2015年04月27日
【読書法】『27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力』に学ぶ5つの読書法
27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日に続いて「未読本・気になる本」の記事で人気だった1冊。グロービス経営大学院の精鋭3名(田久保善彦さん、荒木博行さん、村尾佳子さん)が、「社会人の勉強の仕方」を指南して下さっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
× 仕事をしているから勉強する時間がない
○ 勉強していないから仕事の時間が長くなる
8万人のビジネスパーソンと向き合ってわかった結果を出す人の「学びのコツ」57
今回は本書の中から、特に興味深かった「社会人の読書法」について5つ選んでみましたので、ご覧ください!
Academic Life / Les Roches
【社会人の読書法5選】
■1.本を学びと必要性の2軸で分けて読み方を変えるまず、現時点で学びが少なく、今必要ではない「第4カテゴリー」については早めに見切りをつけて、読まないという判断をするべきです。
今、必要性が高い領域だが、学びが少ないという「第3カテゴリー」については、短時間で必要な部分のみをピックアップする「拾い読み」がお勧めです。時間的にはかけても1時間程度というイメージです。
一方で、学びが多いが、今必ずしも必要ではない、という「第2カテゴリー」の本においては、本当に必要になったタイミングでしっかりその本に戻れる状態を作っておくことが大切です。(中略)
最後に、今必要であり、かつ学びの多い「第1カテゴリー」です。これについては、じっくり丁寧に読みこんで、確実にものにすべきです。ここは、速読などは過度に意識せず、数日から数週間かけて、内容の定着率を高くするように意識して読んでいくことをお勧めします。
■2.本の構造を意識しながら読む
ビジネス書であれば、少なくとも、
「テーマ」:著者が本を通じて明らかにしたい問い
「メッセージ」:その問いに対する答え
「構成」:その答えを支えるいくつかの論拠
の3点を読む前に押さえておけば、読書時間を短縮することができます。
本には基本的に、本筋ではない余談のようなものが数多く含まれているものです。その時に、この構造がわかっていないと、その余談も含めて等しい労力をかけて読んでしまうことになります。他方、もし構造がわかっていれば、「これはテーマとは直接的に関係ないので、斜め読みしよう」という判断ができるわけです。
■3.同じ領域の本をまとめて複数読む
読書内容の歩留まりを高めるための定石の1つは、ある領域の読書をしたら、同じ領域の本を複数追加で読んでみるということです。1つの領域のまとめ読みは、得られる知識を立体的(さまざまな角度から検証した知恵)にすることができます。(中略)
その領域について深く理解をしたいのであれば、複数の本、できればそのまったく逆の立場から書かれたようなものをあえて選んんでみて、共通項や異なるポイントを自分なりに理解しておくことが大切です。そうしたまとめ読みをすることによって、知識量も自ずと増えていくので、読書時間も圧倒的に短縮することができます。
■4.一言でも一節でも記憶に残す意識を持つ
私たちは本から多くの情報を得ることができますが、その中で本当に実務に活かすことができるのはわずかな部分です。本の中で1つのコンセプト、一節、場合によっては一言であってもしっかり心に残し、仕事につなげることができれば、その読書は意味があったということが言えるでしょう。
逆に言えば、どんな本を読んでも、それがたとえ娯楽小説であっても、一言だけ、一節だけは自分の記憶に確実に残すという気構えが大切です。
■5.本に向き合う姿勢を意識的にコントロールする
たとえば、「もしこの本の内容をセミナーとして著者がプレゼンテーションしているとして、質疑応答の時間に自分はどんな意見や質問を述べるだろうか?」ということを考えながら読む、ということは1つの方法です。
他にも、「もしこの書き手が自分の部下で、フィードバックを求めてきたとしたら、自分はどんなコメントを述べるだろうか?」「もし自分が書き手だとしたら、どういう思いで書いているだろうか?」といった類いの想像力を働かせながら読む、というのは効果的な読み方だと思います。
【感想】
◆本書は下記目次にもあるように、全部で5章から構成されており、今回取り上げた「読書法」については、第2章の「インプットする」からピックアップ致しました。ちなみにこの第2章は「インプット」がテーマですから、書籍だけでなく、インターネットやテレビ、映画、さらには「体験」までも対象としているのですが、やはりボリューム的には、書籍が大部分。
かつ、本書全体でも、付箋を貼ったのは、この第2章の書籍部分が中心でした。
結果的に、読書ネタの中に、1つや2つの他のネタを入れる位なら、全部読書ネタでまとめた方が、エントリーとしては有益だろうと判断して、このような構成にした次第です。
……あくまでも「読書法」は「本書の一部分」なので、ご留意頂きたく。
◆上記ポイントについても触れておくと、まず初っ端の「2軸4象限」で、本の性質別に、読み方を変えよ、と。
本書内にあった図をエクセルで再現してみましたが、こんな感じです。
私が当ブログでご紹介している本の場合、「今必要ではないものの、学びが多い」ものが中心なので、これでいくと第2カテゴリーということに。
つまり「本当に必要になったタイミングでしっかりその本に戻れる状態を作っておく」べきらしいのですが、本書の続きを読むと、「ある程度どこに何が書いてあったかは残しておく」「一方で最初から最後まで丁寧に見ることはしない」そうなので、このような形でブログに残しておくのもアリなのかな、と。
もちろん、読者の方それぞれによって、その本についての「必要性」も「学び」も違ってきますので、各自対応してください。
◆また、ポイントの3番目の「同じ領域の本をまとめて複数読む」というのは、類書でも言われていること。
ただし、本書では特に「多角的視点」からの読書が推奨されています。
これはたとえば「コンプライアンス」というテーマであれば、
・法律家の視点から書いた本といった具合に、異なる立場から書かれた本を読むことによって、理解を深めるということ。
・経営者の視点から書いた本
・社員の視点から書いた本
・外国企業の視点から書いた本
確かに同じ立場からの本を何冊も読んでも、バイアスがどんどんかかる一方ですから、これも留意しておきたいところです。
◆なお、今回は完全に「読書ネタ」しか触れておりませんが、本書は前述の通り、他のテーマについても言及アリ。
第4章の「アウトプット」はいいとしても、第3章の「振り返り」と第5章の「フィードバック」については、あまり類書では目にしないので、こちらもお目通し頂ければ、と思います。
ただ、私自身は「勉強本」(本書は「勉強力」ですが)と言った場合は、どうしても受験を目標とした「狭義の勉強本」の方が好きでして。
本書のような「広義の勉強本」については、必要とお感じになった方に読んで頂ければ幸いです。
……今から受験をなさる方の方が、どう考えても少ないんですけどねw
「仕事で使えるスキル」を磨きたい方に!
27歳からのMBA グロービス流ビジネス勉強力
CHAPTER1 「学びのサイクル」の全体像
CHAPTER2 インプットする
CHAPTER3 次のために振り返る
CHAPTER4 アウトプットする
CHAPTER5 フィードバックを受ける
【関連記事】
【読書術大全】『大人のための読書の全技術』齋藤 孝(2014年08月07日)【読書術】『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』出口治明(2014年09月12日)
【必読】『土井英司の「超」ビジネス書講義』に学ぶ、本の5つの選び方と2つの読み方(2012年05月30日)
【知的生産】『プロの知的生産術』内田和成(2011年11月22日)
すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)
【編集後記】
◆勉強本絡みで、こんな本が。出口汪の「最強!」の記憶術
出口先生の本も、当ブログではまだ未紹介なんですよね……。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「読書・速読」へ
この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
10月10日まで
9月26日までのところ一部値引に移行して延長中
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです