2015年06月15日
【自己啓発】『負けない作法』岩出雅之
負けない作法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、以前からお世話になっているニャロメさんのFacebookの投稿で知った1冊。最近、大学ラグビーも滅多に観ていなかった私ですが、「大学選手権6連覇達成」という前代未聞の偉業を成し遂げた、帝京大学ラグビー部監督の岩出雅之さんの自己啓発書です。
アマゾンの内容紹介から。
史上初、大学選手権6連覇達成!帝京大学ラグビー部、強さの秘密。悲観的に準備し、楽観的に実行する。『二軸思考』で人生を、ビジネスを勝ち抜こう!!
なお、お買い得なKindle版は、さらに今なら「20%ポイント還元中」です!
DSC_0391 / StCartmail
【ポイント】
■1.環境を整える監督である私が、練習よりもまず先に意識するのが、環境設定。グラウンドのコンディションを整えることはもとより、周辺のゴミ拾いも徹底します。(中略)
ビジネスマンや一般学生であれば、それは仕事のデスク回りの整理整頓であったり、自室の清掃であったりするでしょう。社員が使う会議室なども同じことが言えます。
「散らかっていたほうが集中できる」などと言う人もいるかもしれませんが、必要なときに必要な書類がすぐに見つからなかったり、人前に出るというのにしわだらけの服しかなかったりでは、それは『負けない』以前の話ではないでしょうか。
■2.振り返りをすぐに、何度も行う
失敗も成功も、そこで得た結果を活用しなければ、それで終わりです。
必ず次につなげるためにも、振り返りはすぐに行うこと。しかも、何度も行うことが重要です。
ビジネスの現場では、必ずしも、そうした振り返りを指示する上司がいるわけではありません。人によっては、私が試合後に目にする光景のように、上司から叱られるだけの人もいるでしょう。
しかし、そこで振り返りを指示してくれない上司を批判しているだけでは、『負けない』作法を身につけることは永遠にできません。
自分一人ででも、できるかぎり早く振り返りを行い、それを人に伝えられるように「書く」ことを勧めたいと思います。しかも、明日すべきこと、「to do」まで書いてください。
■3.心のコンディションを意識する
気持ちに振り回されがちな人は、自分の感情そのものに意識が向いているからです。
好き、嫌い、あるいは、うれしい、悲しいという感情で、テンションを上げたまま、あるいは下げたままにしているのです。(中略)
日常生活と、自分のメンタルのコンディションを整理して把握すると、朝、何をしていると元気になってきて、昼、どんなことが起こると気分が悪くなり、夜、どのような状態になるとリラックスするのかといった、そうした生活とメンタルとの関係がわかるようになります。
繰り返しますが、好き、嫌いという感情を大切にするのではなくて、「何が」そういう気分にさせているのか、「なぜ」そういう気分になるのか。「何が」や「なぜ」のほうに意識を向け、自分のマインドのコンディションをつかむことが大切なのです。
■4.悲観と楽観の真ん中に立つ
仕事でも同じです。恐怖や不安、勝ちたい、認められたいという強すぎる思いが、自分を見失わせ、相手をわからなくさせ、大事なときの状況判断をミスする結果を呼んでしまいます。
また、これでいいのだ、これだけをやっていればうまくいく、などという思いだけで思考停止していたら、想定外の事態に陥った際には、どうしたらいいのかわからず、パニックになってしまうでしょう。
悲観と楽観、その二軸を意識しながら、その「真ん中に立つ」ことに集中することで、不測の事態にも対応できる余裕をつくれるのです。
■5.「技術」と「心」のバランスを取る
うまくことが進まないとき、「心」、すなわち感情はどうなっているでしょうか。
仕事の現場では、とかく「技術」に目が行きがちです。担当するメンバーの構成、販売する商品の内容、広告宣伝の手法など、もちろん「技術」は必要です。
しかし、物事をダイナミックに進めるには、自動車にガソリンが必須であるのと同様に、感情が必須です。
担当するメンバーの心は1つになっているでしょうか。もっと売ろう、この商品の良さを正確に伝えようとか、目的に向かって、メンバーそれぞれの気持ちはしっかりと高ぶっているでしょうか。
ガソリンづくり、つまり「心」に目を向けることも、特に仕事の現場においては、『負けない』極意と言えるでしょう。
【感想】
