2015年05月10日
【自己啓発】『ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう――あなたの実力を全開にするレッスン』エリック・ベルトランド・ラーセン
ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう――あなたの実力を全開にするレッスン
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった1冊。監修を「東大主席弁護士」こと山口真由さんが担当されているため、リアルで見ると山口さんの本のようですが、著者のエリック・ベルトランド・ラーセン氏は、ノルウェー有数のメンタル・コーチであり、オリンピック金メダリストや企業エリートにコンサルティングを行っているのだそう。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
問答無用のカウンセリングで金メダリストや企業エリートの力を引き出す話題騒然の「メンタルコーチ」の教えとは?
ノルウェーの記録的ベストセラー!!
確かにこの手の自己啓発本としては、かなり腑に落ちる点が多かったです!
Gold Medal Move on the Outside / jonwick04
【ポイント】
■1.メンタルはトレーニングで鍛えることができる私に言わせれば、メンタルトレーニングという概念は、不必要に神秘化されている。スポーツ心理学者は手持ちの札を隠したがり、同業者のメンタルトレーナーには、心の傷を治したり、性格的な欠点を補うことを主眼に置く人が多い。
だが、私にとっては、精神的なフィットネスは「単なるスキル」だ。
誰もが取り組むべきものであり、会計士が数字を勉強し、マネージャーが情熱をかきたて、スキー選手が日々のトレーニングに励むようなものだ。
メンタルも、ほかのスキルと同じように、トレーニングで鍛えることができる、というのが私の持論だ。
■2.第二の選択肢を考えておくと、夢に集中できる
国防軍時代によく言われたのが、悪い展開を想定してもいいが、そこに意識の大部分を集中させてはいけないということだ。
兵士の安全を確保するため、準備段階で「起こりうる事態」についてしばしば質問をする。ことがうまく運ばなかった場合に取るべき行動を予習しておくのだ。先ほどのゴルファーは、ゴルフに賭ける決心をした。その一方で、目標に達しなかった場合の第二の選択肢について、紙に書いてもらった。何を勉強し、どんな仕事についているか、詳細な計画を思い描く作業をした。これを終えてようやく彼女は、目標と夢にすべてのエネルギーを注ぐことができるのだ。
■3.大きな決断には、必ず感情が絡んでいる
決心は常に、感情的な反応の結果である。感情が強ければ強いほど、決心したという確信が強くなる。
意外かもしれないが、知識だけでは、私たちは変わることができない。肥満は不健康だ、喫煙が肺がんの原因になる、と頭で理解するだけでは不十分なのだ。学校の成績を上げる方法を雑誌で読んだり、よい上司になる方法をビジネス書で読んだりしても、情報を学ぶだけでは変化を起こすには足りない。
人生のすべての大きな決断や選択には、感情が絡んでいる。たとえばあなたが、特定の分野を勉強したいと思った場合、その選択肢に至るまでに、なんらかの感情が介入しているはずだ。ダイエットをしようという決意の裏には、感情がある。
■4.目標を常に思い出す工夫をする
1週間に1度はしてほしいのが、目標を常に思い出し、自分が何と戦って、何を手に入れたいのかを、確認すること。
たいていの人間は怠け者なので、目標をわざわざ思い返したりしなくなる。しかし、成功したければ、これは絶対にしなければならない作業だ。そうしないと、最終的にコンフォートゾーンに引き戻されてしまうからだ。
そのために、「思い出すためのスイッチ」を作ろう。べッドのそばに張り紙をする。腕時計をいつもと逆の腕にはめる。靴ひもの色を変えてもいい。
■5.本番では「目の前にあるタスク」に集中しない
トレーニングの目的は、本番を自動操縦で行えるようにすること。これまで何千回もやってきたのと同じことを確実に行うのだ。本番で目の前のことだけに集中するのは、教習所の教官が生徒に、「交通の流れを観察するよりもギアチェンジとクラッチに集中しなさい」というのと同じぐらい無意味なのだ。
ほとんどのスポーツには、その競技でしか使われない特殊なテクニックがある。選手はあらゆるテクニックを自動操縦できるようになるために、日々リハーサルと練習を行わなければならない。このトレーニングができていれば、試合中に、テクニックについて考える必要はない。自動的に行われるからだ。
では、本番では何を考えるべきなのか?
