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2015年06月22日

【信用】『信用される人が絶対にやらない44のこと』山武也


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信用される人が絶対にやらない44のこと


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した自己啓発書

著者の山武也さんは、東大法学部卒のコンサルタントでありながら、茶道裏千家などの文化面でも活動を続ける方だけあって、作法や人間関係についての指摘はなるほど、と思わせられました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、信用される人になるために大切にしたい、口ぐせ、行動などのちょっとした習慣を、豊富なビジネス経験を持つ著者が卓越した人間観察力をもとに、信用できない人、信用できる人を対比させながら、わかりやすくひも解いていきます。

「心を磨く44の法則」がここに!





self-esteem / Key Foster


【ポイント】

■1.すべての人を「目上」として扱う
 自分の力に自信がないので、ちょっとした言葉の使い方を利用することによって、少しでも優位な立場に身を置きたいと思っている。自分の気持ちにも余裕がないので、状勢判断が客観的にできない。
 すなわち、最初から相手を下に見る言葉づかいをするのは、自分が劣位にある、ないしはあるかもしれないと考えていることを暴露した結果になっている。「インフェリオリティー(劣等)コンプレックス」が白日の下にさらされた情況になっているのだ。(中略)
 親しい友人や常に密接な接触のある同僚や部下などを除いては、すぺての人を「目上」であると思った言動をするのが礼に適っている。相手が自分に対してサービスを提供する立場にあったとしても、よく知らない人に対しては敬語を使うべきであろう。


■2.目の前の人を大切にする
 先着順の原則を無視した「割り込み」を許すような電話優先の考え方には賛成できない。会議であれ講演会であれ、人が大勢集まるところでは、携帯電話は電源を切っておくか、せめてマナーモードにしておくかが基本的なマナーである。個人的な会話の場でも、偶発的な立ち話でもない限りは、携帯電話に邪魔されることのないようにしておく。(中略)
 人生は一瞬一瞬の積み重ねであるから、その瞬間のひとつひとつが自分の人生の重要な都分である。そこで面と向かっている相手をないがしろにするのは、自分自身の人生の一部を軽んじるにも等しい。これとまったく同じ場面は二度とはないと思って、目の前にいる人を大切にするのだ。相手と自分のどちらが上位にあるかには関係なく、相手に全身全霊を傾注して尽くす姿勢を堅持する。


■3.出席を断るときに「ほかに大事な用があるので」と言わない
どうしても欠席せざるをえないときは、その理由を述べるのが親切であるし、礼にも適っているが、
「ほかに大事な用があるので」
 などと書いてはいけない。実際にも先約のほうが重要度においてはるかに高いときであっても、だめだ。相手が出席を要請している会合が大事ではない、といっているに等しいからである。たとえ、ほかに出席しなくてはならない会合が公式のものであっても、その旨はいわないほうがいい。(中略)
 とにかく、ほかに大事な用があるという言い訳は、相手との用事は比較的であるとはいえ重要度が低いといっていることになる。それは、その時点だけであるとはいえ、相手の人間としての重要度もそれほどではないという意味にもなっている。相手の気分を害するのは間違いないゆえんである。


■4.忙しがって見せない
 何かをしてもらおうとすると
 「忙しいので」
 といって断る人がいる。(中略)
 そんな人に限って、「お忙しいでしょうが」といって「おいしい話」を持って行くと、一も二もなく飛びついてくる。単なる口ぐせであった点が暴露される瞬間である。そのようなことが重なってくると、人々はその言葉だけではなく人柄も信用しなくなる。
 出てくる仕事を次から次へとこなしていくのは当然の義務であって、別に吹聴したり自慢したりすることではない。にもかかわらず、特別に忙しがって見せるのは、自分の人格を軽くする結果になっている。仕事の「かけもち」は当たり前のことだからである。