◆冒頭の内容紹介にもあるように、本書は多分に「ビジネスユース」を意識しています。上記ポイントでは、特に「ビジネス絡み」の部分を抽出していることはあるのですが、それ以外の部分も、たとえ具体例でラグビーを挙げていても「であればビジネスでは?」という風に、できる限り「ビジネス書」「自己啓発書」として読まれることを想定しているという。
ですから、この手の「スポーツ関係者」の本にありがちな、「試合の1シーン」の描写等はほとんどありません。
結果的に、ラグビーをまったく知らなくても、本書を読む上ではほとんど問題はなさげ。
一応「日本で一番強い大学の監督さんの書いた本」だということだけ頭に置いておけば、大丈夫ですw
◆ただし、「試合の描写」はないものの、「どのように練習するか」、さらには「どのようにラグビー部を運営しているか」についてのお話は多々。
一番驚いたのが、帝京大学のラグビー部が、大学の体育会系の運動部にありがちな「先輩・後輩の上下関係が厳しい」「下級生は理不尽な要求をされる」ということが「一切ない」ということです。
……「ない」どころか、「学年が上がるほど雑用が増え、一番忙しいのが4年生」なのだとか。
おかげで、勤め始めてから「社会人がこんなに楽だとは」と拍子抜けするらしいですw
他にも、「まず1年生に好きなポジションをさせる」なんてお話もあって、かなり「目からウロコ」。
なお、どうしてこのような「常識破り」の育成方法をとっているかについては、本書にてご確認ください。
◆また、ラグビーでは大事な試合の直前に、選手達を高ぶらせて泣かせる監督もいますが、それについても岩出監督はネガティブなスタンスです。
なぜならば「力みすぎては、自分の実力が出せないばかりか、スタミナがもたない」から。
さらには「興奮状態にあると、冷静な状況判断ができなくなり、戦術をまっとうすることができない」とのこと。
泣くことによって、実力以上のチカラが発揮できるのかと思ってましたが、そうでもないんですね……。
かといって「感情も必要」なのは、上記ポイントの5番目にある通りです。
◆本書を読んで、まず思ったのが、ベクトル的にこの本に近いな、ということ。
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
参考記事:【意外な良書!?】『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部 誠(2011年04月06日)
この本同様、内容がスポーツに留まらず汎用性が広いので、本書も本来「自己啓発書コーナー」に置かれるべきだと思うのですが、この装丁でサブタイトルもないですから、普通なら「スポーツ本コーナー」に置かれてしまうことかと。
……こういう著者さんで、こういう内容だと、ホントは新書で出した方が良いとは思うのですけどね。
なお、下記目次にもあるように、もとNHKアナウンサーで森ゼミ主催の森吉弘さんとの対談もアリ。
ラグビーファンの方はもちろんのこと、上記のように、ラグビーを知らない方でも十分得るモノがる良書だと思います。
帝京大学ラグビー部の強さの秘密がここに!
負けない作法
作法0 常に行う「超基本」
作法1 自分を知り、自分をつくる
岩出雅之×森吉弘対談1 「時代が変わっても、人間の本質は変わらない」―現代の若者像とは?
作法2 『負けない』極意
作法3 『負けない』仲間づくり
岩出雅之×森吉弘対談2 リーダーに求められるのは「マメであること」―リーダーシップとは?
作法4 長い人生で『負けない』ために
岩出雅之×森吉弘対談3 「未来に続くキャリア」はどうつくる?―本物のキャリアとは?
【関連記事】
【意外な良書!?】『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部 誠(2011年04月06日)【サッカー】『シメオネ超効果 リーダーの言葉で今あるチームは強くなる』ディエゴ・シメオネ(2014年09月23日)
【名著復活】『元祖プロ・コーチが教える 育てる技術』ジョン・ウッデン,スティーブ・ジェイミソン(2014年02月03日)
【成長法則】『勝負論 ウメハラの流儀』梅原大吾(2013年10月04日)
【サッカー】『必ず成果を出す! サッカー名監督のすごい言葉』桑原晃弥(2013年01月07日)
【編集後記】
◆今日の本に関連して。一流コーチのコトバ―「リーダーに大事なことはブレないこと」
こちらも、発言主はスポーツ選手、コーチ、監督等なんですが、ビジネスに活かせる模様。
Kindle版なら「43%OFF」とお買い得です!
ご声援ありがとうございました!
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