伝わっていないのか?
考えられる要因はいくつも出てくるでしょう。それを1つずつ解消していくことが重要なのです。ただ、1つ解消して、小さな成果を収めても、そこで満足してはいけません。それは、一歩前進に過ぎません。なぜ? なぜ? なぜ? と自問を続け、1つずつ解消していくことが、より大きな前進・より大きな成果につながります。
■2.「理想のお客さん」と「相性の良いお客さん」の重なる所を目指す
1つ目の「理想のお客さん」というのは、あなたの会社のすべてのお客さん、あるいはほとんどのお客さんにとって、お手本となりうる有名企業や有名人。
見込み客に「あの会社(人)が使っているなら、間違いないだろう」と思ってもらえるようなお客さんのことをいいます。(中略)
2つ目の「相性の良いお客さん」というのは、誰しも人間関係での相性があるように、お客さんとの相性の良し悪しもあります。長年、ビジネスを続けてきて、小さくても何らかのトラブルがあるお客さんは、お手本にはしづらいもの。
この2つのポイントが重なるお客さんに焦点をしぼって、好事例をつくりましょう。
■3.ネット以外のAmazonの販路「ギフトカード」
「Amazonギフト券」は、図書券や百貨店ギフトカードのAmazon版で、Amazonの1億種類を超える取扱商品の購入に利用可能な電子ギフト券です。(中略)
コンビニエンスストアを通じたルートは、中高生・大学生・主婦・会社員へのリーチに効果を発揮しています。
さらに、法人向けのギフト用途に対応する「Amazonギフト券」は、法人営業部門での直接販売のほか、セミナー開催によって販路を作っています。
販売促進・入会促進などのキャンペーンのインセンティブ、アンケートの謝礼、ポイントプログラムの交換アイテム、従業員への社内報奨・福利厚生、社内外の記念品・お土産品などに利用されています。
■4.ターゲットを変えて大ヒットした「ハイチオールC」
当初、ハイチオールCは中高年の男性をターゲットに、「二日酔いに効くクスリ」として発売されました。
その狙いは当たったのですが、新たな問題が浮き彫りになります。
「中高年男性の二日酔い対策」としている限り、マーケットの規模は限られる、ということでした。
そこで、市場調査を行ってみると、意外なことがわかりました。
「シミ・ソバカスに効く」ということで、多くの女性に飲まれていたのです。
■5.商品名を変えて大ヒットした「通勤快足」
1981年、レナウンは紳士用抗菌防臭加工靴下を「フレッシュライフ」という商品名で発売しました。
発売初年度こそ3億円を売り上げ、ヒット商品となりましたが、その後は徐々に減少に転じます。それもそのはず。「フレッシュライフ」という商品名では、誰が対象なのか、どういう商品なのか、イメージがつきません。
発売から6年後の1987年、再起をかけ、社内で集めた百以上の案の中から、思い切って商品名を「通勤快足」に改名しました。
これが大ヒット。改名の初年度に13億円を売り上げ、2年後には、45億円という大ヒット商品に化けたのです。
【感想】
◆まず最初に確認しておきたいのが、本書で言うところの「不良在庫」の定義です。一応、Wikipediaでは、こうなっておりまして……。
不良在庫 - Wikipedia
ここにあるように、広い意味では「長期間、在庫として売れずに残っているもの」なのですが、その代表的なモノというのが「流行遅れ、賞味期限切れ、季節外れとなった製品及び商品、需要予測を誤って過剰に製造あるいは仕入れを行った製品及び商品等」とのこと。
特に「流行遅れ」「賞味期限切れ」「季節外れ」といったところを、本書を読む前に私はイメージしていたのですが、本書で取り扱う「不良在庫」というのは、そこまで「売れる要素がない」ものではありません。
それがゆえの、上記ポイントの1番目のお話であって、「お客さんに伝える価値がない商品」は、本書では対象にしていない思います。
……実際には「伝えた」からと言って、必ずしも買ってもらえるワケでもないのですが。
◆そういう意味では、本書はまさに「商品を売るための手法」を検討するための作品と言えるかと。
例えば「販路」。
上記ポイントの3番目にある、Amazonの「ギフトカード」は、コンビニで中高生がプレゼント用や自分用に買ったり、法人社内での記念品等にまでさまざまな使われ方をしています。
しかも、Eメールタイプやグリーティングカードタイプ、さらには普通のカードサイズもある模様。
Amazon.co.jp: Amazonギフト券
なお、先日ご紹介した「アマゾンギフト券を3000円以上買うと500円クーポンがもらえる」キャンペーンは、7/31までなので、まだ間に合いますw
参考記事:【速報】アマゾンで対象者限定のクーポンプレゼント実施中!?(2015年06月12日)
◆もっとも、こうした商品開発レベルからやらなくとも、上記ポイントの4番目や5番目のように「ターゲット」や「商品名」を変えただけで、ドカーンと売れることも。
割愛した中では、「チョロQ」も名前を変えたことで大ヒット商品になったものの1つなのだとか。
これなんか、カワユスw

チョロQ チョロQMIX QM-03 マリオカート8 (マリオ)
ちなみに、名前を変える前は「豆ダッシュ」だったそうなんですが、個人的にはどっこいだと思うんですけどね(でもまったく売れなかったのだそう)w
なお、海外では「チョロQ」という名前では、どんな商品かをイメージできないので、また違う名前を付けているのですが、これは一応、ネタバレ自重で。
◆本書は内容的にはマーケティング本なのですが、書名を『○○マーケティング』のように付けず、『不良在庫は宝の山』というちょっとフックのあるものにしたため、手に取る人も多いのではないか、と。
実際、内容は「不良在庫を売りまくる話」であり、書名はそのまんまです。
ただし、第6章までは事例を交えて面白く読めるのですが、最後の第7章の「不良在庫を宝の山に変えるコツ」は、結構ガチ。
実際にマーケティング的なお仕事をなさっている方や、物を売りたい方はお見逃しなく!
ホントに不良在庫が売れたら、業績のV字回復も夢ではありません!?

不良在庫は宝の山 (マイナビ新書)
●第一章 不良在庫を宝の山に変えた伝説のマーケッターたち
●第二章 不良在庫の本質を見極めろ
●第三章 物流&販路を変えて在庫一掃
●第四章 ターゲットを変えて不良在庫を宝の山にする
●第五章 広告を変えて大ヒット
●第六章 不良在庫を再利用して在庫一掃
●第七章 不良在庫を宝の山に変えるコツ
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【編集後記】
◆今日も「Kindle日替わりセール」から。
本気になればすべてが変わる 生きる技術をみがく70のヒント (文春文庫)
2009年の単行本を2011年に文庫化し、それをさらにKindle化したものなのですが、アマゾンレビューの高評価ぶりと、ほとんど値崩れしてないことにビックリの巻。
……そんなに人気あるんですね。
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