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2015年04月01日

【オススメ!】『一緒にいてラクな人、疲れる人』古宮 昇


一緒にいてラクな人、疲れる人
一緒にいてラクな人、疲れる人


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で人気だった1冊。

その時の内容紹介はちょっと短すぎたので、今回は長めのバージョンでお送りします。
「一緒にいてラクな人、ほっとする人」というのは、仕事でもプライベートでも人が自然と周りに集まってきます。わかりやすくいえば、よく“モテる”のです。
誰もが後者になりたいと願いますが、それは簡単なことではありません。カウンセラーとして通算20年にわたり、日米でのべ5,000人ほどのこころの援助をしてきた著者も、駆け出しの頃はクライアントから「一緒にいてラクな人」と思われず、そうとう悩んだといいます。
本書では、そんな著者が自ら編み出した「一緒にいてラクな人」になれる効果的&具体的なメソッドを紹介します。

色々な意味での人間関係の改善策がここに!?





Young Couple Sleeping / epSos.de


【ポイント】

■1.自分ではなく相手に意識を向ける
 一緒にいて疲れる人ほど、
「人からラクな人と思ってもらえるかな?」
「好かれなかったらどうしよう?」
 とビクビクしています。そしてそのビクビクはなんとなく相手に伝わります。すると相手もなんとなくビクビクしたり、こころの壁を作ったりします。
 じゃあどうすればいいでしょう?
 それは、あなたから人に与えることです。自分がどう思われるか、を心配するんじゃなく、「いいことを与えよう」と相手に集中しましょう。あなたが人に与えられるいいことって、たくさんあります。


■2.深くゆったり呼吸する
人と一緒にいるとき、「リラックスしよう」と思っても、よけいに緊張してしまいますよね。肩の力を抜こうとすればするほど、逆に意識しすぎて力が入ってしまったり。そんなときは、まず息を長く吐きましょう。そしてラクに吸って、また深く長く吐きます。
 こうして深くゆっくり呼吸をすると、こころの緊張もほぐれます。そしてわたしたちは、リラックスしていて呼吸も深い人と一緒にいるとき、なんとなくラクで心地良く感じます。
 今、呼吸に注意を向けてみてください。吸った息は深くお腹の下のほうまで入っていますか? そして深く吐いていますか? 呼吸のぺースはゆっくりですか? 今ゆっくり、ゆったり、深い呼吸をしてみましょう。


■3.人と会う前に目元に笑顔をたくわえる
 人との交流は、面と向かって話す前から始まっています。あなたがカタくて暗い表情をしていると、人はあなたを見て、「あの人は気難しそう」と感じます。すると、話をする前からあなたは、「一緒にいて気を使わないといけない疲れる人」と思われてしまうんです。
 ですから、人と話をする前から目元に笑顔をたくわえていましょう。笑顔で優しい表情でいると、あなたは気楽な雰囲気をまとうことになります。その雰囲気があれば、人は気を使わなくて済むのでラクになるんです。


■4.自分のために許せない人でも許す
 人を許さないことによっていちばんソンをしているのは誰でしょう?
 あなた自身ではありませんか?
 あなたが誰かを許さないとき、その怒りはあなたから発散されます。ちょうど人のからだからいつも体臭が出ているように、「許してやるものか!」という思いも、オーラや、気や、怖い表情になって、あなたから発散されます。
 そして、体臭のキツい人といると周りの人たちは不快な思いをするのと同じように、あなたが「許せない!」という怒りと裁きと攻撃の気を放つとき、人はなんとなくそれを感じて、あなたといるとあまり気持ち良く感じられなくなります。


■5.話し手の気持ちを、共感的に理解する
慰め心たり激励したり、あなたの価値尺度で他人を計って「良い」「悪い」の判定をしたりしたのでは傾聴にならず、深いこころの支えにはなりません。傾聴の本質は、話し手の気持ちを、なるべく話し手の身になって共感的に理解することにあります。
 話し手の言うことが「悪いこと」とか「おかしい」としか思えないときは、話し手の何か重要なことを理解できていないときです。そういうときは、相手の気持ちや考えをもっと理解しようというつもりで話に耳を傾けることが大切です。


