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2015年05月27日

【働き方】『2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -』小杉俊哉


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2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、前回の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた仕事術本

著者の小杉俊哉さんは、NEC入社後、MITでMBAを取り、マッキンゼー、ユニデン、アップルと渡り歩いて来られた方です(現在は、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授、とのこと)。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? 
ある集団が形成されるとその中で2%程度のエースが必ず出現する。
会社の同僚はもちろん、大学、高校、クラスや部活などのあなたが持っているさまざまな「同期」。
彼らとは毎年どんどんその差がついていく。
あなたは、その先頭を走るのか、それとも「その他大勢」の中に埋もれてしまうのか?
あなたが「2%のエース」になるために本書にある「基準」はかかせないものとなる。

「世界に通用する働き方」を目指す方なら、要チェックな1冊です!





determination-goals-puzzle-1a--richardstep-unleash-your-strengths / RichardStep.com


【ポイント】

■1.「自律した人」を目指す
 多くの企業で多くの人材と関わって来て、分かったこと。
 それは、世の中には2種類の人間しかいない、ということだ。
 自律した人と、そうでない人だ。
 しかも、自律したごく一握りの人と、大多数のそうでない人だ。そして、多くの人たちと接して来て、私が感じて来たのは、真に自律している人は働いている人の2%程度しかいない、ということだ。自律とは、必ずしも転職したり、起業したりすることではない。一社に勤め続けていても自律している人はいるのだ。たとえ少数であっても確実に、だ。


■2.週末もクリエイティブに過ごす
 週末は、毎週取り立てて変化のない過ごし方をしていて、それで平日はどんどんクリエイティブなアイデアを考え新しい提案をし、イノべーションを起こしているような人、などというのは未だかつて見たことがない。
 クリエイティブに仕事をしている人は、週末もクリエイティブに過ごしているのだ。エースは、実に変化に富んだ週末の過ごし方をしている。


■3.転職しようかどうか迷わない
 こう書くと、いい話が来たら迷わず転職したほうがいい、という転職のススメだと思われるかもしれない。
 しかし、そうではない。むしろ逆だ。(中略)
 転職しようかどうしようか、などと考えている暇があったら、その時間やエネルギーを使っていくらでもやれることはあるはずだ。
 今の会社で、貢献できないようであれば、別の会社に移っても大した貢献はできないものだ。
 肚を括って好きなように動いて、新規事業を立ち上げたり、会社の改革をしたりしたら、その実績を引っさげて、次の会社に移って行けば、相当の条件で迎え入れられるはずだ。


■4.Quick & Dirtyを意識する
 たとえば、上司から課題が与えられたとする。納期は明日の夕方だ。今仕掛かりの仕事がある。
 もう少しで出来上がるので、これが終わってから、そちらに取り掛かるのが順番だ。これが昔私がやっていたことだ。
 しかし、与えられた資料にざっと目を通してみる。そして、全体像を把握して、何をやったらよいか、それにはどのくらいの時間がかかるか目処を付ける。
 もし、必要なデータ等があれば、それを予め調べておいてもらえるよう、誰かに頼めるなら頼む。自分で調べるのであれば、今日から明日までのいつ頃それをやるかを決める。(中略)
 そして、新しい課題について、できるだけ速く全体の骨格、シナリオ、仮説、を仮に作ってしまうのだ。その後これからのやるべきこと、流れを簡単にまとめる。完成度合いは、5、6割できれば理想的だが、4割くらいでもいい。それを、翌朝一番に上司に見せて、方向性の確認をするのだ。あるいは、メールで投げておくのだ。


■5.上司から上手く逃げる
 拙著『キャリア・コンピタンシー』(日本能率協会マネジメントセンター)を書く際に、各企業で活躍している人たちにインタビューをしたが、1社で勤め上げながら、自分の思い通りのキャリアや働き方ができている人たちに共通するのは、「合わない上司がいても、ぶつからず、彼らから上手く逃げる」ということだ。
 特に、自らやりたいことや、やり方を持っている人は、まず上司とぶつかる。そのような時に、無理に上司を説得しようとしても無駄な努力で終わるということを知っているので、そこにエネルギーは使わない。


【感想】

◆当ブログにおいて、小杉さんの作品としては、以前、この本をレビューしています。

4806142360
ラッキーな人の法則

参考記事:【幸運!?】『ラッキーな人の法則』に学ぶ7つの法則(2011年12月17日)

そして上記記事でも触れているのですが、それよりもっと前に読んだこの本が、小杉さんの中ではベストではないか、と思っているワタクシ。

4820716018
キャリア・コンピタンシー―新・知的ビジネス・スキル講座 (新知的ビジネス・スキル講座)

……上記ポイントの5番目でもさらっと出て来てますが。

以降、小杉さんの新刊が出ても、この本と比較しては、見送ってばかりいました。


◆もちろん、作品のテーマ的に「ウチではいかがなものかと」とスルーする事も多く、たとえば、小杉さんのこの本は、出た当時チェックもしていなかったのですが、本書によると、米Google社内で紹介され、話題になったのだそう。

4396113064
リーダーシップ3.0――カリスマから支援者へ(祥伝社新書306)

その模様については、下記エントリーご参照の事。

アメリカ型経営がリーダーに「思いやり」と「謙虚さ」を求め始めた | MiLI

「3.0」というくらいですから、当然「1.0」や「2.0」もいる(「1.5」もアリ)のですが、この本のサブタイトルにもあるように「カリスマ」から「支援者」へと、リーダーが変わりつつある、とのこと。

そして「エース」と呼ばれる人たちも、この本で言われる「思いやりのリーダーシップ」を兼ね備えているようです。


◆なお、人事畑を歩かれてきた小杉さんだけあって、若手社員の潜在能力に関する言及もアリ。

たとえば、この本では、「将来幹部になれるような潜在能力の高い若手社員を見極める方法」が書かれているとのことです。

4833417197
ハイ・フライヤー―次世代リーダーの育成法

本書では、その「潜在能力の高い若手社員」の11の特徴が列挙されているので、一部抜き出してみますと……
・学習機会を追求する
・広範囲の事業知識を追求する
・フィードバックを求めてそれを利用する
・失敗から学習する
といった辺りが。

実はこれらは意図的に抜き出したのですが、皆、「学習」に関するものばかり。

要は、こうした「将来の幹部候補」のような「エース」も、「学習し続ける人」であるというワケです。


◆本書を最初見た時に、予想した内容は「エリートの仕事術」的なものでした。

タイトルにある「エース」も、「上司から与えられた課題を器用に効率的にどんどんこなし、同期よりも入社早々から業績が高く、上司から高い評価を得ている」ような人を指すのだと思っていたわけでして。

しかし、これからの「エース」は、そうした「エース像」とは違う、というのが小杉さんの主張です。

しかも、一流大学を出ていなくとも、大企業に入っていなくとも、「エース」にはなれる、とのこと。

他の一般的なマッキンゼー出身の作品とはひと味違うテイストですが、逆に、ガツガツやるのが苦手な方なら、一読の価値はあるかと。


同期の中で埋もれないために!

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2%のエース思考 - あなたはいつまで「同期」の中に埋もれているのか? -
第1章 「人生」の基準
第2章 「働き方」の基準
第3章 「仕事術」の基準
第4章 「コミュニケーション」の基準


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【仕事術】『最強「出世」マニュアル』浅野泰生(2013年09月26日)


【編集後記】

◆あの「マシュマロテスト」をテーマにした本が出ていました。

4152095415
マシュマロ・テスト:成功する子・しない子

ちょっと分厚いのですが、子を持つ親としては、読んでおきたいところです。


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