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2015年05月18日

【コミュニケーション】『あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知』高石宏輔


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あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の時点で、何冊かお買い上げ頂いていたコミュニケーション本

著者の高石宏輔さんは、あの宮台真司さんからも「本物です」と言われたカウンセラーであり、本書の帯にも宮台さんが推薦文を書かれています。

アマゾンの内容紹介から。
瞬間で他者の内面とつながる気鋭のカウンセラーが、ナンパ、催眠、会話を見つめることから生み出した驚きのコミュニケーション術とは。

予想通り「ナンパ」に留まらない、深い内容でした!






Pennsylvania School Counselors Association Conf. / ArmyStrongPA


【ポイント】

■1.オートマな行為を自覚する
 人の話を聞いて、間髪入れずに「あー」と高い声で相槌を打つクライアントがいた。彼はコミュニケーションがうまくいかないことについて悩んでいる。(中略)
 彼は「あー」と言いながら、話をなんとか繋ごうと頑張って考えている。頑張って考えて、相手に何らかの質問をする。質問をされた方はまた答えるが、彼にまた「あー」と分かっているような動作を示されたのちに、分かっていないことが分かるような質問をされる。(中略)
「分かっていないなら、あーと言わずに、ゆっくり言われたことを咀嚼してみたらどうかな? それで分からないことがあったら聞いてみたっていいわけだし」
 と彼に伝えた。
 すると、彼は「あー」と言わずに、人の話をじっくりと咀嚼するようになった。そうすることでようやく他人との会話のキャッチボールが始まった。


■2.相手と自分の身体の状態や声のトーンを確認する
 だから、もし相手の気持ちを分かりたいと思っているのにうまくいかないなと感じていたら、相手と自分の身体の状態や声のトーンを確認して欲しい。同調しておらず、ズレていることがわかるだろう。
 もしかすると、そのときは、自分勝手に相手のことを考えているだけかもしれない。そう思ったときは、落ち着いて自分がいったい何を考えているのかを観察して自覚することだ。
「あぁ……相手のことじゃなくて、自分のことを考えているだけだった」と、その考えに気づいて、改めて相手に丁寧に意識を向けたとき、自然と同調し、相手の身体の緊張具合や声のトーンに自分の身体が合うのを感じられるようになる。


■3.自分と他人を混同しない
 たとえば、怒りは自分の中にある見たくない部分を他人の行いを通じて見せられたときに生じることもある。また、他人への共感は、自分の中にあるものを自分が心地良く受け取れるように見せられたときに生じることもある。誰かのファンなどはそれである。彼らは1人の人物や、その人物の表現――たとえば曲や文章の中に自分自身を見ている。熱狂しているとき、相手に自分を投影して、本人はその人物を自分と同じだと思い込む。
 こうした他人と自分を混同して起こる怒りや共感を、自分から引き離して見ることができたとき、自分がどのようなことを感じ、どのようなことを思い込んでいるかということに気づく。こうして、自分と他人を混同していないかを注意深く確認していくことで、怒りを感じることが少なくなったり、他人に盲目的に熱狂したりすることがなくなってくる。


■4.喫茶店で他人の会話を観察する
 喫茶店などで、別の席で会話している知らない人たちの様子を見て、身体の動きの同調の具合を観察してみる。たとえば、一方が話したあとにもう一方が必ず乾いた笑いをするとか、過剰に領くとか、一方は身を引いて腕を組んでいて、もう一方は身を乗り出しているとか、二人のズレを探してみる。(中略)
 この稽古では、自分は観察するだけなので、他人と対面しておらず、相手との関係性がないからやりやすい。実際に相手を目の前にすると、相手に返事をしたりしなければいけないので難しい。まずは自分が相手と対面していない状況で動きのズレを見つけることができるようになると、他人と対面して話しているときにも自然と自分と相手のズレを見つけることができる。


■5.踏み出すに足りていないものを探す
 ナンパ講習をしていたときによく相談された悩みが「声がかけられない」だ。
 たいていの場合、そういう悩みを言ってくる人は、声をかける準備が本人の中でできていない。「なんでかけられないのか」と聞いていくと、自分の服装に満足していなかったり、自分の仕事に自信を持てていなかったりすることが理由になっている。そういう人はそれでも無理をして声をかければ、きっと自分が変わると思っている。
 しかし、冷静に考えれば、無理にナンパをするよりも、服装を満足のいくものにしたり仕事を自分で納得がいくくらいまでやってみたりした方が、いつまでも「声がかけられない」という悩みを抱え続けながら、何もしないよりも良いのではないだろうか。


