2015年03月31日
【評価UP?】『目標未達でも給料が上がる人』福田 稔

目標未達でも給料が上がる人 (角川新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店でゲットした「出世指南本」。著者の福田 稔さんは人事教育コンサルタントであり、中小企業診断士、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナーといった資格をお持ちの方です。
アマゾンの内容紹介から。
なぜ、自分よりあの人が評価されるのか。会社の人事評価に理不尽さを感じ、不満を持つ人は多い。実は、目標“達成”より目標“設定”のほうが大切。人事評価のカラクリと評価を一段階上げるための戦術をまとめた。
なお、あまりお値段が変わらないのでアレなんですが、Kindle版も出ております(こちらだと帯も表示されています)。

007 EXPLAINS HIS THEORY OF THE SECRET THREAD .. / mrbill78636
【ポイント】
■1.出勤時間は早い方がいい勤怠データは、社員のココロの状態を映すレントゲンみたいなものです。ある会社の人事部長は、勤怠データの出社時刻でモチべーションの高さを見ていると教えてくれました。出社時刻の早い人のほうがモチべーションも高く、上司の評価も高いという傾向があるそうです。
部長の見立てでは、ギリギリ出社の人は3パターンあって、(1)時間にルーズな人、(2)権利意識の強い人、(3)何らかの不満をもっている退職予備軍。いずれにせよ、出勤時間の遅い人が評価されることはなさそうです。
■2.辞める時は絶対に秘密で
もしもあなたがやめたいと考えていると知ったとき、上司や人事部はどういうアクションを取るでしょうか?
悩みくらいは聞いてくれるでしょう。でも、それ以上は期待できません。残念ながら慰留に動くどころか、やめた後の準備を始めるのです。一度やめたいと口にした人は、いずれやめると経験的に知っているからです。
もしもあなたの気が変わって会社にとどまったとしても、退職予備軍に入れられたまま、評価が高まることはありません。
本当にやめるときは、絶対に秘密で。でもその前に、次の質問に自問自答しましょう。
「今、やめると言い出すと『だったらウチにおいで』と声がかかるだろうか?」
この答えに「Yes」なら転職もよし。もしも自信をもって「Yes」と言えないなら、時期尚早です。
■3.「宣誓先制攻撃」をかける
「これやって」と頼まれてからやるA君と、言われる前にやっているB君。
「やっている」という状況は同じでも、上司の印象には大差があります。もちろん、B君のほうが好印象なのですが、B君よりもさらに印象づける方法があります。
それは、言われる前に「私がやりましょうか」と宣言してからやることです。すると、「おお、それは助かるな」と上司から好意的な反応が引き出せます。
B君のように、気を利かせたつもりで、上司に何の断りもなく黙々とやるよりも、ずっと賢いアピールなのです。上司に言われる前にやるが、やる前にひと言、宣言してから取り掛かる。
これぞ名付けて、"宣誓先制攻撃"。
■4.上司を知り、自分も知ってもらう努力を惜しまない
あなたは上司のことを、どの程度知っていますか?
誕生日は? 趣味は? 家族構成は? 血液型は?……。どれくらい答えられますか。案外、何も知らないでしょう。
自分のことをわかってくれないと嘆く前に、まずは上司を知るための情報収集(テイク)を、次に自分を知ってもらうための情報提供(ギブ)を。これが「テイク&ギブ」作戦。あなたが上司を知る努力をすれば、上司もそれに応えてあなたを知る努力をしてくれるようになるのです。知る努力の返報性です。
ただ、順番に注意してください。テイクが先で、ギブが後です。わかってくれない上司が悪いのではなく、わからせていないあなたが悪いのです。
■5.敵を作らない人になる3つの秘訣
まず、謝罪グセ。「ごめんなさい」と言われてさらに怒る人はいません。言い訳なしの謝罪は、相手の怒りのエネルギーレべルを引き下げる効果もあります。謝罪は評価を下げるどころか、やり方次第で評価アップにもなります。(中略)