■5.未来に目を向けて「してください」という
 「なぜ、してくれないのですか」という表現方法が適切でないのは、それが「過去」に焦点を当てているからだ。現在までの過ぎ去った状態についてとやかくいうのであるから、いわば取り返しのつかないことを問題にしている。こうしてほしいという願いは秘めているものの、愚痴をこぼしている部分が大きい。消極的な考え方にもとづいているので、人に訴える力に欠けている。一方で、「してくたさい」というのは、これからという「未来」に焦点を当てている。明るい将来を目指しているという建設的な響きがある。未来志向に対しては人々は賛同し協力しようとする。


【感想】

◆本書の内容は、中身を読む前は、いわゆる「マナー本」に近いものなのだと思っていました。

ところが実際に読んでみると、「マナー面では問題がないものであっても、実は"アウト"」というものが多々。

たとえば、割愛した中に「さりげない謙遜を見逃さない」というTIPSがあったのですが、これは相手が自身を「謙遜」した場合に、見逃さずにフォローするということです。

具体的には、「現実は謙遜したとおり」であったとしても、「そんなことはありません」というニュアンスを何らかの形で相手に伝えるということ。

というのも、相手のへりくだる姿勢をそのままにしていたら、「相手を見下している状況をそのままにしている」ことに他ならないからです。

これは褒めるパターンも同様で、結局「褒められたら褒め返し、謙遜されたら謙遜し返す」と覚えておけば宜しいかと。


◆「こまけー」と、思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こんなものでは済みませぬ(?)。

たとえば、著者の山さんが以前、短期間とはいえ入院した際、何回か電話はかかってきたものの、誰もお見舞いに来てくれなかったのだそう。

退院した後、見舞いに来るといった人たちは、異口同音に「お見舞いに行かなくてはいけなかったのですが」といって、その理由を述べたのですが、ここで山さんは考えました。

これがもし「お見舞いに行きたかったのですが」と言われていたらどうだったのだろうか、と。

「行かなくてはいけなかった」だと義務や義理の世界でですが、「行きたかった」なら願望です。

これはすでに「共感」の世界であり、両者の結びつきは、そこからさらに深まっていたはず。

私自身、こういうケースで「行きたかった」とは言ってなかっただけに、考えさせられました。


◆似たような「言葉尻」的なお話としては、相手がしてくれた選択に対して、「それでいい」というのも同様です。

ここはやはり「それがいい」いうのが筋でしょう。

山さんいわく、「それでいい」というときは、場合によっては「どうでもいい」と同じ意味に解することもあるとのこと。

確かにこれは極端かもしれませんが、少なくとも「相手に対する敬意の念は薄くなっている」という指摘には、うなづかざるを得ません。

これをたとえば、「結婚相手を決める」場合に置き換えると、しっくりきます。

「彼女でいい」という程度では、考え直すべきであり、「彼女がいい」といえるくらいでないと、将来は不安な気が……。


◆このように、ある意味「なんとなく」「考えもなしに」使っているフレーズが、結果的に「信用されない」ことにつながってしまうわけです。

そもそも上記ポイントの3番目にある「大事な用があって」については、さすがに「大事な用」とはいわなくとも、いえるものであれば、具体的に行けない理由を述べていました。

ただしこれも、上記で触れているように、そう言うことによって「相手が出席を要請している会合が大事ではない、といっているに等しい」と言われたら、確かにそうです。

では、どう答えると良いかといえば、「先約があるので」というのが一番無難。

同じように、人と会っている寸前や会っているときに緊急な用が発生したら、「急用ができたので」とだけいうべきである、とのこと。

本書ではこのように、「解釈の仕方によっては、失礼になる」ケースを沢山学べましたし、「他人から信用される人」というのは、こういった部分にまで気を配るのだな、と。


読んだら「ギクリ」とするかもしれない1冊です!

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信用される人が絶対にやらない44のこと
第1章 信用できるかどうかは、「第一印象」から見抜かれる
第2章 一流っぽく見えても、こんなときに「化けの皮」がはがれる
第3章 一見すると問題がなさそうで、実は信用されない「口ぐせ」
第4章 その「行動」に一貫性はあるか
第5章 ちょっとしたことだけど、なかなかできない信用される「習慣」


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【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -

昨日、部屋の掃除をしていて、つくづくモノが多いと思った次第です……。


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