【感想】

◆本書を読みながら、今までの高石さんのTwitterやブログ、さらにはイベントでの発言を色々と思い出していました。

たとえば、これは以前ブログでも触れたお話なのですが、2013年の12月に行われた宮台真司さん主催の「男女素敵化大会議!!」。

「男女素敵化大会議!!」宮台真司による反省文掲載!:宮台チャンネルブロマガ:宮台チャンネル(宮台真司) - ニコニコチャンネル:社会・言論

このイベントでの質問タイムで、高石さんに質問した男性がいたのですが、その方、高石さんが回答している最中も、「はい!」「はい!」と相づちを打っていました。

その方に対して、高石さんが「あなたがそうやって『はい!はい!』言ってるうちは、僕の言ってることも分かってないですよ」と言われたのは、まさに上記ポイントの1番目のお話と同じだな、と。

ちなみに、そう言われている最中も、相変わらずその方は「はい!」「はい!」言っており、残念ながら真意は伝わっていなかったようです。


◆また、上記ポイントの4番目で思い出したのが、高石さんのツイートで良く見かける喫茶店でのもの。

フォローしている方ならご存知の通り、沢山あって逆に「これ!」というものが挙げにくいのですが。


今までそういったツイートを見ながらも、趣旨がよく分からなかったのですが、なるほど、「観察」するには好都合だったんですね。

なお、観察の対象はお客さんのみならず、店員さんも同様。
店員さんにまで注意したことのなかった自分は、逆に、いかに他人に対して無関心なのかを、今般思い知らされたわけなんですが。


◆一方、「観察」は「他人」だけではなく、「自分自身」についても行わねばなりません。

そのために効果的なのが、いくつかのワーク。

高石さんのツイートで見かける「スワイショウ」なるものも、本書では解説されています。

……いいサイトが見つからなかったので、とりあえずこちらを。

腕を身体の前後に振るだけの気功術「スワイショウ」のやり方と効果 - NAVER まとめ

それに続く「雲手」というのは、初めて目にしたのですが、ググっても空手関係のサイトしか出てきませんでした。

いずれも本書では図解入りで解説されていますので、そちらをご覧ください。


◆冒頭で触れたように、本書は「ナンパ」に直接的に役立つような「マニュアル」ではありません。

ただし、本書を読んで得られた気づきは、ナンパどころか、ビジネスシーンでも大きなリターンを生んでくれると思います。

本書の中で、高石さんが挙げてらした「営業トーク」(安易に発言される「なるほどですね」「そうなんですね」等々)をなさっているような方は、本書を読むことで、ひとまわり大きく成長できることは必至かと。

そのために必要なのが、「観察力」であり、それは結局「コミュニケーション」の本質に繋がることなのだと感じました。

……やっぱり「ナンパ」にも効果アリ、ということでw


◆そういえば、ナンパではないんですが、高石さんといえば、世間一般的(?)には、峰なゆかさんとのこのやり取りが有名なんでしょうか。

峰なゆかの「女くどき飯」第4回:オザケンヘアのカウンセラー(34)と渋谷の中華で - みんなのごはん

まだご覧になってなかった方は、ぜひご一読を(爆笑必至ww)。

最後のコマで、高石さんのくどき文句として
峰さんみたいな人、好きと言えば好きですよ。
というのが、挙げられているんですが、当初これを読んだ時は、いかにも「ナンパ師らしい口説き文句」だと思ってましたし、峰さんも「自分から『会いたい』と言うのではなく相手に言わせるキラーワード」と指摘されています。

ただ、本書を読んでから、改めてこのフレーズを読むと、ちょっと違った印象を持ちまして。

ひょっとしたら、これは高石さん自身が、ご自分を観察した結果出てきた正直な言葉なのではないか、と(考えすぎw?)。


何度でも読み直したい1冊!

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あなたは、なぜ、つながれないのか: ラポールと身体知
プロローグ
第1章 ありふれた日常には特別な発見がある
第2章 僕はコミュニケーションが苦手だった
第3章 コミュニケーションを見直すいくつかの方法について
第4章 同調がわかるとコミュニケーションが変わる


【関連記事】

【コミュニケーション】『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』戸田久実(著),岩井俊憲(監修)(2015年03月06日)

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【モテ】クラトロさんの「女性を口説くための本質を語るセミナー」にお邪魔してきました!(2013年11月12日)


【編集後記】

◆本書の「よく一緒に購入されている商品」がこちら。

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いま、幸福について語ろう 宮台真司「幸福学」対談集

この本も面白そうですねw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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