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2015年03月06日

【コミュニケーション】『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』戸田久実(著),岩井俊憲(監修)


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アドラー流 たった1分で伝わる言い方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で見つけた「コミュニケーション本」

1年ちょっと前に出た『嫌われる勇気』(お恥ずかしながら未読です)で「アドラー心理学」という言葉は目にしていましたが、その系列の本を読むのは、今回が初めてでした。

アマゾンの内容紹介から。
苦手な人がいなくなる!人間関係は、言葉で変えられる!仕事でもプライベートでもすぐに使えて一生役立つフレーズ満載!

読みやすい作りですが、中身は思いのほか深かったです!





introductions / porschelinn


【ポイント】

■1.相手の「一次感情」に目を向ける
 相手が怒りをぶつけてきたときには、相手の根底にある「一次感情」に目を向けてみましょう。一次感情とは、「悲しい」「困惑」「不安」「焦り」「さびしさ」「心配」などといったものです。それに対して「怒り」は二次感情といわれています。この怒りの根底に一次感情が潜んでいます。つまり、一次感情が満たされないとき、怒りの感情が湧いてくるのです。
 相手の怒りをおさめるために謝ったり、「ではこうしよう!」と解決提案をする前に、相手の根底にある感情に目を向け、「つらかったね」と共感すること(心情理解)をしないと、真の解決にいたらないこともあります。これができないと「あなたは何もわかっていない!」と言われますし、これができるようになると、相手はあなたに対して「わかってくれた!」と信頼感をもつようになります。


■2.ダメ出しではなくヨイ出しをする
「ダメ出し」という言葉はあっても「ヨイ出し」という言葉がないように、人はつい、不完全なところに目を向けてしまいがちです。
とくに謙遜する文化が根づいている日本人には、その傾向がよくみられます。
でも、ダメ出しは、人間関係を良好に築く妨げにもなってしまうものです。誰かと比べるのでなく、その人ができていること、頑張って取り組んでいるヨイところに目を向け、それを本人に伝えていく、ヨイ出しの習慣が根づくと自然と周囲に人が集まってくるようになります。


■3.ほめるより、勇気づけをする
何かあると、私たちは相手をほめようとします。しかし、アドラー心理学では、「勇気づけ」という考え方がべースとしてあります。
「ほめる」のと「勇気づけ」とは意味合いが異なります。
ほめるのは上から目線になり、勇気づけはヨコから目線になります。
相手と本当の信頼関係を築きたいなら、ヨコから目線でのつながりをもつほうが効果的です。
「〜してくれてありかとう。とても助かった」(貢献に注目)
「うまくいって、本当によかったね!」(共感)


■4.「私」を主語にして伝える
意見や気持ちを伝えるときは「私」を主語にして伝えましょう。「あなた」を主語にして伝えると、相手を責めるような印象を与えてしまいがちに。「私」を主語にすると、あなたの思いや伝えたいことが、気持ちよくストレートに伝わります。
×「なぜ、あなたはお願いしたとおりにやってくれないの!?」

「私は△△さんにも○○してほしいの。なぜかというと…」


■5.感情「で」伝えるのではなく、感情「を」伝える
あなたが、感情を伝えるのが苦手だと感じているなら、何に対して湧いてくる感情なのか、どのような気持ちが根底に潜んでいるのか探るクセをつけ、それを言葉に変える練習をしましょう。
感情的になることと、感情を伝えることはイコールではありません。感情で伝えるのではなく、感情を伝えられるようになると、あなたも相手も、ストレスを溜めずに付き合える関係になれますよ。
×「なんで私がこんな評価なんですか!?」

「一生懸命頑張ってきたのでもこの評価を見てとても悲しく感じます。この評価の理由を教えてください」


【感想】

◆実は先日、ムスメの教育をめぐって、ヨメと大喧嘩になりまして。

と言っても口喧嘩というより、冷戦というか、その日は部屋一緒にいても目も合わせない状態になって、「これはアカン」と思ったわけです。

そこでその次の朝、速攻で「昨日はごめんね」と謝ると、ヨメ曰く「何が『ごめんね』なの?」、と。

そう聞かれることを事前に想定していたので、無事仲直りできたものの、今考えると、これぞまさに、上記ポイントの1番目のお話。

その場しのぎで「ごめんね」と言っていたら、「全然わかってない!」とかえって火に油を注ぐところでした(危ない危ない)。


◆そんなこともあって、本書は個人的には腑に落ちまくり

話を聴くにしても、「おっしゃるとおりです」と受け入れるのではなく、「○○と思っているのですね」と受けとめて聴く、なんてTIPSがありつつも、別のところでは、「相手の主観に流されないで聴け」と。

これはどういう事かと言うと、「○○さんは、私のことが嫌いなんです」とか「いつもあの人って○○する」というような話を真に受けると、事実を誤解して受け取ってしまう可能性がある、ということ。

ここで「それはひどいですね」などと受けてしまうと、相手を増長しかねません。

こういう場合は、いったん「そうなんだ」と受けとめてから、「嫌いって、○○さんが言ったのですか?」「そう思う理由を聴かせて」と返すと良い、とのこと。

なるほど、ただ単に「傾聴せよ」というのとは、ひと味違います。


◆また、上記ポイントの3番目も、結構「目からウロコ」。

本書曰く、「ほめる」とは「相手が自分の期待していることを達成したときに一種のごほうびとして与える態度」である、と。

それに対して「勇気づけ」とは、「相手が達成したときではなく、失敗したときも含め、あらゆる状況で行える対応」です。

確かに成功したらほめることはできますが、失敗したらできないわけで、これは部下のいらっしゃる方なら、是非とも取り入れて頂きたいところ。

私の場合、子育てで、さっそく実践したいと思います。


◆なお、冒頭の21〜36ページまでで、アドラー心理学の基本用語が解説されており、私のような素人には大変助かりました。

それに続く、第1章の「人間関係がうまくいかない人の10の特徴」と第2章の「人間関係がうまくいく人の18の法則」もうなずきまくり。

正直、それぞれで記事が1本ずつ書けるくらいのコンテンツなのですが、あえて(?)上記ポイントは、それ以外の第3章と第4章から抜き出しております。

さらに第5章と第6章も、「シーン別伝え方」ということで、どちらもお役立ち感アリ。

ちなみに巻末の参考文献をみると、ほとんどアドラー関連本ということで、今まで全然手を出していませんでしたが、他のアドラー心理学関係の本も読んでみたくなりました。


公私ともにコミュニケーションが改善する事必至な1冊!

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アドラー流 たった1分で伝わる言い方
PLOLOGUE アドラー心理学基本用語
PART1.人間関係がうまくいかない人の10の特徴
PART2.人間関係がうまくいく人の18の法則
PART3.「この人は信頼できる!」と思われる8つの聴き方
PART4.どんな相手にも伝わる言い方9つのポイント
PART5.こんなときどうする?シーン別伝え方〜仕事編〜
PART6.こんなときどうする?シーン別伝え方〜プライベート編〜


【関連記事】

【結構スゴ本!】『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記(2015年02月21日)

そろそろ『言いづらいことの伝え方』について一言いっとくか(2014年09月18日)

【こんな方法あったんだ】『伝え方が9割』佐々木圭一(2013年03月05日)

【話し方】『言いたいことは1分で! 10倍伝わる話し方』渡辺美紀(2013年01月05日)


【編集後記】

◆既にお読みの方も多いと思いますが、一応この本も。

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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

一昨年の12月に出て、アマゾンで13位に着けてる、というのはスゴイです。


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