2015年06月13日
【脱「きれいごと」?】『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!』上野光夫
仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、意外と久し振りな(?)仕事術のご本。著者の上野光夫さんは、以前当ブログでは『3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則』をレビューしている、「起業支援コンサルタント」さんです。
アマゾンの内容紹介から。
9割のムダをやめやるべきことに集中。3万人のビジネスパーソンに会ってわかった、できる人の「絶対法則」。仕事が速い人、評価される人、収入が高い人、クリエイティブな人の「考え方」&「行動」。
指摘されて「なるほど」と思う部分が多々ありましたよ……。
El darrer en anar-se a casa / Carlez
【ポイント】
■1.余計な残業をせずに帰る勇気を持つ多くの人は「仕事が終わらないから帰れない」と言いますが、「絶対に残業しない!」と強い決意を持ち工夫を凝らせば、仕事を定時までに終えることは可能です。
精一杯工夫しても終わらなければ、「翌日に繰り越せばいい」と割り切って帰ってもいいでしょう。明日は明日の風が吹くものです。
あなたは「そんなわけにはいかないよ」と思うかもしれません。しかし、どこの職場でも、残業をほとんどせず、有給休暇を活用して海外旅行に行き、それでも上司の評価が高いという人がいるのです。
あの人はうらやましいと指をくわえて見ているのではなく、あなたもそうなればいいのです。
■2.精神論ででも結果を出す
ビジネスは安定することは少なく、山あり谷ありです。谷に落ち込んでいるときに、すぐにあきらめてくじけてしまう人が少なくありません。
一方、なんとか窮地を脱しようと粘り強くアイデアを絞り出す人は、そこから這い上がるどころかV字回復を果たして会社を成長させます。
あなたも、ハードルが高い仕事をこなさなければならない場面に直面することがあるでしょう。また、新しい企画のアイデアを捻り出すことを求められるかもしれません。
そんなときは、精神論も有効に作用するのです。自分の精神力を高めることで、仕事の処理能力や創造力を発揮することが可能です。
■3.置かれた場所で咲いていてはいけない
多くの人が、今いる境遇について「自分はこんなところでくすぶっているべきではない」と思っていることでしょう。
中小企業に勤めていて、給料が少ないことを嘆いているかもしれません。会社経営をしているものの十分な売上が確保できず、資金繰りに大きな不安を抱えている人もいるでしょう。
しかし、その人が今置かれている境遇は、誰のせいでもなく自分自身のこれまでの行動の結果なのです。それを変えるためには、置かれた場所で咲けばいいなどと悠長なことを考えている場合ではなく、今すぐ行動を変えるしかありません。
■4.「相手の気持ち」ではなく「相手の立場」を考える
よく「人と話をするときには相手の気持ちを察することが大切」だと言われています。スムーズかつフレンドリーに会話するためには、相手が気持ちよく話せる雰囲気をつくらなければならないという考え方です。
しかしこれは、実情にそうぐわないことです。なぜなら、相手の気持ちなんて本当は絶対にわからないからです。(中略)
人と話をするときに大切なことは、相手の気持ちを察することではなく、相手の置かれた立場を考えながら対応することです。
相手の立場についいては、質問することである程度把握できます。気持ちを理解することよりも、はるかに正確にわかります。
■5.事前準備は7割でいい
何かを実現しようとする前に、事前準備に完璧を期そうとすると、時間がいくらあっても足りず、いっこうに行動に移せません。
むしろ、短時間で密度の濃い事前準備を行い、7割くらいのできで見切り発車するほうがいいのです。
もちろん、準備不足の部分はありますが、不安を抱えながらも「出たとこ勝負だ」という気力を持ってスタートすれば、壁に直面しても乗り越えることが可能です。
【感想】
◆本書を読む上で確認しておきたいのが、「そもそも『きれいごと』とは、なんぞや?」ということ。辞書によると「実情にそぐわない、体裁ばかりを整えた事柄」とあって、これは分かります。
ただし、本書ではもうちょっと幅広い概念で捉えており、以下のようなことも「きれいごと」の範疇に含めている、とのこと。
・中身だけのないうわべだけの美辞麗句
・常識と言われているが、実は間違っていること
・本音や実体とは異なる建前
・操作された情報 etcetc...