次に、弱みを見せるクセ。「助けてください」と素直に弱みを見せると、相手はそれを責めるどころか、むしろ応援に回ってくれます。助けてもらったらお礼も言えます。(中略)
そして、感謝グセ。「ありがとうございます」と言われて怒る人はいません。感謝して嫌われることはありません。
【感想】
◆本書のタイトルにもある「目標未達でも給料が上がる」ためには、ざっくり言って2つの方法があります。まずは、冒頭の内容紹介にもあったように「目標設定」の時点で工夫すること。
このお話は、下記目次の第4章「目標管理の評価は『設定』で9割決まる」に詳しいのですが、普通に引用していたら、ここだけでお腹一杯になりそうな程でした。
小見出しだけ拾うとこんな感じです。
●押しつけられたら、第三の選択肢を提案しよう
●ダブルスタンダードで駆け引きする
●数字を変えずに目標を高く見せる裏ワザ
●「SMARTの法則」の逆をやればうまくいく etc,etc...
……すいません、今回は丸々章ごとカットしているので、気になる方は本書にてご確認下さい。
◆一方、もう1つの方法が、上司や周りから好かれたり慕われること。
こちらは、目次で言うと第6章の「目標未達でも評価を良くする上司との付き合い方」や、第7章の「日頃から取り組んでおきたいこと」にて言及されています。
前者は「上司」に対して、後者は上司を含む「周囲」に対しての、立ち振る舞い方を指南。
まず第6章では、上司への接し方について、かなり踏み込んだアドバイスがされています。
フツウのビジネス書ではお目にかかれないような「太鼓の持ち方」まで推奨し、「そんなの卑屈でカッコ悪いし、イヤだという人も多いでしょう。でも、だからこそあなたがやる意味があるのです」と断言。
この辺は正直な話、好き嫌いが分かれそうですが、「目標未達でも給料が上がる」ためには、方法論として「アリ」だと思います。
◆また、第7章は2つのパートから構成されており、いずれも戦術論。
前半は「周囲をサポーターに育てる10の戦術」で、こちらでは上記ポイントの5番目を含む、「周りを味方につける」テクニックが10個紹介されています。
そして後半の「評価されやすいブランドをつくる7つの戦術」では、「自分でアピールしなくとも、ほったらかしでも周りが評価してくれるブランド」を7つ列挙。
具体的には本書をご覧頂くとして、いずれも「スキルにかかわらず、心がけ1つでなれる」ブランドであるのが特徴だと思います。
◆このように本書は、基本的には「ビジネススキル」というよりは、主に「コミュニケーション」のTIPSが中心の仕様。
一応、今回割愛した「目標設定」のお話は、やや「ビジネススキル」寄りではありますが、そもそも「ビジネススキル」をうたうのであれば、「目標達成」するのが本筋ではないかと。
上記の「太鼓持ち」含め、こういった「非ビジネススキル」的なお話は、あまり真正面から賞賛されることはないものの、実は非常に重要だったりします。
むしろ、せっかく良い成績をあげても、それ以外の部分で減点されるのは避けたいところ。
そういう意味では、「心がけとして知識を持っておくこと」や、「他の社員が本書のようなスタイルで評価される可能性があること」を知っておくのは、決して無駄ではないと思います。
上司や周りから評価されるために読むべし!

目標未達でも給料が上がる人 (角川新書)
第1章 成果主義は本当に日本で機能しているのか
第2章 そもそも目標って何だ
第3章 人事部はココを見ている
第4章 目標管理の評価は「設定」で9割決まる
第5章 評価を一段階上げるためのテクニック
第6章 目標未達でも評価を良くする上司との付き合い方
第7章 日頃から取り組んでおきたいこと
最終章 このままではヤバいと思ったときのサバイバル作戦
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。
外資系コンサルタントの企画力: 「考えるスイッチ」であなたの思い込みを覆す
こちらも思いっきり新刊なのに、既にKindle化されて約3割引きという……。

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