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2015年05月04日

【出世のレシピ】『同僚に知られずにこっそり出世する方法』に学ぶ5つの戦略


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同僚に知られずにこっそり出世する方法ーーー社内政治を使いこなす7つのルール


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「裏ワザ」的な出世の方法を指南してくれる本。

本国での原書の評判が上々なのは、実際に本書に書かれているような体験をされてる方が多いからかもしれません。

アマゾンの内容紹介から。
能力があれば、結果を出せば、あるいは一生懸命やれば認められると一般的には思われているが、それらはすべて神話に過ぎない。
著者自身が若手マネジャーの頃、頑張ったのに評価されず、無能な上司が昇進していくのを悔しい思いで見ていた経験から、社内政治を使いこなすための「会社の本当のルール」を伝授。

なお、Kindle版も既に出ておりますので、こちらもご検討を!





no telling where the money went / Adam_T4


【ポイント】

■1.自分のアイデアに決してこだわらない
 本物の権力、ひいては大きな昇進は、人々に何かを説得することによってではなく、愛されることによって生まれる。同僚が自分の成功を望んでくれなければならないのだ。私の経験では、何かのアイデアにこだわり過ぎると、それを押し通すためにどうしても何かを犠牲にしてしまう。得てして第一に犠牲になるのは客観性だ。そしてどんなマネジャーも、客観的なイメージを常に失ってはならない。二番目の犠牲は人間関係という資本で、それはいつか自分の昇進に影響することになる。


■2.「何が正しいか」を優先しない
 ナンシーの最後の失敗は、「何が私のキャリアにとって正しいか」よりも「何が正しいか」を優先してしまったことだ。自論が正しかろうがそうではなかろうが、クビになるまで議論を闘わせていても何も良いことはない。あなたにとっての最優先事項は自らの出世であり、社内で駒を進めることだ。そうすればいつの日か影響力と権力、そしてあらゆる役得が手に入る。ナンシーをはじめ多くの人は、青臭いやり方で事に臨んでしまう。権力を手に入れて正しいことを安心して行えるようになる前から、「正しいこと」にこだわり過ぎてしまうのだ。


■3.自分の仕事を社内で売り込む
 エヴァンの物語は、有能なマネジャーや若い経営幹部が犯しがちな最も一般的な失敗の1つを示している。私たちは実にしばしば、良い仕事は自ずからわかると考えてしまう。たとえ内心ではそれだけではダメだとわかっていても、そうあるべきだと考える。だが私の経験では、どんな仕事の成功も質はぜいぜい4割、残り6割はそれをどう社内営業するかにかかっている。(中略)
 社内営業に失敗するのは、その重要性を理解していないからだ。誰だってやるべきとわかっているが、優先順位や成功の評価要因を誤っているのだ。優秀で才能あるマネジャーほど仕事の質そのものを第一にしたくなる。そして頑張って良い仕事をすれば十分だと思ってしまう。だが質の良さだけでは不十分なのだ。


■4.大型プロジェクトで存在感を示す
 日常業務を見ているのは、直属の上司と同部門の同僚だけだ。これでは昇進など望むべくもない。少なくとも、上級管理職以上においてはそうだ。それ以上の出世を望むなら、自分の部署以外でも認められなければならない。
 これはあなたのキャリア戦略にどう関わるのだろう? まず得点法を変えることだ。日常業務をコツコツ積み重ねるより、大仕事での成功を目指せ。フィールドゴール戦略でトップにはなれない。これを念頭に、次はタッチダウンの狙える大きな仕事や問題をどう探すかだ。


■5.勝ち残るための7つの戦術
・実力者(インフルエンサー)リストを作れ
・意思決定の枠組みを作れ
・昇進経過を立てよ
・学習カレンダーを整理せよ
・変革期をチャンスに変える作戦を立てよ
・大型プロジェクトを見つけて手を挙げろ
・助ける対象を見つけろ

(詳細は本書を)


【感想】

◆下記目次にあるように、本書は5つの章から構成されているのですが、実は第4章の「社内政治を使いこなす7つのルール」だけが飛び抜けてボリュームがあり、全体の6割ほどを占めています。

