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2015年06月16日

【マトリクス】『紙一枚とマトリクスでできる思考の片づけ』吉山勇樹


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紙一枚とマトリクスでできる思考の片づけ

Kindle版アリ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた、思考整理術の本。

GMOグループの熊谷正寿さんの「僕もこの手法を実践して、8社上場、売上1000億円達成!これは待望のバイブル化!」というフレーズが気になる1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
あふれる情報を即座にまとめ、決断できる新技術。新しい「ダンドリの手法」がいよいよ登場!
マトリクスで整理すれば「現状把握」「目標設定」「問題解決」に効果絶大!
バタバタ仕事、モヤモヤ悩みに留まることなく、課題が解決できる。結果へのスピードがあがる!

なお、「25%OFF」とお買い得なKindle版もお忘れなく!





Intelligence (v) Drive / psd


【ポイント】

■1.「難易度が低く、効果が高い」仕事を最優先する
仮に、顧客満足度の向上を「効果」とした場合、丁寧な挨拶を励行することはコストがかからず、今日からでもできることです。しかも、顧客に直接アピールできるので、高い効果が期待できます。したがって、優先順位は高いといえるでしよう。
 次に、「効果が高く、難易度も高い」ことが続きます。たとえば、店の内装を変えることはコストがかかり、「挨拶」に比べると難易度は高くなります。
 このマトリクスは、個人のスキルアップにも役立ちます。もし、「資格を取得したい」と思ったら、その効果と難易度を検証してみてください。


■2.「論理」と「感覚」をセットにして伝える
 相手を納得させるには、客観的な「事実」による裏付けと、主観的な「意見や感情」による働きかけが必要です。別の言い方をすれば、「論理」×「感覚」=「納得」という公式が成り立つのです。
 では、客観的な事実とはなんでしょう? わかりやすくいえば、具体的な数値で表せることや、実際の状況・様子を指します。
 一方、主観的な意見や感情とは、自分の考えや気持ち、抱いているイメージです。
 この2つをセットにして、あなたのメッセージとして相手に伝えてください。そうすれば、相手は「なるほど!」「その通りだ!」と納得してくれるでしょう。


■3.スキルアップは「効率」と「効果」を考えて動く
 まず、「効率」については、「意欲が高い」仕事に着目します。意欲が高ければ、実行に移すのは容易です。このなかで「得意」なものは、放っておいてもどんどんスキルを伸ばすでしょう。肝心なのは、実力が伴っていない「不得意」なものです。
 まずは、ここを重点的に鍛えるようにします。
 次に、「効果」を検証します。そのためには「意欲が低い」ものにスポットを当てます。なぜなら、このカテゴリーに入る仕事は、ほかの人たちも尻込みしている可能性が高いからです。つまり、「一人勝ち」を狙うわけです。


■4.「価格」と「品質」の折り合いがつかなかった場合
 こうした話し合いのなかで、妥協点が見出せればいいのですが、そうなるとは限りません。話し合いが不調に終わった場合は、「第三の要素」で折り合いがつかないか、検討します。このケースは「納期」です。
 たとえば、会社の決算に合わせた「決算セール」が予定されていたら、それまで待ってもらうことを顧客に提案してもいいでしよう。あるいは、顧客が求める「品質」を担保した1シーズン前の型落ちの商品を用意する代わりに「価格」は抑え、即時納品を担保すれば納得できる、と着地点が見いだせるわけです。


■5.仕事上のミスは2つの視点で整理する
 トラブルが発生したら、それがたまたま起きた「1度きりのミス」によるものか、「繰り返されるミス」によるのかを確かめることが大切です。いうまでもなく、より深刻なのは「繰り返されるミス」です。
 このように分類したうえで、対応策を立てます。ここで注意してほしいのが、個人の「自助努力」でミスを減らせるのか、「組織的なサポート」による環境整備が必要なのか、ということです。この判断を誤ると、いつまでたってもミスは減りません。


【感想】

◆フレームワークの中では、もっとも馴染み深いものの1つが、このマトリクス。

単純に「マトリクス」と言った場合、軸の数は2つでも3つでもいいハズですが、本書では、「2軸4象限」のマトリクスについて、徹底的に掘り下げています。

とはいえ、マトリクスで何が大事かと言うと、「軸の定義」。

マトリクスを使って整理する場合、まず、ここで間違うと意味がありません。

以前読んだこちらの本でも「軸の選び方が大事」と指摘されていましたが。

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「4分割」ですべてがうまくいく マトリックス図解思考

参考記事:【アマゾンキャンペーン有】「水野俊哉さんの『マトリックス図解思考』を読んで私も考えた」の巻(2010年07月05日)


