スポンサーリンク

       

2015年03月04日

【プレゼン】『スゴい! プレゼン 描いて、見せて、伝える』ダン・ローム


スゴい! プレゼン 描いて、見せて、伝える
スゴい! プレゼン 描いて、見せて、伝える


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

著者のダン・ロームの作品は、過去2つとも私にとっては、まさに「ツボ」であり、当ブログにてレビューしております(下記参考記事をご参照のこと)。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
『描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング』で有名なダン・ロームのメソッドは、とにかく描いて説明する、でした。
本書では、さらに進化したプレゼン術を披露します。
「もし真実を話すなら、ストーリー立てて話すなら、さらにイラストや絵をつかって話すなら、聴いている人たちを席から外させません。それくらいスゴいプレゼン術を伝授しましょう」

手描きイラストがお好きな方なら、絶対見逃せないと思われ!






Dan Roam / ursonate


【ポイント】

■1.聴衆について覚えておくべき普遍的3つの真実
1.誰でも何かをやれと命じられるのは嫌だ。全員が自分の考えを承認してもらいたい。だから、あなたは聴衆の代弁者だと思わせることが大切だ。
2.聴衆にいい感情を抱いてもらうことが重要だが、それは真実の一面に過ぎない。もちろん、聴衆には熱心に聞いてもらいたい――でももっと大切なのは変わってもらうことだ。
3.聴衆を変えられなければ、プレゼンテーションに意味はない。繰り返そう。実際、それをプレゼンテーションの目標にしなさい。


■2.聴衆を動かす4つの手段
1.聴衆の情報を変える。
聴衆がすでに知っていることに新しいデータを付け加える。
2.聴衆の知識や能力を変える。
新しい考えや有益なことを実行する方法を聴衆に教える。
3.聴衆の行動を変える。
聴衆を説得し、新しいことを実行、利用し、試してもらったり、新製品を買ってもらう。
4.聴衆の信念を変える。
聴衆を鼓舞して、自分や世界について何か新しいことを理解してもらう。


■3.物語を説明する6つの絵
1.誰/何?⇒ポートレート 人物や物を示す。
2.どれくらいの量?⇒グラフ どれくらいの量があるのか示す。
3.どこ?⇒マップ どこにあり、どこが重なっているのか示す。
4.いつ?⇒時系列表 時系列を示す。
5.どのように?⇒フローチャート 因果関係及び影響を示す。
6.なぜ?⇒方程式 話の教訓を示す。


■4.3つの描写様式(抜粋)
1.写真
<長所>・描く必要がない。
<短所>・欲しい描写がめったにない。
2.グラフィック
<長所>・プレゼンテーション用アプリにある基本描写ツールで簡単に描くことができる。
<短所>・うまく作るには時間がいる。
3.線画
<長所>・「温かみ」があり、人目を引く。
<短所>・基本的な描写技術が必要。


■5.プレゼンの最中に、スクリーン上で直接、最後の部分を描く
ほとんど仕上がっている絵を聴衆に見せ、最後にさっとひと筆を加えると、驚くべきことが起こる。聴衆は、絵は自分たちの前ですべて描かれたと錯覚するのだ。少し練習すれば、この方法は聴衆を虜にし、惹きつけるための素晴らしい秘訣となる。


【感想】

◆一応、付箋を貼ったテキスト部分から引用してみましたが、正直、これらはあくまで「添え物」に過ぎません。

過去のダン・ロームの著作がそうであったように、本書のキモは、ふんだんに使われた手描き図の数々。

むしろ、本書全体を通して、まず「図ありき」で、テキスト部分はその説明のような印象を受けました。

その図というのは、本書の表紙や、こんな感じの線画なんですが(ダン・ロームの著作をご存知の方ならお馴染みですね)。



ちなみに、上の図は、下のダン・ロームのセミナー動画からキャプったものです。




◆さて、上記ポイントの2番目にあるように、聴衆を動かす手段は4つあり、それぞれが4つのストーリーに対応している、とのこと。

情報を伝えるのは「報告」で、能力を付けさせるのは「説明」

行動を変えるのは「宣伝」で、新しい信念を与えるのは「ドラマ」

これを実際のプレゼンに当てはめると、このようになります。

「報告」……チーム状況のミーティング、四半期の報告等

「説明」……料理ショー、教室での講義等

「宣伝」……就職の面接、商品の販売等

「ドラマ」……卒業式の演説、TEDトーク等


◆実は本書の第3章では、この4つのストーリーごとに、具体的なプレゼン資料を提示し、詳細に解説。

この第3章だけで130ページ以上もあるという、チカラの入れようです。

ただし、当ブログのようなレビューの仕方だと、こういう部分は丸ごと割愛せざるを得ないのですが……。

なお、ストーリーごとに、話の流れ方が違う(徐々に盛り上がっていったり、何かを飛び越えたり等)のですが、各スライドの解説ごとに、下部で「今どの部分なのか」を図で示しているのもありがたいところ。

おしまいには、全体を一覧できる「マップ」もついているので、これからやろうとするプレゼンの種類ごとに、ぜひ読み込んで、スキルを身に付けて頂きたいと思います。


◆また、上記ポイントの3番目は第4章からなのですが、この考え方は4つのストーリーすべてに共通するもの。

何を伝えたいかで、使うべき図の種類が決まってくる、というのは、きわめて分かりやすいと思います。

本書では「『チェス』とは何か?」という題目で、この6つの絵を使って説明することに挑戦しており、なるほど、こういう風に使い分ければいいのだな、と(詳細は本書を)。

本書は、見ているだけで楽しくなる本なのですが、こういうスキルも身に付けて実際に活用できたら、プレゼンがより魅力的に仕上がることは間違いないでしょうね。


個人的にはオススメの1冊!

スゴい! プレゼン 描いて、見せて、伝える
スゴい! プレゼン 描いて、見せて、伝える
第1章 3つのルール
第2章 ルール1:真実を語れ
第3章 ルール2:物語を使って真実を語れ
第4章 ルール3:絵を使って物語を説明しなさい
第5章 心配しないための方法
第6章 贈り物


【関連記事】

【スゴ本再び】『4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング』ダン・ローム(2011年06月21日)

【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)

【ダイアグラム】『イギリス式シンプル問題解決法図解思考50のルール』ケヴィン・ダンカン(2014年10月26日)

【オススメ!】『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』山口 周(2012年10月22日)

もしものときのための『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』6選(2011年04月13日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

4413044479
できるリーダーはなぜメールが短いのか (青春新書インテリジェンス)

メールが長いsmooth涙目の巻……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「プレゼンテーション」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。