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2015年04月29日

【ビジネスチャンス?】『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』鴻上尚史


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クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、雑誌『週刊SPA!』内で著者の鴻上さんが告知されていたのを見て、気になっていた1冊。

私の場合、本書に登場する「外国人に人気のサービスやグッズ」で、ひと儲けできるんじゃないか、と読みながら思っておりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
今年10年目を迎えるNHK BSの人気番組『cool japan』の司会者として、世界を旅する演劇人として、人気脚本・演出家が世界の人々と聞いて議論した。
世界の人々が日本を体験して感じた「クール!」と「クール?」と「クレイジー!」
これを知れば、日本がもっと楽しくなる。

なお、既にKindle版も用意されております!





Cool Japan Tokyo Conference / Danny Choo


【ポイント】

■1.ママチャリは外国の女性には大人気
 海外にも、子供用のシートを付けた自転車はあります。が、すべてが後ろに付けるタイプのものです。外国人の奥様がママチャリを見て感心するのは、子供用の椅子が前に付いていて、子供の姿を見ながら運転できる設計になっていることです。「これなら、本当に安心」と、番組に参加した外国人は口々に言います。そして「どうして、私の国にはないんだろう」と続けるのです。


■2.居酒屋はすごい
 アメリカ人男性は「我々の文化では、食事をする時はレストラン、お酒を飲む時はパブというふうに、2つにきっちり分かれている。でも、居酒屋は、食事しながらお酒が飲める。じつにクールだ」と言います。
 さらに「居酒屋は、注文しながら食事ができるんだ。レストランは、最初に全部の料理を注文しなければいけないんだ。居酒屋がどれだけクールか、分かるかい?」と感動した顔で付け加えました。


■3.鍋料理の直箸問題は西洋人には重要
 シェアする習慣のない西洋人からすると、シェアすることだけでも問題なのに、その時に、自分の箸を使ってシェアする、という風景を見るのは、まさに衝撃です。それが、大皿に盛られた「肉だんご」というような、比較的食物が分離(?)しているものならまだしも、「鍋料理」という「それ、液体で全部、つながってますよね」という料理を直箸で取ろうとするアジア的現実は、きわめて深刻な問題なのです(ふう。自分で書いてて、「そこまで言うか?」と思ってしまいましたが、西洋人からすると、こういうことなのです)。


■4.コンビニエンスストアは絶賛!
 外国人は日本の不「コンビニエンス・ストア」も絶賛します。前述したように、夜中にこんなにいろんなものが買える場所は、世界中、ないからです。さらに、「コンビニの端末機」に外国人は衝撃を受けます。
 端末ではさまざまなものが買えます。高速バスのチケットを買った外国人がいました。コンサートや映画のチケット、各種の資格試験の申し込み・支払い、バイクの自賠責保険の申し込みなどもできるのです。
 もちろん、そんな端末は世界のコンビニにはありません。
 インド人女性が「コンビニのビジネスモデルを丸ごと国に持って帰りたい」と言いました。


■5.保湿ティッシュも大人気
 また、じつは日本人は1人当たり世界一ティッシュを使います。その中でも売り上げの4分の1を占めるのが、柔らかな肌触りの「保湿ティッシュ」です。日本のメーカーのオリジナルです。
「保湿ティッシュ」は海外で受けると思いますか? と訊くと「間違いなく」とドイツ人女性が答え、サウジアラビア人男性は、「一度これを使ってしまうと、もう普通のティッシュに戻れません」と言いました。


【感想】

◆日頃、外国人の方と接点がない私には、なかなか興味深い内容でした。

本書はまず第1章にて、「外国人の見つけた日本のクールベスト20」と題して、世界各国100人の外国人にとったアンケート結果を紹介。

既に人気なのはご存知だと思って割愛しましたが、そこで第1位に輝いたのは「洗浄機付き便座」でした。

ただし、世界でいまひとつ売上が伸びていないというのも、また事実です。

その理由の1つが、海外では硬水が多く、ノズルに石灰がつまって故障しやすい、ということ(日本は軟水)。

また、もっと重要な理由が文化的なもので、西洋では「お尻を洗う」という行為が「ホモセクシャル」というイメージがあるのだとか。

そして、このイメージがある限りは、デパートやホテル等のパブリックな場所での導入は難しいのだそうです。


◆また、「文化的なもの」という意味で、ランキングとは別に考えさせられたのが、「人間型ロボット」が、日本の独壇場である、というお話でした。

日本では昔からロボットといえば、『鉄腕アトム』を初めとして、人間の形をしていますが、西洋で研究されるロボットは四足歩行だったりして、人間の姿かたちとは程遠いのだとか。