◆ここで本書の特徴とも言えるのが、「軸の切り方」について、あまり踏み込むことなく、逆にあらかじめ「フレームを用意」したこと。

要は、「さまざまな場面」を想定して、ケースごとに事前にマトリクスを用意したわけです。

そのテーマは、下記目次だとちょっと分かりにくいのですが、「時間」「対話」「成長」「交渉」「管理」の5つで、それぞれ第1章から第5章までに該当。

本書のプロローグで吉山さんいわく「あなたの状況にフィットしたマトリクスが必ずあるはず」とのこと。

確かに、上記の水野さんの本に比べると、本書はかなり「ビジネスシーン向け」なので、そのまま自分の状況に当てはめることができそうです。


◆そして、本書では上記5つのテーマごとに、具体的な事例と、そのマトリクスを収録。

各見出しの次には、使ったマトリクスの軸が併記されており、もちろん実際にマトリクス図も掲載されています。

ちなみに、「軸の定義」が重要なのは当然ですが、事例によっては、対象を4つの象限に分けるだけでなく、「どの順番に手を付けるか」「なにをやって別の象限に移るか」等々を検討することも同じくらい重要なはず。

その点本書では、その考え方や対処の仕方についても指南しており、まさに「そのまま使う」ことができるマトリクスがあれば、かなり有益だと思います。

たとえば、仕事の優先順位について「重要度×緊急度」で分けるやり方は有名ですが、上記ポイントの1番目にあるように「難易度×効果」で分けるやり方も、場合によってはドンピシャではないか、と。


◆とはいえ、少々残念だったが、本書の目次を見ると、「2つの軸」については明記しているのに、元となる「問題」が分かりにくいこと。

たとえば、上記ポイントの3番目は、小見出しをそのまま持って来ており、これは結構分かりやすいのですが、逆に本書の初っ端の小見出しにいたっては、「あえてスケジュールに余裕をもたせない」で、これだけ目次で見ても、何のことだか分かりません。

一応、併記しているマトリクスの軸が「『固定時間作業・可変時間作業』×『余裕時間をもつ・もたない』」となっているので、何となく分からないこともないですが、目次だけで、自分にマッチしている例かどうかは判断しにくい感じです。

……もちろん、買うだけ買ってじっくり読めば、すぐに分かるんですけどねw←アサマシ

もっとも、前述の通り、本書は極めて「ビジネスシーン向け」に書かれているため、「一般的なビジネスパーソン」ならば、当てはまるケースが多いことウケアイ。

少なくとも上記ポイントも、4番目以外は、ほとんどの方が該当するのではないでしょうか?

さらには、本書をひと通り読めば、「軸の定義の仕方」のパターンも学べて、応用も効くようになると思います。


思考を整理するなら、まず「マトリクス」から!

4046011203
紙一枚とマトリクスでできる思考の片づけ
プロローグ 紙1枚とマトリクスで頭の中のモヤモヤがなくなる!
Chapter1 「時間がなくてバタバタ…」がなくなる思考の片づけ
Chapter2 ややこしくからまりがちな人との関係がスッキリする思考の片づけ
Chapter3 自分の進むべき道が明らかになる思考の片づけ
Chapter4 すべての要求がスッキリまとまる思考の片づけ
Chapter5 強いチームをつくためにやっておきたい思考の片づけ


【関連記事】

【アマゾンキャンペーン有】「水野俊哉さんの『マトリックス図解思考』を読んで私も考えた」の巻(2010年07月05日)

【BCG流?】『外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク』森 秀明(2014年02月22日)

【仕事術】『「超」スピード仕事術 その1分で効率20倍UP!』を買いました!(2011年03月07日)

【紙1枚!?】『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術』浅田すぐる(2015年02月17日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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情熱の仕事学 成毛 眞 早稲田大学ビジネススクール 厳選8講

「早稲田大学ビジネススクールで14年間続く超人気講座の集大成」とのことなので、これはチェックしなくては。


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