そこで上記ポイントもそこから4つ抜き出しており、ポイントの2番目と3番目で特定の名前が出てくるのは、第4章がそれぞれ成功例と失敗例のエピソードで対比しているから。

同じような状況下でも、取った戦略や行動によって、結果が大きく変わってくるワケです。

たとえば、上記ポイントの1番目を抜き出したパートでは、ジョブズに心酔する「夢想家」ビクターが、TED風プレゼンで自社の改革を訴えるのですが、完全に空振り。

一方で「客観的な」オットーは、大きなプロジェクトに任命されると、真っ向勝負で最善の解決方法を探ろうとせずに、「猫でもできるフレームワーク」なるものを駆使します。

詳しくはエピソードを読んで頂くとして、オットーは「自ら問題の解決法を考え出すよりも、人に解答させるように仕向ける」ことによって、たとえ自分が「問題自体について詳しくなくとも」解決に導くという。


◆また、興味深かったのが、「自社が買収された場合」の身の振り方のお話。

上記ポイントの2番目のナンシーは、「そろそろIPOするのでは?」と期待していた自社が、「大手ロートル企業」に買収されてしまいます。

その際、彼女が取った行動は、業務内容において「何が正しいか」にこだわったこと。

ただしそれは、買収した企業のやり方にそぐわず、軋轢を起こしまくったナンシーは買収から3ヵ月ほどで解雇されてしまいます。

対照的に、ナンシーと同じ会社にいたカールは、買収が発表されたその瞬間から、「密かに練っていた戦術」を実行。

実はカールは、かつて自分のいた会社が買収された際に、ナンシーと同じような行動を取って昇進が遅れた経験があり、「今度こそは」の思いが強かったのでした。

具体的にカールが何をしたかについては、これまた本書にてご確認を。


◆個人的に「なるほど」と思ったのが、ポイントの5番目の「大型プロジェクトで存在感を示す」というお話です。

とにかく、日常業務を地道にコツコツやっていても、それはアメリカンフットボールのフィールドゴールと同じで3点しか入りません。

ところが、大きな仕事で成功を収めると、それはタッチダウンのように6点入るため、フィールドゴールを余裕で追い越せるワケです。

もちろん、日頃からコツコツやっておいて、ここぞ、という時にタッチダウンを決められれば一番いいのでしょうけど、逆に日頃フィールドゴールを決めていると、それだけで安心してしまいがちなので要注意。

本書では、具体的なタッチダウンとして「改革」と「問題解決」を挙げており、それぞれのメリット・デメリットにも触れています。

いずれにせよ、「真面目にやっていれば誰かが評価してくれる」というのは、こと出世には通用しないのだな、と。


◆以上のように本書は、「たとえ能力がなくとも出世できる方法」を指南してくれています。

ただし、中には「ちょっとやりすぎ」だったり「日本にはなじまない」方法もなきにしもあらず。

この辺は、その会社や個々人のパーソナリティに寄るところもあるので、「絶対的な正解」というのは、ないのだと思います。

もっとも、「失敗例」の方は、学ぶところ大。

やってる本人は「これが正しい」と信じ切っているのですが、傍から見ていると「それじゃあ出世できないよ」と思わせられました。

……問題は、いざ自分がその場に置かれたときに、そのように客観的に見れるかどうかなのですけどねw


出世したい方なら、必読!

4478029687
同僚に知られずにこっそり出世する方法ーーー社内政治を使いこなす7つのルール
第1章 能力主義の虚飾を剥ぐ――企業社会の本当のルール
第2章 「結果がすべて」は大まちがい――優先順位を変える
第3章 本当に評価されるのはどんな人か?――競争相手の正体
第4章 社内政治を使いこなす7つのルール――失敗例と成功例から学ぶ
第5章 勝ち残るための7つの戦術――明日から実践できること



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【仕事術】『最強「出世」マニュアル』浅野泰生(2013年09月26日)

【出世の秘策?】『なぜか評価される人の仕事の習慣』濱田秀彦(2013年07月20日)


【編集後記】

◆今日の本の「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」から。

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勝者の社内政治

こちらは、著者が政治科学者なので、また違ったアドバイスがありそうなw


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