その理由と言うのが、宗教的なもので、カソリックのイタリア人曰く「人間を創るのは神だけで、人間は人間を創ってはいけない」のだそう。

なんでも、欧米では人間型ロボットを作らないというより、宗教的に作れず、人間の形と離れていれば、その研究は肯定されるものの、人間に似せようとした瞬間に、激しく否定される、とのこと。

……映画ではヒト型ロボットとかアンドロイドがバンバンでてきますが、そういうのは観ている自分が創るんじゃないからいいんでしょうかね?


◆一方、第2章では「日本人とは?」と題して、世界における日本人の特徴について言及しています。

上記ポイントの3番目の直箸問題は、日本に来た外国人の方を接待する際には留意しておきたいところ。

鍋料理には「シェアすること」に加えて「直箸を強いられるかもしれないこと」という2つのハードルがあるワケですから、「日本の文化です」といって安易に提供できませぬ。

もう1つ注意したいのが「食べる時の音」で、麺類を食べる時にすすって音を出すのは、世界中で日本人だけなのだとか(知らなんだ)。

西洋人がパスタを音を立てずに食べることは知っていましたが、中国人がラーメンを食べる時も、韓国人が冷麺を食べる時も、インドネシア人がミーゴレンを食べる時も、彼らはすすらないのだそうです。

ちなみに、この「面をすする音」がダメな外国人は多く、「ガラスや黒板に爪を立てて搔きむしった音」ぐらいに生理的にダメな音に分類されているとのことなので、これまた接待等の際にはご注意を。

私は学生時代に短期留学した語学学校のカフェテラスで、つい気を許してコーヒーをすすった時に、テラス中の学生からガン見された悪夢が思い出されますが……。


◆なお、少し飛んで第8章の「男と女、そして親と子」では、お馴染みの(?)「生まれたばかりの子供を別室で寝かせる」問題が登場しています。

これはどうも「西洋vs.その他の地域」という図式で、日本を含めアジアやアフリカの地域は、親と子供は一緒に寝ている模様。

ところが、肝心の西洋の人たちも、自分らが子供の時には「夜中に目を覚まして誰もいないと怖かった」のだそうです。

それでも彼らが、親となった今、子供を1人で寝かしている理由は、実は「自立心を育てる」でも「しつけ」でもありませんでした。

本当の理由は、私も正直「目からウロコ」というか、「マジでw?」と椅子からズリ落ちそうになりましたので、気になる方は本書にてご確認ください。


◆ところで最近は、円安のせいなのか、今まで以上に外国人の方を良く見かけます。

もちろん、私の生活圏が銀座界隈というのも大きいとは思いますが、もともと多かった外国人観光客が、さらに増えた感じ。

これがオリンピックにでもなったら、今にもまして外国人で溢れるのかと思うと、本書を参考に、ひと商売できそうな気がしちゃいます。

たとえば「え? こんなものが人気なの?」的なグッズや食べ物を揃えて、休日の銀座の歩行者天国で出店でもやるとか(←違反ですw)。

アービトラージ(裁定取引)じゃないですが、こういう「国内外のギャップを突く」のも、ビジネスの1つではないか、と。


世界に誇れる「ニッポン」がここに!

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クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン (講談社現代新書)
第1章 外国人の見つけた日本のクールベスト20
第2章 日本人とは?
第3章 日本は世間でできている
第4章 日本の「おもてなし」はやはりクール!
第5章 日本食はすごい
第6章 世界に誇れるメイド・イン・ジャパン
第7章 ポップカルチャーはクールか?
第8章 男と女、そして親と子
第9章 東洋と西洋


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【魅力UP?】『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』鴻上尚史(2013年07月21日)


【編集後記】

◆本日のKindle日替わりセールから。

B00KHELPCQ
改訂版 英語で日本紹介ハンドブック

何と偶然なことに、今日ご紹介したご本にピッタリの内容じゃありませんかw

紙版の中古でも1700円弱する本が71%OFFということなので、私も思わず買ってしまいました!

……すぐには使う予定はないんですけどねw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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