本番中は、やるべき作業について考えてはいけない。思考は正しいモード、つまり最適な精神状態に入るために使うべきだ。
【感想】
◆メンタルトレーナーにも、色々なタイプがいると思うのですが、本書の著者であるラーセン氏は、ノルウェー士官学校出身の「ガチムチ」系。「300人いたのが4週間後には20人になる」ほどのハードな訓練に耐え抜き、ただ1人空挺部隊に選ばれた、という人物です。
それがどうしてメンタルトレーナーという職業に就き、オリンピックで特定の選手の指導をするに至ったのか、については、本書の序章にてご確認を。
何でも、オリンピック選手に選ばれたり、さらにはそこでメダルを獲ったりする人は、普通のアスリートに比べて、「多くの領域」において「少しだけ多く」成長するのだとか。
ただし、このわずかな違いが積み重なって、決定的な違いになるそうで、「やるべきこと」「やらなくてはいけないこと」を日々行なうようにフォローするのが、ラーセン氏のスタイル。
たいていのメンタルトレーナーが、本番のパフォーマンスだけに的を絞るのと違い、ラーセン氏は「準備段階」に重きを置いているのが、大きな特徴です。
何と言っても、パート1のタイトルが「日常生活を変える」ですしw
◆また、今回個人的にもっとも「なるほど」と思ったのが、上記ポイントの3番目の「感情」のお話でした。
何らかしらの「目標」や「夢」を叶えるためには、「感情」という要素が必要、という指摘は、私自身の税理士試験の受験時代を思い起こしても、深く納得。
実際、思うように科目合格ができなかった頃は、特に「感情」を交えた記憶はありませんでした。
一方で、ラーセン氏の「メンタルトレーナーとしての仕事のひとつ」が、クライアントの「感情を引き出す」こと。
では、その「感情を引き出す」方法は?、と言うと「わざと挑発する」。
クライアントが、ゴールに到達することを「願う」のではなく、「本気でやる決心をする」ようになるためには、「挑発的な質問が功を奏する」、とのことです。
◆そんなラーセン氏の指導内容が細かく記載されているのが、パート2にある「イメージの視覚化」の部分。
スポーツ選手がイメージトレーニングをする、という話はよく聞きますが、ここではラーセン氏のクライアントの1人である銀行家が登場します。
彼は、企業に対して行なう営業のプレゼン(ピッチ)が苦手で、極度に緊張し、話す時には声が震えてしまうという悩みを抱えていました。
そこで、ラーセン氏がイメージトレーニングのカウンセリングを実施。
実際に何を訊いて、何を言ったか等のやりとりまで再現されているのですが、ここまで細かくイメージするのか、と正直驚きました。
中の小見出しにあった「イメージトレーニングは超リアルでなければ意味がない」という一文は、まさにその通りだな、と。
◆また、上記ポイントの最後で触れられている「モード」についても、同じくパート2で解説されています。
「モード」とはひとことで言うと、「最適なパフォーマンスを行なえる精神状態」のこと(本書より)。
ここで私が疑問に思ったのが、俗にいう「ゾーン」とどう違うのか、ということでした。
……巻末の「監修者解説文」で山口真由さんは、「これと同じでしょう」とザックリ言われてますが、微妙に違う気が。
ラーセン氏は対照的な「モード」として、往年のテニスプレイヤーであるジョン・マッケンローとビョルン・ボルグを挙げており、ここで「冷静で集中力があり内向的なのはボルグのモードであり、マッケンローのモードではないからだ」と言われています。
つまり、自分の「モード」に入ることによって、「ゾーン」が実現できるのではないか、と。
本書では、各人それぞれの「モード」を探し出し、さらに、その「モード」に入る方法まで指南されているので、ここは実際に本書を熟読して頂ければ、と思う次第です(他力本願)。
◆恐らく本書の内容のうち、パート1の「日常生活」部分については、比較的実践しやすいハズ。
一方で、上記で触れたパート2の「イメージトレーニング」や「モード」については、正直、そう簡単にはできないと思います。
もっとも、本を読んだだけでは簡単にできないからこそ、メンタルトレーナーの力を借りる必要があるだけの話であって、理論的には納得のいくものでした。
また、今まで同じように本を読んで「イメージトレーニング」の効果があまりなかったり、「ゾーン」に入れなかった方にとっては、本書は参考になる可能性は高いかと。
サブタイトル通り「あなたの実力を全開にするレッスン」です!
ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう――あなたの実力を全開にするレッスン
序章 「あの快感」を追いかけろ 私がメンタルトレーナーになるまで
パート1 日常生活を変える
1.まず、自分の「現在位置」を確認する
2.今すぐ成功に備えなさい
3.段取り中――努力を「自動化」する
4.あらゆる才能は作られたものである
5.心のつぶやきが人生を決める
パート2 [実践編]本番力をつける
1.イメージの視覚化
2.なりたい人のしぐさを真似る
3.「モード」を使いこなす
4.折れない心を作る技術
[監修者解説文]本書を「読み終えた後」の使い方
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【編集後記】
◆本書の中で紹介されていた1冊。非才!―あなたの子どもを勝者にする成功の科学
出た当初は多分高くて手が出なかったのですが、今なら中古がお手頃になってますね。
ご声援ありがとうございました!
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