2015年02月28日
【ノート思考】『マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか』大嶋祥誉
マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「シリーズ累計18万部突破」の大嶋祥誉さんの新作。タイトルを見て、てっきり「ガチ」な「ノート術本」なのかと思いきや、むしろ「思考術」や「ロジカルシンキング」に近い内容でした。
アマゾンの内容紹介から。
仕事ができる人のノートはなぜ汚いのか?
ノートは他人の話を書き留めるためのものではない。問題解決ツールなのだ。
書きながら考え、考えながら書け!
──世界最強のコンサルティング・ファーム、マッキンゼー&カンパニーの社員が叩き込まれる「問題解決のためのノート術」をわかりやすく紹介する。
なお、新刊であるにもかかわらず、Kindle版が、同時発売となっております!
233 of 366 / mjtmail (tiggy)
【ポイント】
■1.問題解決の4つのステップごとにノートを使い分けるまずは現場でのヒアリングやインタビューをもとに、「ケンブリッジノート(罫線ノート)」にひたすら書き綴った情報から「取り組むべき真の問題=イシュー」を特定。今度は「方眼ノート」で思考を整理しながら問題解決の「仮説」を立てる。さらに、ストーリーラインや仮説検証と全体の設計、伝えたいメッセージを考え、それを「マッキンノート」で1枚1枚のチャートにしてアウトプットしていくのです。
(詳細は本書を)
■2.自分の背の高さになるまでパッケージ(報告書)を読み込む
なぜそうすることが大事なのかというと、過去のパッケージの読み込み量を増やすと、どういった問題に対してどんな問題解決アプローチをしているのか、どんな仮説が有効なのかといったことがつかめるようになるからです。
つまり、先輩たちの問題解決プロセスでの思考を学んで、自分の「ノート思考」の中に取り入れていくことで、今度は自分がやらなくてはいけない「問題解決」の課題を前にしたときに、その流れがつかみやすくなるのです。
■3.まず「Where(問題の在りか)」を考える
多くの人は、つい「Why(原因)」や「How(対策)」を急いで考えようとしがちです。しかし、そもそもの問題の定義=「Where(問題の在りか)」がズレていれば、そこにどんな「Why(原因)」や「How(対策)」を見いだしても問題解決にはつながりません。(中略)
まずは「Why(原因)」や「How(対策)」も入り交じった情報を収集し、その中から「Where(在リか)」をノート上に抜き出し、関連性がありそうな情報同士を分析してみます。
■4.仮説を立てたら、いい見出しをつける
こでもっとも重要なのは、具体的な言葉に落とし込んだ「いいラべル」つまり、いい見出しをつけることです。「これが、仮説かな?」と思ったら、言葉にすることが重要。ワンメッセージの具体的な表現で質問形式にすることが「いいラべル」の条件です。(中略)
なぜ、ワンメッセージの具体的な言葉にすることが重要なのか。その理由は、具体的かつシンプルな表現にすればするほど、解決すべき、つまりフォーカスすべきテーマが明確になるからです。
■5.アウトプットのためのサマリー力を「ブレット形式」で鍛える
「ブレット(bullet)」」とは文章を箇条書きにするときに、各文章の先頭につける黒い丸印(・)のこと。
構造化というと難しく感じるかもしれませんが、ひと言で言えば「主張」と、その「理由」「根拠となる事実」をわかりやすくまとめることです。
ブレット形式では、ノートの左端に「何についてのサマリー」なのかということが、あとからノートを見返したときにパッとわかるラべル(見出し)を記入し、本文のところに黒い丸印「・」をつけて「結論(仮説やイシュー)」⇒「現状の事実・根拠」⇒「解釈・意味合い」の順に整理しながら書き込んでいきます。
そして、ノートのいちばん下には「次にやるべきこと」「次に考えるべきこと」を必ず書いておくことで、アウトプットに向けた流れをつくっていくのです。
【感想】
◆本書の冒頭には、ご存知大前研一先生のこんな言葉が載っています。「私にとってノート術というのは他人の話を書き留めるためのものではない。あくまで自分の思考を整理するためのものである」
それに従い、本書で展開されているのは「問題解決のためのノート術」。
問題解決を行うために、ノートを「思考ツール」「問題解決ツール」として使っています。
◆そのために用いるノートは3種類。
具体的には、上記ポイントの1番目にある「ケンブリッジノート」「方眼ノート」「マッキンノート」の3つとなっております。
本文中や、巻末の付録に画像が掲載されているので、アマゾンで探してみたところ、最初の2つはこれのよう。
キョクトウ スプリングノート ケンブリッジ A4変形 P903
LIFE ライフ NOBLENOTE ノーブルノート 5mm方眼 A5 N33
最後の「マッキンノート」だけは、マッキンゼーのオリジナルだけあって、市販はされていないのですが、ググってみると画像まで掲載されているブログがありました。
マッキンゼーノート | スターフィールド株式会社
ただし「マッキンノート」に至るまでが、主に思考する部分なので、本書では最初の2つがメインなのですが。
◆本書の第2章では、この「仮説を立てて検証する」ためのノート術を徹底指南しており、上記ポイントもすべて第2章から抜き出しました。
続く第3章は「応用編」ということで、さまざまなパターンごとに、実際の書き方・まとめ方が収録されています。
この辺は、ホントは図解というか、実際のノートの具体例をご紹介できると分かりやすいのですが……。
一方第4章では、著者の大嶋さんが、マッキンゼーで出会った方々のノート術を紹介。
ちなみに、初っ端に大前先生が登場するのですが、先生のノート術は、以前書いたこの記事に詳しいので、興味のある方はご覧ください。
【メモ】「大前ノート」@プレジデントの3つのポイント
◆繰り返しますが、本書はいわゆる「ノート術」とは一線を画す内容であるため、タイトルだけ見て勘違いされないよう、ご注意頂きたく。
ただ逆に、「コンサル流の思考術」を「ノート」という切り口からアプローチするやり方は「アリ」だと思います。
特に「出来上がった資料」ではなく、「そこに至るまでの過程」が可視化されている点で秀逸かと。
今まで「仮説思考」と言われて、アタマで分かっていても、具体的なアクションまで落とし込めなかった方(含む自分)にとっては、理解を深める1冊になるのではないでしょうか。
「マッキンゼー流思考術」を身に付けたい方に!
マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか
序 章 できる人のノートはなぜ汚いのか?
第1章 マッキンゼー流 プロフェッショナル・ノートの流儀
第2章 マッキンゼー流ノート術の極意 基本編
第3章 マッキンゼー流ノート術の極意 応用編
第4章 マッキンゼー流ノートで結果を出す
第5章 マッキンゼー流ノートで自分を磨く
【関連記事】
【問題解決】『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』大嶋祥誉(2013年04月30日)【仕事術】『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』大嶋祥誉(2014年07月26日)
【ノート術】『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』高橋政史(2014年05月22日)
【問題解決】『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人(2010年11月30日)
【マッキンゼー流思考術?】『思考を広げる まとめる 深める技術』太田薫正(2014年05月29日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる本。元・外資系人事部長が見た 要領よく出世する人
内容もですが、Kindle版が結構お安いのもポイント高し!
ご声援ありがとうございました!
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