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2015年03月11日

【NG10選】『「問題ありません」は上司に失礼! 大人の敬語常識』に学ぶNGフレーズ10選


「問題ありません」は上司に失礼! 大人の敬語常識 (宝島SUGOI文庫)
「問題ありません」は上司に失礼! 大人の敬語常識 (宝島SUGOI文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

『正しいブスのほめ方』のような「ネタ」的な作品で知られるトキオ・ナレッジさんが、かなり「ガチ」に敬語について指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
何気なく使っているその敬語、実は間違っているかもしれません。「問題ありません」「参考になります」「申し上げておきます」―そんなつい言ってしまう上から目線の敬語を正せば、上司や取引先から一目置かれること間違いなし。相手をおだてるときや謝罪するときなどに使える、印象アップの敬語も多数ご紹介。言葉遣いを洗練させたいビジネスパーソン必携!新入社員の課題図書にしたい一冊です。

なお、今回は「言うたらアカン」NGフレーズを10個選んでみましたので、ご覧ください!





under my umbrella / TheAlieness GiselaGiardino23


【ポイント】

■1.部長なりのお考えをお聞かせください
「なり」には謙譲の意味があるので、目上の人に使うのはNGである。(中略)
 逆に意見を求められた際に「私なりの意見なのですが」というふうに使うべきなのだ。


■2.社長のご一存のとおりにいたします
「一存」とは自分一人の考えを示す言葉だ。
「私の一存では決めかねます」などというように、「私」の考えに対して使う言葉なのである。(中略)
 しかし「社長のご一存で」と言ってしまうと「社長が独断で自分勝手に判断した」という意味になってしまうのだ。


■3.部長、私もご一緒します
この言葉は主に同格の人に対して使う言葉であることに注意してほしい。
 したがって、上司に対して「部長、私もご一緒しましょう」と、いうように発言するのは適当ではない。自分が上司と同じ立場にあると考えているような物言いになってしまうからだ。


■4.お教えします
「お教教えいたします」と「いたす」という謙譲語を使ったとしても、「教える」という言葉自体使わないほうが好ましい。
 なぜなら、「教える」という言葉に、立場が上の者から下の者に向けて行うものというニュアンスが含まれるため、目上の人に対して使うと相手を見下しているような印象を与えてしまう危険性があるからだ。


■5.さすが部長ですね
 辞書で「さすが」を引くと、その事実に感心する様子という意味だけでなく、ある事実を認めるが、それを否定するという意味での「そうはいうもののやはり」という意味も書かれている。
 つまり「さすがおできになりますね」という言葉で言えば、「(大したことのないあなたでも)さすがに(この程度のことなら)おできになりますね」と捉えられてしまうかもしれないのだ。


■6.そうですね
「そうですね」は丁寧な言葉に思えるが、ビジネスにおいて取引先と話すときに使っていいあいづちではない。
「そのとおり」という意味の「さよう(左様)」という言葉に敬語の「ございます」を付けて「さようでこざいます」と返事をするのが正解である。


■7.ご理解頂けましたか?
「ただいまの説明でご理解いただけましたか?」というような言い方をするのは、敬語として間違っているわけではないが、避けたほうがいいだろう。
 先方の理解する能力を上から目線で聞いているともとられかねない質問だからだ。


■8.当社の山田部長です
 社内の人を社外の人に紹介するとき、名前のあとに役職名を付けるのは社内の人に敬意を表していることになり不適切である。
 たとえ上司でも名前は呼び捨てにし「当社の山田です」のように紹介するのが正しく、役職名を伝える必要がある場合は「部長の山田です」のように、役職と名前を分けて言うべきである。


■9.あの似顔絵、そっくりでいらっしゃいますね
会話相手に敬意を表する気持ちが行き過ぎて、「物」にまで敬語を使ってしまうのは、ありがちではあるが、避けたい間違いだ。
 この場合の正しい表現は、「あの似顔絵、そっくりですね(〜さんによく似ていますね)」。


■10.とんでもありません
「とんでもありません」という言葉を使う人は、「とんでもない」の「ない」を否定の助動詞と間違えて、丁寧に言い換えようとして「とんでもありません」や「とんでもございません」と言ってしまうのだろうが、言葉としてはおかしな言い回しになっている。
 上司や目上の人に対する正しい丁寧な言い方としては、「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」とするべきだろう。


