スポンサーリンク

       

2015年06月03日

【コミュニケーション】『ゼロ秒で相手に伝わる「立ち位置」の法則』オーハシ ヨースケ


476127090X
ゼロ秒で相手に伝わる「立ち位置」の法則


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店でたまたま捕獲したコミュニケーション本

帯に書かれた「コミュニケーションは立つ位置を変えるだけで100%うまくいく!」というフレーズに、思わず惹かれてしまいましたw

アマゾンの内容紹介から一部引用。
相手を思ってどんなに言葉を磨いても、気持ちがうまく伝わらない。
相手を責めるつもりで言ったわけではないのに、なぜか誤解されてしまう。
もしもあなたが、このような悩みを持っているのなら、それは「言葉」の問題ではないのかもしれません。
「言葉」以前の問題。そう、「立ち位置」に問題があるのです。
同じ言葉でも、相手に対して立つ位置=「立ち位置」によって、言葉の意味は変わるのです。
この本では、「言葉」以上に威力を発揮する「立ち位置」のつかみ方についてお話しします。
コミュニケーションの前提が変わってしまう、とても大事なお話です。

コミュニケーションで悩む人なら、要チェックです!






Scrabble - Career / flazingo_photos


【ポイント】

■1.相手と接しているときに気を付ける2つのポイント
 小さなころから、あなたは学校で、ひたすら「言葉づかい」や「話す内容」を学んできたはずです。それなのに、「同じ言葉でも、相手に対してどの位置に立つかで言葉の意味は変わる」という大事なことは学んできませんでした。
 話す言葉の内容を選んで同じ話をしているのに、相手によってうまく伝わったり全然伝わらなかったりする。このような理不尽さはすべて「立ち位置」で解決できます。
 相手に対して、物理的にどの「立ち位置」に立っているのか。そして心の中はどの「立ち位置」に立っているのか。たったこの2点を意識するだけで、言葉の内容に必要以上にとらわれなくても、すべてはうまく回り出すのです。


■2.私たちは「立ち位置」の変化でコミュニケーションする
 提案・リードする人は、みんなの存在を受け取れ見渡せるところに「立ち位置」を移動します。提案に賛成する人は、その人に近づく「立ち位置」に移動します。反対・拒絶する人は背を向け離れる「立ち位置」に移動します。その仲介をしようとする人は、賛成派反対派の両者を見渡せる中間地点に「立ち位置」を移動します。無関係な提案をする人は、この4人の立ち位置とは無関係に別の方向を向いた「立ち位置」になります。
 私たちは、あるタイミングにおける「立ち位置」の変化で、コミュニケーションしているのです。


■3.人間関係の基本となる8種類の立ち位置
(1)友達の立ち位置
(2)恋人の立ち位置
(3)親友の立ち位置
(4)肩書きの立ち位置
(5)演説の立ち位置
(6)批評の立ち位置
(7)権威の立ち位置
(8)拒絶の立ち位置

(詳細は本書を)


■4.「権威」と「おもてなし」は対極にある
 迷子になった5歳の子どものところに、もし大人が立ったまま近づいて声をかけたらどうなるか。「大丈夫か、ほら泣くんじゃないよ」とおじさんは親身になって声をかけます。すると5歳の子どもはもっと泣きます。上から視線を投げかけられるだけで、怖く感じられるのです。
 反対に、世界には必ず子どもの目線より低い目線で、子どもに接してくれるところがあります。膝を折り、身をかがめ下から子どもを見上げます。子どもをリスぺクトしているのです。
 そこは「ディズニーランド」です。その眼差しは、温かく優しい視線に感じられます。子どもはその眼差しに安心します。ディズニーランド全体が、子どもに「温かく優しい」視線を向けているのです。


■5.「AKB48劇場」が観客を魅了する秘密
 観客にとって彼女たちはスターであり、握手できる友人であり、恋人であり、秘中の秘である無名のうちからその活動を支援して親友の「立ち位置」にも立てるのです。もちろん観客は「おもてなし」の立ち位置で迎えられ、しかも出演者ひとりひとりへの人気投票という「批評の立ち位置」まで用意されているのです。拒絶の「立ち位置」を除いたおよそすべての「立ち位置」の要素が「AKB48劇場」にはあるのです。