確かに、世間一般的な「常識」のいくつかも、「きれいごと」に含まれると思います。
◆本書では、これら「きれいごと」を具体的に挙げた上で、どう対処するかを指南。
その具体的な「きれいごと」をいくつか列挙してみますと、こんなところが。
「結果よりもプロセスが大事」
「頑張れば誰かが評価してくれる」
「お金よりも大事なものがある」
「いい仕事をすればお金は後からついてくる」
「物欲はよくない」
これらについて、ある意味「真逆」に考えるよう提唱しているという。
実際、上記ポイントの3番目などは、引用文でも否定されていますが「置かれた場所で咲けばいい」というのも「きれいごと」に過ぎないとバッサリです。
◆ちなみに、上記の「具体的なきれいごと」の後半3つは、本書の第6章「収入は“仕事で本気になるため”の強力な手段」からのもの。
ここではいわゆる「お金」絡みの「きれいごと」についてなのですが、私自身、「きれいごと」の呪縛から逃れられない(?)のか、ご紹介するのに抵抗がありました。
ただし、「きれいごと」とは直接関係ないものの、「4つのお金の使い方」のお話は、触れておきたく。
これはお金の使い方を「消費」「浪費」「投資」「貯蓄」の4つに分けて、「使おうとしているお金がどれに該当するのかを考える」というものです。
そういえば、似たような考え方を時間管理術本でも見かけた記憶がありましたが、その際は「消費」「浪費」「投資」は同じでしたが、「貯蓄」ではなく「空費」でした。
……時間の場合、貯めることができないので、「貯蓄」がないのか、と今さらのように気が付いたという。
◆なお、冒頭で触れたように、著者の上野さんの肩書きは、「起業支援コンサルタント」です。
それゆえ、本書で登場する事例も、「起業」絡みが中心(それ以外は新卒で入った「国民生活金融公庫」時代のお話)。
その分、読まれる方が実際に起業を志している場合は、ストレートに腑に落ちるものの、一般的なビジネスパーソンにとっては必ずしもそうではない、と思われるものが、ちらほら見受けられましたのでご留意を。
もう1点、アマゾンでは表示されていませんが、装丁の帯のデザインが、本書の内容にマッチしてないと個人的には思うんですけどねぇ。
……とか考えている時点で、私も「きれいごと」(?)に囚われているのかもしれませんがw
自分の「常識」を、今一度見つめ直すために!
仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!
第1章 結果を出す人とは“やるべきこと”を厳選する人―この「きれいごと」をやめれば、仕事のムダはなくなる
第2章 仕事が速くて、目標を達成する人の基本ルール―この「きれいごと」をやめれば仕事は効率化する!
第3章 結局、“自由に考えられる人”は負けない―この「きれいごと」をやめれば柔軟な思考力が身につく
第4章 ムダな人間関係をリセットし、仕事を円滑に進める!―この「きれいごと」をやめれば、コミュニケーションの悩みは解消される
第5章 行動へのブレーキを外すコツ―この「きれいごと」をやめて、仕事をサクサク終わらせる
第6章 収入は“仕事で本気になるため”の強力な手段― この「きれいごと」をやめれば、稼ぐ力が高まる!
第7章 仕事の結果を邪魔するものを未然に防ぐ!―間違った情報に騙されないための指針
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【編集後記】
◆アマゾンの方で「ランキング大賞2015上半期(旧上半期・年間ランキング)」が発表されていましたね。Amazon.co.jp: 本 和書総合 ランキング大賞 2015上半期: 本
こちらは、Kindle本。
Amazon.co.jp: 2015年上半期Kindle本ランキング: Kindleストア
それにしても、この本が和書総合1位だったとはw
(日めくり)まいにち、修造!
ご声援ありがとうございました!
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