2015年05月29日
【コミュニケーション】『大人のための会話の全技術』齋藤 孝
大人のための会話の全技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、取り上げた1冊。装丁からもお分かりのように、『大人のための読書の全技術』同様、齋藤先生のTIPSがギッシリ詰まった内容となっております。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
【挨拶、雑談から会議、スピーチまで。あらゆる局面で使える究極の1冊】
著者が教育学者として長年にわたり研究・実践してきた、誰でも「会話の達人」になれる最強メソッドを集大成。
才能はいらない! 最短で会話の達人になろう!!
そりゃ、あの「コミュニケーション強者」の齋藤先生のメソッドが手に入れられるなら、読まないワケには行きませぬ!
Age of Conversation 2 : 2008 / R.Rasmussen
【ポイント】
■1.会話に不可欠な4つの身体の使い方●目を見る私は目と目があったときにこそ、人と人の間に"線"がつながると考えます。そして、その"線"の上に言葉を乗せることで、相手にきちんと気持ちが伝わると思うのです。●微笑む自分の話に微笑んでくれる人と、仏頂面をしている人がいたとしたら、誰でも微笑んでくれる人と話していたくなるでしょう。ですから、微笑みはまさにコミュニケーションにおける基本中の基本と言ってもいいほど重要なものなのです。●うなずく相手の話をしっかり聞き、コクンとうなずくことは、意識しさえすればそれほど難しいことではありません。ぜひ、うなずきを自分のコミュニケーションに取り入れて、響く身体をつくっていって欲しいと思います。●相槌を打つ相槌を打つときは、「そうそう」「ああ、なるほど」「ほー」「そうなんですか」などと、相手の話に同意する意思を表す言葉を発します。
■2.常に要約して話す
具体的には、「端的に言うと」「要するに」という言葉を冒頭に使う癖をつければいいのです。実際に「端的に言うと」「要するに」を口に出さなくても構いません。話し出す前に頭の中でそう考えるだけで十分です。
そうすることで、ポイントを絞って相手に話そうという意識が高まり、物事を整理して話せるようになっていきます。
後は、見出しのようにワンセンテンスで表現してから、その場の状況や相手に合わせて、もう少し要旨や背景について触れたり、あるいは詳細に語るようにすればいいのです。
■3.難しい事柄をわかりやすく言い換える
まず、内容を正確に理解している必要があることは当然ですが、正確に理解しているからといって、うまく言い換えられるわけではありません。理解するということと言い換えるということは、レべルの違う話だからです。
求められるのは、「論旨の抽象度を低くする」という能力です。難しい言葉を解凍し、わかりやすい言葉に置き換えていく。ちょうど、冷凍の魚を解凍して、食べられる魚に戻すようなイメージです。
具体的には、抽象的な表現をしたあと、「たとえば……」と具体的な例を出して説明するのです。あるいは、抽象的な相手の発言に対し、「たとえば○○というようなことですか」と具体的な例を出して問い返すのです。
■4.雑談を極める9つのテクニック(抜粋)
●まずは肯定・同意する
●相手の話に「質問」で切り返す
●「相手8、自分2」で聞き役に回る
●相手の質問には「一問二答」で返す
●時事ネタはすぐ使う
(詳細は本書を)
■5.川のフォーマットを意識する
気をつけるべきは、専門的な内容を話す場合です。話し手は論理的に話しているのに、聞き手が完全に置き去りになってしまうことがよくあります。
そこでイメージしてほしいのが、川を渡るときの「踏み石」です。私は「川のフォーマット」と呼んでいるのですが、話し手と聞き手の間には川が流れているとイメージして、こちらから向こう岸に渡るための踏み石(足掛かり)をいくつか置くのです。
(詳細は本書を)
【感想】
◆冒頭で触れた読書本同様、本書も「齋藤メソッド」が詰まった1冊でした。ただし、私自身が齋藤先生のコミュニケーション関係の本を、読書関係の本ほど読んでいない事もあって、初見の内容が多々。
そもそも、先生の大ヒット作(43万部)である、この本が未読ですし。
雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール
一応、その続編である、こちらは読みましたが。
雑談力が上がる大事典---会話に困ったとき最初のひとことがスッと出てくる!