【感想】

◆上記では、さらっと概略的なお話だけしてしまったので、もうちょっと具体的な内容にも触れておきます。

分かりやすいところでは、「同じ職場に好きな女性ができて、デートに誘いたい」ケース。

彼女がスイーツ好きだと知って、アナタはこう言います。
「原宿に新しいスイーツのお店ができたんだけど、今度一緒に行ってみない?」
相手の事を考えてメリットを提供していますし、悪くない提案なハズ。

ところが、この同じフレーズで3つの立ち位置から言うものの、いずれも玉砕してしまうという……。


◆最初のパターンでは、「立ち位置が彼女からちょっと遠かった」ため、彼女にしてみたら「仕事上のこと」として言われたと思ってしまいました。

2番目のパターンでは、「彼女に対して斜めに立った立ち位置だった」ため、「批判・批評」している意味合いが付与されることに。

最後のパターンでは、「椅子に座った彼女を立ったまま見下ろす姿勢だった」ため、彼女は「怒られてる!」と感じてしまいました。

それでは、どのように誘ったら良かったのか?

本書ではテレビドラマさながらに(?)、計算された「立ち位置」とそのシチュエーションを提案(詳細は本書を)。

「原宿に新しいスイーツのお店ができたんだけど……」と誘うだけで、ここまでやる必要があるのか正直分かりませんが、なるほど理屈は納得できますw


◆そして、こうした「立ち位置」について、詳しく掘り下げているのが、本書の第2章。

ここでは上記ポイントの3番目の「8種類の立ち位置」について、60ページ以上も割いて言及しています。

それぞれの「立ち位置」の、距離感や位置関係、思い、さらには込められたメッセージ等々、ある意味この章が本書のキモではないかと。

ちなみに、やはり各「立ち位置」ごとに収録されている、「そっとエクササイズ」と題した1人でもできるエクササイズを行うことによって、知識や情報を「身体で知る」ことができる仕様。

私は時間の関係で割愛してしまいましたが、お買いになられた方は、ぜひトライしてみてください。


◆なお、本書の巻末には、英・チェスター大学教授で、演劇を応用したコミュニケーションの研究をしているアレン・オーエンズ氏が、本書の推薦文を書かれています。

というのも、本書には、アレン教授が絶賛し世界中に推薦したいと言ってくれた「立ち位置」メソッドが詰まっているから、とのこと。

確かに、本エントリーでは割愛しておりますが、シェークスピア演劇と能や歌舞伎の「立ち位置」を比較したり、欧米文化と日本・アジアの文化を比較したり、とオーハシさんのメソッドには、学術的な裏付けもあるようです。

私自身、理解しきれない部分があったので、手放しでオススメしにくいところなのですが、すっ飛ばしたエクササイズをやれば、ストーンと腑に落ちるのかもしれませぬ。


コミュニケーションは、まずは「立ち位置」を意識するところから!

476127090X
ゼロ秒で相手に伝わる「立ち位置」の法則
第1章 なぜ、話す前から人間関係のほとんどが決まってしまうのか
第2章 人間関係は「8つの立ち位置」に分けられる
第3章 「立ち位置」は日本特有のコミュニケーション術
第4章 一度失敗しても大丈夫! 逆転の「立ち位置」マジック
第5章 「3つのほぐし」で立ち位置は自由になる


【関連記事】

【コミュニケーション】『あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知』高石宏輔(2015年05月18日)

【オススメ】『「対面力」をつけろ!』齋藤 孝(2013年06月19日)

【オススメ!】『コミュニケイションのレッスン』鴻上尚史(2013年05月28日)

知らないと損する『「なぜか人に好かれる人」の11の法則』 活用法(2012年03月26日)

リア充がひた隠しにしていた『敵を味方にする19のテクニック』(2011年10月05日)


【編集後記】

◆当ブログでレビューするには難しいテーマの本なのですが、ちょっと気になるのでご紹介。

4798141291
スライドデザインの心理学 一発で決まるプレゼン資料の作り方

なお、Kindle版も出ております。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。