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2015年03月25日

【資料作成】『勝てる「資料」をスピーディーに作るたった1つの原則』喜多あおい


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勝てる「資料」をスピーディーに作るたった1つの原則 (マイナビ新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった作品。

著者の喜多さんは、テレビ番組のリサーチャーの第一人者として、数多くの企画を通してきた方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ビジネスシーンでは何かと資料作成をする場面が訪れます。しかも、ただ作ればいいだけでなく、何かに勝つ必要があるケースも多いことでしょう。
本書はそんな資料作成のプロであるテレビ番組リサーチャーの第一人者による「勝てる」資料をスピーディーに作成するテクニック指南本です。
ちょっとしたコツを実践するだけで、資料はあっというまに変身します。
さあ、みなさんも資料作成のプロが実践するテクニックを学び、「勝てる」資料を作りましょう!

ネタ集めから資料作りまで面倒みてくれる1冊です!





Presentations Tell a Story / IntelFreePress


【ポイント】

■1.説得し納得させる
 資料で勝つ、それはつまり、資料によって相手が説得され、納得する状態です。
 説得し納得させる資料には、一定の構成が存在しています。必要な要素は、以下の3つ。
1.ドキッとさせる
2.例を示す
3.謎を解く
(詳細は本書を)


■2.相手のニーズを確認する
 読み手のニーズや好み、嗜好は、資料作成の戦略を立てる上でべースになります。資料を届ける相手が代わっているのに、同じ要素で、同じ情報ソースを利用して、似たようなレイアウトで作っていませんか? 提出先が変われば、必要な要素もソースもレイアウトも変わります。その都度、戦略を練り直すべきなのです。(中略)
「何の資料を作るのか」以前に「この資料を何に活かすのか」「この資料で何を作るのか」ということを資料の読み手としっかり共有することがニーズをつかむコツです。


■3.情報は網羅する
これは私の経験から言うのですが、いきなリストライクで狙って、自分の知識を信用してピンポイントで情報を得ようとしても正しい情報は手に入りません。今自分が見ている情報がストライクなのかどうかは、比較する対象がなければ判断できないからです。さらにピンポイントな範囲での捜索では、その範囲の外にある有益な情報に出会うことができません。確実にとりこぼしが起こります。とてももったいないことです。
 たとえ早く作れても中身のない資料では、勝てません。情報を網羅したからといって無駄な時間を多く費やすわけではないので、ぜひここは急がば回れ、情報は網羅するという戦略を覚えておいてください。


■4.固有名詞と数字で勝負する
 読んでいて面白い資料は、相手の頭の中に鮮やかなイメージを描くことができます。イメージの創出には固有名詞と数字が有効です。逆に固有名詞が乏しい資料はイメージを刺激せず、読む人に強い印象を残すことができません。具体的な例を挙げてみましょう。
「オバマ大統領のもとに届く、1日あたりの手紙の数は1万1千通。大統領は、そのうちスタッフが選んだ10通に目を通し、2、3通に直筆で手紙を書く」
 どうでしょう、ホワイトハウス内部のイメージが脳内に浮かびませんか?


■5.結論を先に見せる
 今、作成した資料の結論を資料のド頭にコピーし配置してみます。削るのではなくコピーです。もとの結論はそのままの位置に残しておきます。
 結論が長い文章なら簡潔なセンテンスに削ります。また文章をそのまま序文のように独立させてもいいでしょう。
 結論というのは、その資料において読み手が最も知りたいと思うことや最も面白いと思うことです。
 それを冒頭に置くことで、この資料は一体何がいいたいのか、一体どこがどう面白くて読まなくてはならないのか、そういった読み手の無意識の不安やストレスを解消することができます。


【感想】

◆今回のポイントの多く(1〜4番目)は、本書の第1章の「9ヵ条の戦略」から抜粋しました。

というのも、ここが文字通り「戦略」であり、以降の第2章と第3章は、具体的な細かなテクニックになるから。

もちろん、当ブログとしては「TIPS大好き」なので、テクニック中心でも良いのですが、フォントやレイアウトや写真の話等々に終始してしまうのもどうかな、と思った次第です。

ちなみにフォントといえば、今まで使ったことのない「メイリオ」が本書では推奨されていたのですが、これが日本語フォントとして開発されており、「明瞭」を語源としている、というのは、今般初めて知りました。

メイリオ - Wikipedia

「PCの画面でも印刷してもくっきりはっきり読める」とのことなんですけど、見慣れないせいか、若干違和感が……w


◆また、本書で興味深かったのが、「余白」へのこだわりです。

曰く「スライドでは徹底的に余白の美を追求する」とのこと。

「企画書は1枚」ではないですが、1枚に収めるために、キツキツのレイアウトになるくらいなら、内容を絞って情報を減らすか、2枚になったとしても「余白の美」があった方が良い、というのが本書のスタンスです。

具体的には、もし「ちょっと込み入ってるな」と感じたら、今見ている資料から「思い切って3割減らせ」というのが本書の主張。

それこそまさに「一読ではなく一見」という、本書の一貫した主張につながってくると思います。


◆一方、第4章では、そもそもの「資料の元ネタ」である「情報」にフォーカス。

「新聞」や「雑誌」、「書籍」、さらには「インターネット」や「人間」といった「5つのソース」も、それらに当たる「順番」があるのだそう。

詳しくは本書を読んで頂くとして、1つだけ言っておくと、インターネットが最初ではありません。

……まずインターネットで当たりをつけて、そこから掘り下げていたsmooth涙目の巻。

ちなみに、上記で思いっきり使っていますが、ビジネスシーンでは、「Wikipediaは禁物」なので、ご留意を。


◆本書は、タイトルに「スピーディーに」とあるように、「企画で通る」資料を、「短時間に効率的に」作るノウハウが収録されています。

ですから逆に、「物語を語れ」ですとか、「時間軸を考える」といったような深めのお話(?)は、あまりありません。

しいて言うなら、「社外のコンペでプレゼンを大成功させる」というよりは、「社内や部内の企画会議で上司を納得させる」感じ。

会社員時代の私だったら、当ブログで今までご紹介してきた本格的なプレゼン本より、むしろ本書の方が使える部分が多かったかもしれません。


企画を通すために読みたい1冊!

4839952701
勝てる「資料」をスピーディーに作るたった1つの原則 (マイナビ新書)
第1章 勝てる資料をスピーディーに作るたった1つの原則と9ヵ条の戦略
第2章 資料の勝敗を分けるテクニック
第3章 ハイスピード資料変身テクニック〜「読んでもらう」から「見せる」へ
第4章 さらなる情報の達人へ


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【編集後記】

◆ちょっと気になる1冊。

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人間ドックの9割は間違い (幻冬舎新書)

そろそろ人間ドックに行こうと思ってたんですが、まずこの本読んでみるべきか……?


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