参考記事:【これは使える!】『雑談力が上がる大事典---会話に困ったとき最初のひとことがスッと出てくる!』齋藤 孝(2014年04月25日)
もっとも、これらの本のテーマは、あくまで「雑談」ですし、やはりコミュニケーション全般について、私自身のフォローは甘いと思います。
そういう意味では、私が付箋を貼りまくった箇所も、実は「ネタかぶり」なのかもしれませんが、こういった「集大成本」においては、ある程度はご理解頂きたく。
◆また本書は、タイトルにある「会話」よりも、もうちょっと広範囲な内容をカバーしています。
下記目次にもあるように、テーマとなっているのは、「コミュニケーション」。
例えば割愛した中で、講演関係や会議のファシリテーター関係のTIPSもあったのですが、さすがにこの辺は「会話」とは違う気が。
……と思って、本のタイトルを良く見たら、「会話」のところに「コミュニケーション」とフリガナが振ってあったというw
アマゾンの書影でも、小さく緑色で「コミュニケーション」と書かれているのが何とか見えますけど、そこはこの本のようにカッコ書きして欲しいな、と。
もちろん、その分抽出されたTIPSは、濃いものになっているワケですが。
◆なお、目次にあるように、本書の終章は「社会人なら知っておくべき歴史を動かしたスピーチ7選」というもの。
これは、前作である読書本の終章が「社会人が読んでおくべき50冊リスト」だったのに対応させており、「優れたスピーチはコミュニケーション技術の集大成ともいうべき存在だから」なのだそう。
アマゾンのページでもまったく触れてないので、ここでそのラインナップを挙げておくと、
●マララ・ユスフザイ(「国連スピーチ」)
●ムハマド・ユヌス(ノーベル平和賞受賞記念スピーチ)
●ネルソン・マンデラ(「刑務所から釈放直後のスピーチ」)
●マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(「ワシントン大行進スピーチ」)
●J・F・ケネディ(「大統領就任スピーチ」)
●マハトマ・ガンジー(「塩の更新前夜のスピーチ」)
●夏目漱石(「学習院スピーチ」)
とかなり豪華です。
そして、それぞれのスピーチの前に、齋藤先生の解説が6ページほど付いている、という親切設計。
考えてみたら、こうした「全文スピーチ」というのは、ジョブズのスタンフォード大学のものくらいしか、キチンと読んだことがなかった気がします。
正直、このパートだけでも本書を買った甲斐がありました(小市民w)。
◆ただ、やはり「スピーチ」もそうなのですが、本書のコミュニケーションスキルは、どちらかと言うと「聞く」より「話す」方に、やや寄っている印象を受けます。
もっとも、目線が下がっていたり、発声が悪くて相手が聞きとれない、というのは「会話」以前の「話す」方の問題ですから、このようなケースにキチンと対処しているのは、ありがたいところ。
また、上記ポイントの4番目の中で「『相手8、自分2』で聞き役に回る」と、話し過ぎないように釘さしているんですけどねw
とはいえ、付箋を貼ったり、ポイントを抜き出そうとすると、上記で挙げたように、どうしても「話す」方ばかりになってしまいます。
この辺は、やはり「自己表現」や「知的生産」がお好きな齋藤先生のご本ですから、TIPSが「話す」内容寄りなのは、ある意味当然なのかもしれません。
コミュニケーション力をアップするために!
大人のための会話の全技術
はじめに
第1章 そもそも、コミュニケーション力とはなにか
第2章 コミュニケーションの基礎能力を身につける
第3章 ちょっとスパルタ! コミュニケーション力の鍛え方
終章 社会人なら知っておくべき歴史を動かしたスピーチ7選
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【オススメ】『「対面力」をつけろ!』齋藤 孝(2013年06月19日)
【結構スゴ本!】『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記(2015年02月21日)
【会話術】『外資系とMBAに学んだ「先を読む」会話術』理央 周(2014年10月25日)
【編集後記】
◆たまに私も記事をご紹介頂き、そのたびにアクセスがドカスカくるという、F太さんがご本を出されていました。それを、「楽しいほう」に変えてみない? 明日ちょっと運がよくなる、思考のメモ
お手頃なお値段ですし、チェックしてみてください!
ご声援ありがとうございました!
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