【感想】

あの「トキオ・ナレッジ」さんの作品ですから、どこかでウィットや皮肉、ないしはネタ的要素があるのでは、と思って手に取ったものの、まったく違いました。

冒頭で触れたように、本書は最初から最後まで「ガチ」な敬語の指南本。

具体例で「トキオ物産」「トキオ社」のように「匂わせる」名前が出てくる以外は、本書をトキオ・ナレッジさんが書いたと推測できる要素は何もありません。

巻末の参考文献に、敬語関係の本が13冊ほど挙がっていて、さらに「その他、多くの書籍・サイトを参考にさせていただきました」とあるので、いい意味で「本気の」敬語本に仕上がっている感じです。

……個人的な見解ですけど、「ガチ」な敬語本なら、他の著者さんでも書けるでしょうから、多少は冒険して欲しかったところですがw


◆上記で選んだフレーズは、いずれも私が知らなかったないしは、忘れて間違えていたもの。

ただし、類書を読んでいなかったら、間違えていたであろうものも、さらにありました。

具体的には、「ご苦労さま」(部長、鈴木さんを)お連れしました」といったあたり。

ただ逆に、上記ポイントの7番目の「ご理解頂けましたか」は、下記の本では、「OK」とされていたんですよね。

その日本語 仕事で恥かいてます (青春新書インテリジェンス)
その日本語 仕事で恥かいてます (青春新書インテリジェンス)

参考記事:【NG6選】『その日本語 仕事で恥かいてます』福田 健(2014年04月16日)

上記参考記事にもあるように、「お分かりでしょうか」がNGで、むしろ、その代わりに「ご理解いただけましたでしょうか」を使うよう、推奨されていたんですが。

トキオ・ナレッジさん、なかなか厳しいっす。


◆それにしても、上記で挙げたフレーズは、改め指摘されると「確かにまずかった」と思うものばかりです。

初っ端の「〜なり」は、実際に使ったことがありましたし、3番目の「ご一緒します」も何度も言っていました。

特に後者は、小見出しでNGであることを知った際にも、「ご一緒させてください」が正解だと思ったワタクシ(ダメじゃんw)。

ちなみに、後者の正解は「お供します」ですので、お間違いなきよう。

なお、どのフレーズも正解が掲載されているのですが、ここでは一応「ネタバレ自重」ということで(すいません)。

もちろん、本書のタイトルにもある「問題ありません」の何が問題で、どう言えば良いのかも、明らかにされていますので、気になる方は本書にてご確認を(注:「問題ございません」等の答えではありませんw)。


◆ところで、昨日の未読本記事でも触れたように、本書は昨年出たこの単行本の文庫化になります。

「問題ありません」は上から目線! 大人の敬語常識
「問題ありません」は上から目線! 大人の敬語常識

もともと単行本の時点から新書並みのお値段でしたが、中古になっても値崩れせず、それほど変わってないという。

この手の本は、1冊あれば大体大丈夫なものとはいえ、上記のように類書を訂正(?)しているくらいですから、クオリティもなかなかのモノだと思います。

特に、これから新入社員として、社会人生活をおくる方なら、本書は必読かと。

私も今さらのように、過去の敬語での失態を思い出したものの、その時点では失態だと気付いてませんでしたし、知らなかったらこれからも同じことを繰り返していたかもしれません(こえー)。


敬語で恥をかかないために!

「問題ありません」は上司に失礼! 大人の敬語常識 (宝島SUGOI文庫)
「問題ありません」は上司に失礼! 大人の敬語常識 (宝島SUGOI文庫)
Introduction 敬語の基本を押さえよう
第1章 上から目線のNG敬語―上司編
第2章 上から目線のNG敬語―取引先編
第3章 うっかり間違いやすい敬語
第4章 印象アップの敬語術
第5章 すぐに使えるボキャブラリー


【関連記事】

【NG6選】『その日本語 仕事で恥かいてます』福田 健(2014年04月16日)

【敬語】『知らずにまちがえている敬語』井上明美(2013年08月19日)

【モノの言い方】『その一言が余計です。』に学ぶ日本語の7つのNG(2013年07月03日)

【これは便利!】『ビジネスメール言い換え辞典』から選んだNG7選(2012年08月16日)

【知らないとヤバい?】『会話力の基本』に学ぶ「言い回し」の7つのポイント(2011年05月26日)


【編集後記】

◆昨日の記事で取り上げ損ねた1冊。

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仕事で成長する人は、なぜ 「不安」を「転機」に変えられるのか? キャリアに生かす「レジリエンス」仕事術

当ブログでも『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 』が人気だった久世浩司さんの新刊です!


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