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2015年04月07日

【時間術】『なぜ一流は「その時間」を作り出せるのか』石田 淳


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なぜ一流は「その時間」を作り出せるのか (青春新書インテリジェンス)

Kindle版アリ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「行動科学マネジメント」でお馴染みの石田 淳さんの「時間術本」。

さらに「行動科学マネジメント」以外のTIPSも盛り込んで、「生きている時間」作りを指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
なぜ一流は、ハードワークの毎日でも「自分の時間」を作り出せるのか? 一方で、なぜ頑張っているのに、残業続きで、「時間がない」「忙しい」と嘆く人が多いのか? 実は、両者の差は、やる気や能力、意志の力ではなく、「正しい方法」を知っているかどうかにあります。「どんな人が試しても、同じ結果を引き出せる」と全米の一流企業で話題になったマネジメント手法を、日本人向けに改良した「行動科学マネジメント」の第一人者が教える、科学的かつ具体的な“時間の増やし方”。

「時間が足りない」と思っている人なら、「一読の価値アリ」です!





where does the time go / cmcbrown


【ポイント】

■1.時間の使い道を具体的に知る
 行動科学では、「ちょっとやせたい」といったような曖昧な目標は、目標とは呼べないと考えています。なぜなら、抽象的な目標では具体的になにをしていいかわからず、わからないから具体的な「行動」に移ることができないからです。
 だからこそ、まずは問題を「具体的に」しなければならないのです。
 それは、時間も同じ。ムダな時間をダイエットしたいのであれば、どこに問題点があるのかを、まずは数字としてあぶり出さなければなりません。


■2.仕事を細かく分解して書きだす
 あらためて書き出してみると、アポ取り1つにしても、細々とした作業があるものです。すでにアポ取りに慣れた人であれば、あまりにも当たり前すぎることだと感じるでしょう。
 しかし、そう考えていると定型化できません。無意識にやっていることを、分解して書き出すことが、このプロセスにおいて重要なのです。「そこまで細かくする必要があるのか?」と疑問に思うくらいまで、徹底的に行動に落とし込むことが肝心です。


■3.何をどこに置くかをを決める
 トヨタ自動車では、すべてのデスクについて、なにをどこに置くか、しまうかが決まっています。どのデスクであっても、たとえば一段目の引き出しの左下には、つねに同じものが収納されているのです。あれほどの大企業全体でできることが、あなた一人分の身の回りに関してできないはずはありません。
 置き場所を決めるにあたっては、使用頻度が高いものから順に、手に取りやすいところに置いていきます。
 会社のデスクであれば、使用頻度が低いものについては、個人で所有せずに共有の場所に戻すのもいいでしょう。
 こうして、必要なものだけ厳選し、取り出しやすくしまいやすい場所に置いておくことで、「あとでやればいいや」を抑え込むことができます。


■4.難しい作業から順に片づける
 人は元来、イヤな問題を先送りしたがる生き物ですから、意識的に行動しないと「明日でいいか」と自分をごまかしてしまいます。
 ごまかしていても、心には「やらなきやいけないのに……」という思いが引っかかっているため、落ち着かない気分で過ごすことになります。さらには、結局、間に合わなくて評価を落とし、やる気を失っていくといった悪循環に陥ります。
 ストレスは高まり、評価は下がり、自信も失ってしまう。そんな負のスパイラルにはまらないようにするために、作業は「難しい」ものから順に片づけていくのが鉄則です。


■5.具体的な目標を設定する際の3つのポイント
●期限を決める
 締め切りを決めることで、緊張感が生まれます。「あと3ヵ月しかない」「残り2週間を切った」と「残り時間」を意識するようになり、真剣度を増してくれます。
●数値目標を置く
 頑張った結果が○だったか×だったか、ゴールに到達できたのか、誰にでも明らかにわかるように数値目標を決めておきます。第三者の目によって検証可能であることが行動科学マネジメントにおける基本です。
●あまり高くしすぎない
 ラストゴールは、あまり高く設定しすぎると、実現不可能に思えてやる気を失ってしまいます。逆に甘く設定しすぎると、簡単すぎて真剣味がなくなってしまうでしょう。ですから、「ちょっと努力すればやれそうだ」くらいが最適です。


