2015年03月07日
【超集中力!?】『東大医学部生だけが知る 超・知的生産法』に学ぶ5つの集中術

東大医学部生だけが知る 超・知的生産法 (角川新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、東大医学部卒で、在学中に「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発された岩波邦明さんの「知的生産術」を明かした作品。ただし、内容的に多くを占めるのが「集中力」のお話であり、ある意味「勉強本」と言ってもいいくらいです。
アマゾンの内容紹介から。
すぐ集中状態に入れて、その状態を継続させ、作業時間を増やすことができれば、生産量は劇的に上がる! 東大医学部で脳科学を専攻し、「岩波ゴースト暗算」を考案して話題となった著者が最強の知的生産術を伝授!
来週10日発売ですが、Kindle版も用意されております。
なお、新書なのにこんなに付箋を貼ってしまいました!


Focus / John-Morgan
【ポイント】
■1.余計なものは「制限」せずに「遮断」する切り捨てを考える際、多くの人は「ネットは1日1時間までにしよう」「ゲームは1日2時間までにしよう」というように、大きな時間を割きやすい娯楽の部分から制限しようというところから始めがちです。
しかし、それはまったく効果がないばかりか、逆効果になる場合が多くなります。「○○を制限しよう」と考えて日々を過ごすのは、「常に○○のことを考えてしまう」のと同じだからです。
つまり、頭の片隅において、あるいは無意識のうちに「○○を制限しなければ」と考え続けていることになるのです。(中略)
私自身、いろいろ試行錯誤しましたが、その結果として、こうした時間は「制限」するのではなく「遮断」しなければならないという結論に達しました。
■2.邪念記録リストをつける
集中を継続させるためには、自分の邪念を止めることが絶対条件でした。
そんななかで、勉強中の邪念コントロールをできるようにしてくれたのが、この邪念を記録していく方法だったのです。
何か他のことを考えてしまうたびに、愚直なまでに1つひとつ「〜を考えてしまった」と紙に書いていくようにしていれば、それがある程度、たまってきたとき「罪悪感」が生まれてきます。それによって「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちを自分の中にセットしやすくなるのです。
■3.「1.2倍の速歩き」で脳のクロックサイクルを速める
速歩きをすれば、それだけ周りの景色も早く変わるので、しっかり歩くためには適度な集中が要求される状態になり、集中力がシェイプアップされます。
それによって、集中のべースラインが活性化し、何を行なう際にも、より高い集中力とスピードで取り組むことができるようになったのです。わかりやすいところでいえば、パソコンのタイピングや読書のスピードなどがそうでした。
それがすなわち、脳のクロックサイクルを速められる、ということです。
■4.「好きな曲」で最強の集中力を手に入れる
最初に自分の好きな1曲を選びます。
普段作業をしているとき、「あっ、いま自分は集中できているな」と思ったら、すかさずその曲をかけるようにします。それを繰り返していくうちに、その曲と集中している自分の記憶が脳内で強固に関連付けられていきます。
そうなれば、作業前にその曲をかけるようにするだけで、集中した自分の状態が思い出されて、やる気の高い状態をセットすることができるようになります。
関連付けの段階から始めているので、過去の経験は問わず、自分の好きな曲を"集中するための儀式曲"にできるのも利点です。
■5.「頑張った記憶」をベースに取り組む
どんな人でも、人生のどこかで1度か2度は、必死に頑張った記憶があるはずです。
仕事や勉強に限らず、たとえば「スポーツに夢中で取り組んだ」「ゲームをクリアすることに取り組んだ」といったことでもいいわけです。
この「いちばん頑張っていたとき」は、趣味や遊びも含めたなかから、自分が一番夢中で何かをやっていたときを選びましょう。
そういうときを常に思い出し、何事を行なうときもそれをべースに取り組みます。
その意識を持つようにしていれば、自分のMAXパフォーマンスの状態でさまざまな物事に取り組むことができるようになります。
【感想】
◆本書は、一般的に考えられている「知的生産術」の本とは、少々趣きが違いました。主に述べられているのは、パソコンで言ったら「OS」にあたる部分であり、知的生産のベースとなる「集中力」。
タイトルではひと言も「集中力」とは言っていないものの、本書の第1章と第2章では、そこらへんの集中力の本に匹敵するくらいのTIPSが、数多く収録されています。
なお、第3章では処理速度のアップを目指しており、そこから抜き出した上記ポイントの3番目にも「集中」の二文字が。
続く第4章からのポイントの4番目で述べているのも、「最強の集中力」ですから、いかにこのテーマに注力しているか分かろうというものです。
◆さて、冒頭の画像でもお分かりのように、今回はとにかく割愛した部分が多かったので、補足と言うか、気になったTIPSをいくつか。
「5分で1時間分を集中する感覚で取り組む」「物理的〆切を設定する」あたりは、類書でも見られないこともないので、まぁいいと思います。
面白かったのが「1分間の集中力トレーニング」というもので、具体的にはまず五十音(あいうけお、かきくけこ…)をなるべく速く頭の中で音読せよ、というもの。
それに慣れてきたら、今度はもっと難易度が高いものも用意されているのですが、具体的には本書にてご確認を。
さらには、集中して作業できているときこそ、休憩をしっかり取るべき、ということで、休憩のトレーニングも紹介されています。
これまた詳しくは本書を読んで頂くとして、適切に10秒休憩を取るだけも、脳は深いリラックス効果を得られ、疲れた集中力を急速回復させることができるのだとか。
◆もう1つ、引用しきれなかったTIPSとして「『心の場所』を設定する」というものもありました。
これは騒音等の環境による悪影響から逃れるためのもので、まず、今自分がいる場所を「物理的な場所」とします。
それとは別に、"自分が最も集中できる場所"である「心の場所」を1つ設定。
この「心の場所」というのは、自分の部屋であれ、行きつけのカフェであれ、自分が過去実際に「集中できた」場所であり、いつもそこにいることをイメージするようにします。
たとえ周りがうるさくとも、この「心の場所」の風景を思い浮かべて、実際の視界と重ね合わせて、上から塗り替えるようにイメージすると、より効果的。
うまくそれができるようになると、五感をシャットアウトしているのに近い状態になれるのだそう。
◆本書は、勉強(特に受験)する方には、ノータイムでオススメできます。
具体的な科目ごとの勉強法自体は載っていない、というかそれ以前に、勉強本とはひと言も言っていないのですが、集中力はあればあるだけ成果も上がろうというもの。
これはもちろん、勉強だけでなく仕事についても同様ですから、気が散りやすい等、集中力に自信のないビジネスパーソンにもお読み頂きたく。
とはいえ、「ファッションは、集中阻害因子になる」という持論のもと、情熱大陸にお出になった際に、スーツに黄色いサンダル履きだったというのは、ビジネスパーソンとしてはどうかと思いますがw
集中力を身につけたい方なら必読!

東大医学部生だけが知る 超・知的生産法 (角川新書)
第1章 「集中の瞬発力」を身につける方法
第2章 「継続」できる集中力はこうして身につけられる
第3章 「時間」と「脳」の効果的な使い方
第4章 環境改善とプライミング効果
第5章 ワンランク上のパフォーマンスを維持するために
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【編集後記】
◆こちらは、ガチな勉強本。
東大教授の父が教えてくれた頭がよくなる勉強法
タイミングを逸して読んでませんが、Kindle版も出ております。

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