【感想】

◆上記ポイントの多くは、下記目次にある第2章の「『一緒にいてラクな人』になれる10の方法」から選びました。

ここではそのタイトル通り「10の方法」が挙げられているのですが、思っていたより深い内容ばかりで目からウロコ。

例えば上記ポイントの2番目の呼吸について言うなら、逆に「呼吸が浅い」と周りにその緊張感が伝わり、一緒にいるだけで疲れてしまうのだとか。

そして、上記ポイントの1番目のように「好かれなかったらどうしよう?」とビクビクしている人は呼吸が浅いため、周りは「何となくイヤだ」と無意識的に感じ、一緒にいることを避けてしまいます。

そこで本書では、呼吸が深くなる方法として、「温かい蒸しタオルを鎖骨に当てる」というものが紹介されていました。

こうすると、体がリラックスして、呼吸が深くなるとのことなので、呼吸が浅めの方は一度お試しを。


◆一方、第3章は、章を丸ごと使って、「傾聴のスキル」について解説されています。

今まで傾聴に関する本は何冊かご紹介していますし、私もこの辺は大丈夫だと思っていましたが、まだまだ甘かった模様。

例えば本書では、具体例として「初めて試合に出られたのに、一本もシュートが決められなかった」とガッカリしている友達に対する返答として、次の3つのパターンが挙げられていました。

●「大丈夫! 次はシュートできるよ!」

●「誰だって最初はそういうもんだよ。ガッカリするな」

●「なぜできなかったかを分析して、次はそこを改善すればいいんだ」

私もさすがに3番目はさておき、このようなケースなら、1番目や2番目の言い方ならしてきた気がします。


◆しかし、実はこれらはすべてNG。

納得しづらければ、「自分が大好きな恋人から突然別れを告げられた」というケースに置き換えてみよ、とのことです。

その気持ちを友人に話したとして、返ってきた言葉が

●「次は大丈夫だよ!」

●「わたしなんかずっと1人よ」

●「原因を分析して、次に活かせばいいんだ」

だったらどうでしょう?

なるほど、確かに「苦しみを分かって受け入れてほしい」という気持ちには、どれも寄り添ってないことが、私でも分かりました。


◆なお、第4章は「特別編」と題されており、ここでは著者の古宮さんの実体験を通じて、過去の体験が、現在の自分にどのような影響を与えているかを学びます。

古宮さんは小学校に上がる頃、ご両親が不仲で離婚されてしまうのですが、それ以来、不安でイライラの強いお母さんに育てられました。

そのせいで古宮さんはおくびょうで萎縮した子どもになり、小学校でも中学校でもいじめの対象に。

その一方で「愛されたい」という想いは「抑圧された怒り」となって、古宮さんをまさに「一緒にいて疲れる人」にしてしまいます。

それは実はカウンセラーになってからも続き、来談者の方々も、良くなっていないのに、次々とカウンセリングをやめてしまったのだそう。

そこから古宮さんが、いかに過去の体験を克服されてきたのか……については、本書にてご確認を。


◆正直、この第4章だけでも、私個人としては、本書を読んだ甲斐がありました。

例えば私自身、できるだけ完璧を目指そうとしていたのですが、そういう人は「成績が良かったら親は認めてくれる」と子どものころ感じていたのだとか。

同様に、何かに失敗して「親から拒絶された」と感じた子どもは、大人になると「自分の誤りや落ち度を認めることが難しくなる」のだそう。

なぜなら、それを認めることは、その人のこころの深いところでは、親の愛情を失うことを意味するから。

他にも「寂しさや孤独感が常にある」「人間関係がうまくいかない」「すぐに腹が立つ」といった傾向がある方は、本書を読まれることを強くオススメしたいです。

私も子育てについて、ちょっと考えさせられました。


人間関係を良くしたい方なら必読!

一緒にいてラクな人、疲れる人
一緒にいてラクな人、疲れる人
第1章 基本編 「ラクな人」と「疲れる人」の8つの決定的な違い

第2章 実践編1 「一緒にいてラクな人」になれる10の方法

第3章 実践編2 相手がもっと話したくなる「聴き方」、相手が話す気を失くす「聴き方」――傾聴のスキルを身につける

第4章 特別編 それでも「ラクな人」になれなかったら――隠れた「こころの痛み」の癒し方


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【編集後記】

◆今日のご本を読んで、古宮さんの過去の著作を読んでみようと思ってチェックしたのですが。

Amazon.co.jp: 古宮 昇:作品一覧、著者略歴

軒並み高評価&中古も高価格でした!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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