【感想】

◆本書では、冒頭のSTEP 0にて「時間を作り出す」ための5つの技術が挙げられています。

それが下記目次にある1〜5までであり、具体的には「計測する」「定型化する」「整える」「計画する」「集中する」各技術。

まず、STEP 1の「『計測する』技術」では、上記ポイントの1番目にあるように、具体的な「時間の使い道」を記録していくところから始めます。

私も以前、このような15分刻みの「日勤表」をつけていたことがありましたが……。



本書では、「まずは1週間」とは言え、できれば「1分単位」(!?)で、とのこと。

当時と違い、今はメモアプリ等がありますので、とにかく「いつ何をやったか」を明かしていきます。


◆それができたら、次は「定型化」。

いわゆる「テンプレート」や「チェックリスト」を作成していきます。

「メール」や「書類」(企画書、見積書、契約書等々)はテンプレートで時間を圧縮。

さらに「チェックリスト」を作る際には、上記ポイントの2番目にあるように、「分解」し、その後「再現性のある言葉」で書くことが鉄則、とのことです。

たとえば、「なるべく早く」とは、「何日の何時」のことなのか、等。

また、このチェックリストこそ、石田さんがコンサルティング企業に活用をすすめて、難色を示されることが多いものの、いざ導入すると評価がガラリと変わるのだとか。

当ブログでも、以前こんな本をご紹介してましたね。

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アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

参考記事:マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)


◆続く「整える」技術に関しては、石田さんの過去の作品であるこちらをご参照のこと。

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超! 自分マネジメント整理術 行動科学で3倍の成果を上げる方法

参考記事:【整理術】「超! 自分マネジメント整理術」石田 淳(2008年08月23日)

上記ポイントの3番目では、机周りのお話でしたが、この本では「仕事」や「頭の中身」の整理についても言及しています。

そして、最後の2つの章における「計画」と「集中」は、まさに行動科学マネジメントの「本領発揮」の分野かと。

「計画」は「1年」→「1ヵ月」→「1週間」→「1日」と順に立てて行き、「集中」では、それらの計画を実行するためのコツが指南されています。

そもそも石田さんご自身、「サハラ砂漠250Kmマラソン」や「南極アイスマラソン」に挑戦することを、計画・実行されているワケですから、さすがに説得力があるな、と。


◆なお、当ブログで石田さんの「行動科学マネジメント」の著作をご紹介する際、いわゆる「部下を指導する」的な「マネジメント」の作品は、あまり反応が芳しくありませんでした。

というか、当ブログでは「マネジメント」というカテゴリ自体、おそらく月間ランキングにも登場したことがないのですが。

それに対し、「時間術」や「仕事術」関係は、ご存知の通り定番的な人気があるわけで、本書のように「行動科学マネジメント」を、これらのジャンルで活用した本書は、当ブログの読者さんには響くハズ。

常日頃から「時間がない」と感じている方(含む自分w)は、きっと参考になると思います。


「仕事と人生」を充実させるために!

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なぜ一流は「その時間」を作り出せるのか (青春新書インテリジェンス)
0 なぜ、「一流」には余裕があるのか?
1 無意識の時間の浪費を「見える化」する「計測する」技術
2 時間と手間を10分の1に圧縮!「定型化する」技術
3 ムダが発生しない環境を作るための「整える」技術
4 ハードワークの毎日でも時間を確保!「計画する技術」
5 「やりたいこと」以外で時間をムダにしないための「集中する」技術


【関連記事】

【整理術】「超! 自分マネジメント整理術」石田 淳(2008年08月23日)

【時間節約】『「時間がない! 」を卒業する200のアイデア』マイケル・ヘッペル(2012年04月21日)

マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

【残業しないための6つの方法】『残業ゼロの「1日1箱」仕事術』佐々木正悟(2009年06月04日)

【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

4492557415
問題解決のジレンマ: イグノランスマネジメント:無知の力

なお、Kindle版も発売中です。


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