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2015年05月25日

【ブランディング】『すごい人のすごい流儀』伊藤正二郎


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すごい人のすごい流儀


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

著者の伊藤正二郎さんは、エイベックス・スポーツ株式会社の代表取締役社長であり、ダルビッシュ有選手やサッカー日本代表の本田圭佑選手のブランディングを担当されているという方です。

アマゾンの内容紹介から。
「コンセプト」を決める。コンセプトを外見・主張・行動に反映し、「一貫性」を持たせる。一貫性を「継続」する。この3ステップであなたの社会的影響力や魅力が高まる。数々のスーパースターをブランディングしてきた著者が語る、自分の価値を高める生き方。

登場する事例は、本田選手やダルビッシュ選手のものが多いのですが、ビジネスパーソンのパーソナルブランディングにも活かせると思われ。

なお、お買い得なKindle版もお忘れなく!





Yu Darvish / Keith Allison


【ポイント】

■1.「すごい人」をつくる「3つのC」
 これは長年、コンテンツ価値を最大化する仕事に携わってきたなかで培ったノウハウで、「スーパースターを創る技術」として、さまざまな場でお話しさせていただくこともあります。
 といっても、けっして難しいものではありません。
「コンセプト(Concept)」を決める。
 コンセプトを外見・主張・行動に反映させ、「一貫性(Consistency)」を持たせる。
 一貫性を「継続(Continuity)」させる。
 コンセプト、一貫性、継続の3つ。それだけ。とてもシンプルです。


■2.自分を「単語」で表現する
コンセプトを文章や「とても」といった副詞などを使って表現すると、それを外見・主張・行動に一貫性を持って反映することが難しく、継続も困難になってしまいます。提供する情報が曖昧だからです。
 むしろ、「美」「理想」「尊敬」などの単語、しかも名詞で表現したほうが、その人の本質的な魅力を端的に表し、しかもさまさまな場面に柔軟に対応できる。普遍的でもあります。


■3.短所はすべてひっくり返す
 短所を挙げ連ね、自分を卑下する時間はありません。すべてのキーワードと一緒に、今までのネガティブだった自分自身をひっくり返しましょう。
「優柔不断」は石橋を叩いて渡る「慎重派」、「内向的」な人はきっと自分一人の時間を探し、内に秘めたる強さを「自ら伸ばせる人」でしょう。
 こんなふうにネガティブワードをポジティブワードに置き換えるだけで、短所だらけのコンセプトは長所ばかりのすばらしいコンセプトになります。


■4.コンセプトに従って生きる
 コンセプトは「理想」、あるいは「人生のルール」と言い換えられるでしょう。
 理想の自分になるためには、改めるべき習慣もあるし、やってはいけないこともあります。
「美」と「健康」がコンセプトであるなら、不摂生な生活を控え、適度な運動、良質の食事と休息をとり、常に美しい振る舞いを徹底しなければなりません。
 慣れないうちは甘えも出るし、サボリたくもなる。生き方に一貫性を持たせるのは、難しそうに思うかもしれません。けれど、毎曰コツコツ継続するだけで必ず結果に表れます。ある意味、最も確実で、楽な近道なのです。


■5.自分の発言がコンセプトに合っているか意識する
 言葉の重みを無視することはできません。あなたのコンセプトが発言内容に込められているかはもちろんのこと、ちょっとした言い回しやタイミングなどで、周囲の人のあなたに対する印象は変わります。
 たとえば、コンセプトが「丁寧」や「親切」なのに、汚い言葉づかいであれば「粗野」なイメージを持たれてしまいますし、反対に、聞き手に配慮した丁寧な言葉づかいを心がけていれば、コンセプト通りの印象を与えることができます。
 どういった言葉で、どういったメッセージを発するのか。それなくして一貫性を持たせることはできないのです。


【感想】

◆言われていることが、それほど複雑でない分、個人的には結構腑に落ちました。

たとえば、上記ポイントの2番目のポイントに関して、ダルビッシュ選手の場合「世界」「技術」「緻密」「努力」といったキーワードが設定されているそう。

ですからもし、広告出演を希望するクライアントの広告コンセプトが「緻密な技術を武器に世界へ飛び立つ」というものであれば、キーワードの共通点があり、広告出演の必然性が感じられます。

確かに私も、ダルビッシュ選手の時計の広告を、日経新聞で何度か見かけた記憶が。

……今ググって、メーカーサイトに行ったら、サッカーの武藤嘉紀選手に代わってたんですがw


◆逆に、かつての日本では、アスリートは「有名な一般人」扱いでした。

出演するCMも「有名である」だけで起用されるモノが多く、本書のエピローグで挙げられていたのが「インスタントラーメンのCMにサッカー選手がお笑い芸人のようなコミカルな動作で出演したりしていた」ケース。

あきらかにコレ(複数パターン有り)とかだと思うのですが……。



つまり、「コンセプトを外見・主張・行動に反映させて一貫性を持たせ、継続させ、価値を最大化させる」という、今、伊藤さんが行っているようなことは、当時は行われていなかったわけです。


◆そして、上記ポイントの5番目にもあるように、本人の発言も、コンセプトに沿っていることが大事。

ダルビッシュ選手も「土、日の休みが消え。夏休みが消え。冬休みが消え。友達が遊んでいる時に練習してた。だから今がある」とも言っているそうで、上記に挙げたキーワードである「努力」とマッチしています。

これが「努力している」と言いながら、練習で手を抜いていたり、不摂生な生活を思わせる体型だったとしたら、こうした言葉も響かないはず。

そういう意味で、上記ポイントの4番目の通り、日頃の生活から、自分のコンセプトを意識して、それに従う必要があるのだと思います。


◆ちなみに、上記ポイントの3番目を読んで思い出したのが、こちらの本。

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困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典

参考記事:【貴方は大丈夫?】『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』村上英記(2014年07月23日)

上記レビューでも触れているのですが、「ワンランク上の悪口にならないポジティブフレーズ」というところで、同じような言い換え(=ひっくり返し)を行っています。
●要領が悪い人 ⇒いつもひたむきに仕事に取り組んでいますよね。

●計画性がない人 ⇒行動力があって、うらやましいです。

●優柔不断な人 ⇒思慮深い人ですよね。
実際、「100%の短所」ということはないと思いますので、ネガティブワードをポジティブワードに換えて頂きたく。


改めて「パーソナルブランディング」を考えたい方に!

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すごい人のすごい流儀
第1章 「すごい人」は自分を一言で表せる

第2章 「すごい人」は一本筋が通っている

第3章 「すごい人」はなにがなんでもやめない


【関連記事】

【才能?】『人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」』田坂広志(2015年05月22日)

【オススメ!】『カリスマは誰でもなれる』オリビア・フォックス・カバン(2014年02月05日)

【キャリア構築】『会社で「ブランド人」になれ!』デービッド・ダレッサンドロ(2010年08月04日)

「パーソナルブランディング」 ピーター・モトンヤ (著) 本田直之 (訳)(2005年06月09日)

【貴方は大丈夫?】『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』村上英記(2014年07月23日)


【編集後記】

本日のKindle日替わりセールから。

B00MG9UH06
(日本人)

私もファンである橘玲さんの2012年の作品。

送料込みの単行本の中古よりもお買い得になっております。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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